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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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俺もさっと支度して先生と近くへ。
喫茶店で食事をしていてふと先生がこっちを見た。
「ねぇ。来週寒いんですって。ちゃんと着込まないとダメよ?」
「寒い? どれくらいでしょう」
「ええっとねぇ。確か水曜くらいから冷え込むって言ってた気がするわよ」
「やだなぁ寒いの」
「今くらいだと楽よねえ。こっちはマイナスになるらしいわ」
「うへぇ…そりゃ寒い。水曜の夜ですかね」
「多分そうだったと思うけど。急に冷え込むから困るわね」
「おうちも暖房ちゃんと焚かなきゃ。廊下とか気をつけないといけませんね」
「そうねぇ。ヒートショック? 怖いもの」
「あっちの家やうちの家みたいに全部を温めるのがベストですが先生のお宅はねえ」
「そうなのよね、使ってない部屋が多いから」
「廊下、床暖房にしませんか。随分変わりますよ」
「床を剥がすの? うーん」
「剥がさなくても上置きタイプありますが」
「どれくらい高さ変わるかしらね」
「後でショールーム行きませんか。たしか立川にあった気がします」
「一度家に帰ってからね。お母さんに言ってみるわ」
食後、そのまま先生のお宅へ戻って八重子先生にふってみた。
「結構高いんじゃないの?」
「100程度なら俺出しますよ」
「そんなわけにはいかないわよ」
「だって俺、冷たい床苦手ですしーってことで」
八重子先生には受けたようだ。
「じゃ、ショールーム行きませんか」
「私は良いよ、あんたら二人で行って来たら?」
「良いんですか? 先生が気に入れば即決しちゃいますよ?」
「いいよ」
着替えて先生と二人、ショールームへ。
説明を受けて床材を見せてもらう。
実際にはってある床を歩いて確かめると納得がいった様だ。
「では現地確認など必要ですので近くの販売店のものを向かわせます」
「先生のところは出入りどこでしたっけ。そこかな」
どうもそのようだ。
日取りや時間は先生にお任せしておおよその金額を聞く。
間取りを図にして算出。予算内でいけそう。
近日中に現場確認と言うことでショールームを出るとお昼を過ぎていた。
八重子先生に連絡を入れると作ってないとのこと。
先生が食べたいものを出す店を探し、入った。
結構にうまかったので覚えておこうかな。
帰ってご報告。
そして月曜には下見に来て正式な見積もりが出たようだ。
火曜日のお稽古の後に確認した。
「本当に良いの? こんな大金…」
「どうせ必要じゃないですか。寒いの嫌でしょ?」
勿論かかるガス代の分、いつもお渡ししてる金額に加算する予定である。
乾燥機も連日雨の時は使っているそうだ。
寒くて乾かない冬は特に使い勝手が良いだろう多分。
見積もりを確認したのですぐに工事の日取りを決めてもらった。
まだそんなに予定が詰ってないそうで幸い来週の頭にはと言うことだ。
風呂に入って布団に潜り込む。
先生の体を少し楽しんで先に寝た。
ちょっと不満そうだったけどあまりに眠くて。
朝、求めてくるかと思ったがさすがにそれはなかった。
「寒いわねぇ」
「はい、スリッパ」
「ありがと。あんたもうちょっと寝てたら」
「いや、寒いのは慣れてるから」
ふらーっと台所に行って朝飯を作る。
いつもの水曜。
朝飯を食べたら後は掃除。掃除。掃除。
特に廊下を磨かされた。
やっぱりね、工事の人に汚いところは見せられないって思うよね。
掃除に疲れた頃おやつを頂いて一服し、お夕飯を買いに出る。
先生にもたっぷりとショールにマフラーを巻いて。
「やぁねぇ。これからずっと寒いのかしら」
「もうすぐ大寒ですからね、仕方ないですね」
手を繋いで買物を済ませ帰宅し食事を作る。
今日は肉じゃが。
煮崩れ上等。
つまりはいつもの男爵芋だ。
先生から丁寧に面取りするよう言われた。
フライパンでこんにゃくと一緒に酒で煮て他の材料も入れた。
こんにゃくは最終的にどうするのだろう。
と思ったが先生は普通に盛り付けてしまわれた。
夕飯を食べて帰ろうとすると表の寒さに一瞬震えた。
「マフラーしなきゃだめじゃない」
「はい。持ってきてるの忘れてました」
一度中に戻って首元をしっかり塞ぎそれから改めて別れを。
寒い外気に包まれて電車に乗る頃にはすっかり冷えた。
車内は暑く、コートもマフラーも外した。
置き忘れに注意。
ちゃんと下車時に思い出してコートを着てマフラーを巻いた。
家に着いたが室内も冷え切っている。
ストーブと床暖とエアコンまとめてつけて急いで温めた。
温まった頃エアコンを消し、ストーブと床暖の設定温度を下げ、ベッドに潜り込む。
おやすみなさい。

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