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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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夕方を過ぎた頃目が覚めて夕飯を食べに出てその足で先生は電車へ。
うちに寄ってからと思うと帰りたくなくなるなどと嬉しいことを言って。
明日また、と別れた。
帰宅して寝て夜が明ければ仕事をこなし、お稽古に行き先生を軽めに抱いて寝る。
これが出来るのも後一週間。
先生は既に正月準備に掛かっていて俺も少し手伝った。
再来週適当な日にうちの掃除をしてくれるらしい。
本当に助かる。ありがたい。
日々、稽古に来る時間が遅くなって申し訳ないなぁと思いつつもそろそろ月後半に入った。
この火曜のお稽古で俺は一足先にお終いになる。
先生方の終いは翌週月曜日らしい。
火曜日にいらっしゃる生徒さんとも今年はこれでお別れだ。
先生にきっちりと皆さんご挨拶をされて帰られた。
俺も稽古をつけていただいた後、今年の稽古のお礼と来年の稽古をよろしくお願いした。
このときばかりは八重子先生も食事の準備の手を休めて。
馴れ合いにしてしまわれないのが先生方の良いところだと思う。
おいしい夕飯にありついて、先生を抱いて寝るのも今日から年内はない。
つまらんなぁ。
ぼやくとそのかわり三ケ日の後は泊まってあげるとおっしゃる。
それを楽しみにして頑張るしかない。
先生も名残を惜しむかのように寝るのを嫌がり、俺の肌を触りまくっている。
浮気の心配はないと見えて噛まれはしなかったけれど。
たかが半月、と笑われる向きもあろうが、二日に一度以上会ってるからこそ寂しい。
「ねぇ、明後日寒波って聞いてるわ。気をつけてね」
「先生も。積もってたら気をつけてくださいよ」
「積もるかしら」
「多分。お稽古するんですか、そんな日でも」
「そうね、誰も来なかったらお母さんとするわ」
「俺も混ざりたいなぁ」
「無理なこと言わないの」
「だって一緒にいたいんだよ、あなたが好きだから」
うん、と小さく答えがあるが最早眠いらしく会話は無理そうだ。
キスをして撫でてあげてるとすぐに寝息になる。
やっぱり可愛いよなぁ。
俺も眠気に負けた。
翌朝絡みつく足から抜け出すのに苦労しつつも台所へ行き朝食を作り皆で食べる。
ゆっくり出来るのも今日限り。
帰る頃には先生が袖を離してくれなくて困った。
「俺寝てても良いんなら添い寝しに来ますか?」
少しからかい半分に言ったのに食いつかれた。
「だけどあなたも大掃除しないといけないでしょう。疲れるからやめなさい」
「でも…」
「大晦日、来ますから」
ぐずるのをなんとか説得して別れて帰宅した。
寂しいのは俺も一緒だがこればかりは仕方ない。
明日からは気を入れて仕事をするしかないんだから。

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