夜半、風雨の音に目が覚める。
酷くなってきたな。
もぞもぞと先生が動いている。寝返りか。
うっ。
下帯の中に指を滑り込まされた。
どうしていいかわからないらしく、まさぐられているだけだが。
「駄目と言ってるの、わかりません?」
「だって…山沢さんにも気持ちよくなって欲しいんだもの」
苦笑。
「そんなことしなくてもいいんですよ。
あなたが気持ちよくなってるのだけで十分、私は気持ちいいんですから」
「でも…」
そっと乳首に触れられた。
びくっとなりそうなのを耐えて、先生にキスする。
「そんな気力があるならもう一戦しましょうか。今度は腕を縛りますよ」
「それは…もう無理よ」
私の下帯から手が外された。
「山沢さんも結構濡れてるのね」
まあね。
先生の手を拭いてあげて、もう少し寝ましょと誘う。
眠くはあったらしくすぐに寝てしまわれた。
ったく。
どうしたものか。
早朝、よく寝ている先生を置いて庭に出ると快晴。
空気が澄んで…寒い。
火鉢の用意しておくか?
部屋に戻ると先生も目が覚めたようでぼんやりしている。
キスをして、洗濯した肌襦袢と長襦袢をまとめて羽織らせる。
それすらひんやりしていて、思わず先生は私に身を寄せる。
朝っぱらからしたくなるじゃないか。
んー時間、まあいいか。
嵐がうるさくて眠れなかったとか言って寝坊したことにしてしまえ。
直接先生の足の間にもぐりこむ。
まだ濡れてもいないその場所を念入りに舐めていると押し殺した声が聞こえる。
濡れてきた。中指を差し入れて探ると声が出る。
腕を差し出すと噛まれた。
しがみつかれて背中に引っかき傷つけられて腕や肩に噛み痕付けられて。
楽しい。
気持ちいい。
たまんねえな。
自分の手で好きな女が気持ちよくなってる。
嬉しすぎる。
どうやったらそれがわかってもらえるんだろうなあ。
してもらうのが苦手なことも。
そう思いつつ中を楽しんで。
切なげにひそめる眉を見て。
追い詰めて、はぐらかして。
お願いされて逝かせる楽しさ。
逝った後の可愛いさ。
これで十分幸せなのに。
肩で息をしているのをなだめて、落ち着かせて。
頬を染めて。潤む瞳。いいな。
朝からなんて、と詰る唇にキスをして文句を封じる。
寒くなくなったでしょ?というとペチッと額を叩かれた。
先生は肌襦袢、長襦袢を着直して、取敢えずは私の着物を着た。
部屋で着物に着替えてくるという。
まあ対丈の着物だとちょいと着易いから着てってくれていいんだけどね。
八重子先生に出会ったら昨日してたの丸わかりというね。
とりあえず布団片付けるか。