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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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525

夜中、一度八重子先生がトイレに起きたのに付き添う。
翌朝からは無理をせず、ゆっくりと家になれることを重点においてくださった。
GWの三日を過ごして退院はできそうだ、と先生との意見は合致した。
明日、律君付き添いで病院に戻ってお医者様と退院日を決められるそうだ。
ひして先生のお稽古お休みの三日間は先生がうちへ来てくださる。
俺が帰って掃除をする暇はない。
というか掃除をするために来てくださるそうだ。申し訳ない。
翌朝、律君が二人を乗せて病院へ行った後、掃除をして、律君のお昼を用意して置いた。
先生達が戻ってきたのでその足で俺の車に乗せて帰宅する。
「何か久しぶりねぇ、あなたの家に行くのも」
「そうですねえ」
連れて帰って第一声は「汚なっ」だった。
本気で呆れられて、あきらめた顔で指示をくれる。
もうここまで放置してるとどう掃除して良いか自分ではよくわからんのだよね。
雑然とした部屋が先生の指示に従っているうちにだんだん綺麗になる。
不思議な気分。
整頓も先生が言うようにするとちゃんと収まる。
終わったころはもう日が落ちていて、先生はお疲れである。
「とりあえず銭湯行きましょうか」
「あぁお風呂、洗ってないわね、まだ」
着替えと風呂セットを持って先生と近所の風呂屋へ。
「銭湯って久しぶりねえ」
「久しぶり続きですね」
「あら」
もちろん女湯に入る。番台が一瞬変な顔をした。
俺はたまに仕事帰りに入るから気づいたようだが。
この時間帯、女湯はほぼ無人ゆえ気兼ねなく先生が脱いでいるのを眺めつつ。
汚れを落としてすっきりして、先生の髪を乾かし涼んでから着替えた。
それから飯を食いに出る。
先生のご希望でスパゲティ。
豆乳を使った和風のスープスパに先生は舌鼓を打ち、俺はカレーのスパを食う、
こっちをみてお子様ね、と笑った。
「お子様じゃない所、うち帰ったら見せてあげましょうね」
にやっと笑うと恥ずかしそうにしている。
可愛いね、簡単に墓穴掘っちゃう。
そんなつもりじゃなかったのに、という感がありありと出ている。
先生のスパは半分ほど食べた後ゆず皮のおろした物をかけるようだ。
多分うまいんだろうなぁと思う。
見ていたらスープをすくって俺にくれた。
「あ、うまいな、これ」
「でしょ? あなたもたまには頼んでみたら良いのに」
「でもカレー好きなんだよ」
くすくす笑ってるのも可愛いなぁ。
食べ終えてアイスレモンティと温かいほうじ茶。
「さてと、帰って寝ましょうか」
「あ…はい…」
会計を済ませて手をつないで帰宅した。
さて寝る前に布団を取り入れてシーツをかけねば。
先生がくつろいでる間にそれらを済ませた。
では、と。
「おなかこなれた?」
「ちょっと待って」
トイレに行った。我慢してたのか?
着替えてベッドで待ってると先生が鍵を確かめ、リビングの電気を消して戻ってきた。
そっと浴衣の帯を解く。
「待った、今日はやらないつもりだから」
「えっやだ、恥ずかしい…」
あわてて直して布団にもぐりこんできた。
「だってあなた今日は疲れているでしょう?」
「いいの?」
「良いんだよ、ほら、早いけど寝ましょう」
背中をなでているうちに先生の体が温かくなりあくびが出た。
「おやすみなさい」
「おやすみ」

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