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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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背後で先生と律君がなにやら喋っているのを聞きつつ、隣の部屋に敷布団を敷いた。
その上に防水シートを敷き、バスタオルやタオルを置く。
かなり大きめなのでシートの外にこぼす事だけはない。
湯を貰って来てオイルを温める。
その間に吸水シートを乗せ、固定した。
そろそろ良かろう。
「先生、これますか?」
首を振る。
「先、トイレ済ませましょう。失礼」
抱えあげて連れて行く事に律君はもう見慣れたようだ。
戻ってきて浴衣を脱がせ、湯文字も取らせた。
紙パンツは穿かせたが恥ずかしそうにしている。
伏せさせて温めたオイルをたっぷりと掛け、ゆっくりとほぐして行く。
触れていない場所にバスタオルを掛け、冷えないようにしつつ。
最初はくすぐったそうに、それからだんだんと気持ちよさそうな顔になってきた。
お尻を揉むのにパンツをずらすのはさすがに恥ずかしそうだったけど。
律君は途中で目のやり場がないのか部屋に逃げてしまった。
仰向けになってもらって丹念に解す。
乳首や、股間は触らないように。
とはいえ鼠蹊部はリンパがあるのでどうしても手が当たるのだが。
少し色気のある顔でこちらを見るのは欲情してしまったのだろうな。
「あら、あんたたちさっきお風呂入ってなかったっけ?」
「八重子先生。ええ、うっかりしてました。夜にもう一度と思ってます」
「あっそういえばそうよね。せっかく入ったのに」
会話をしつつ丁寧に。
足の指の間まで。くすぐったそうだ。
最後に全体的に流して終わり。
「あぁ気持ちよかった」
ある程度ホットタオルを使って拭き取り、持って来た服を着せた。
浴衣着ると洗うのが大変だからね。
靴下を履かせると何か微妙という顔をした。
居間に追いやって後始末をする。
オイルのついたものは基本廃棄、さっさと仕分けして片付けた。
「あんた眠いなら部屋で寝なさい」
振り返れば先生が舟を漕いでいる。
使っていないバスタオルをもって先生のお部屋へ行く。
敷いてある布団にバスタオルをさらに敷いた。枕の上も覆うように。
ふらっと先生が来て布団にもぐり込む。
「おやすみなさい」
「うん」
すぐに寝息になった。
かわいいなぁ。
しばし見とれてから部屋を出た。
戻って片付けて、それから八重子先生に引き止められるまま夕食をいただいた。
やっと先生が起きて来て、風呂に入れるとの約束通り洗うことに。
膝をまたがらせて座らせた。
「お昼みたいなこと、しないでちょうだいね。律もいるんだから」
「わかってるよ」
今回は軽くオイルを取る程度にする。
冬なら洗う必要はないけれど、これから夏へ向かうだけに洗わねばならん。
汗をかくことが多い先生はあまり残すのは好ましくないようだ。
キスをしたくなって唇を合わせる。
「こら、だめよ」
「連れて帰りたくなっちゃうな」
「明日もお稽古なんだからだめよ」
「じゃあ明日の晩を楽しみに。ねぇ、気づいてますか、俺の膝に押し当ててるの」
「言わないでちょうだい、恥ずかしくなるじゃないの」
恥ずかしがって下を向いちゃった。
「可愛いと思ってるよ。少しヌルついてるのは」
「オイルよ、オイル」
「ってことにしてあげましょう」
俺の膝から降りて自分で股間を洗い出した。
やることがかわいい。
背中を拭いたらタオルは奪われた。
「もう自分で出来るから」
「はいはい」
自分を拭いて風呂を上がり、俺は外着。先生は寝巻。
「帰るの?」
「仕事ですよ?」
「そうだったわね」
「お稽古休んでとは言いませんからね、絶対に」
「たまには言ったらいいのに」
小さい声でそう言った。
「律君が就職して独り立ちしたらね、京都に住みませんか」
はっと顔上げた。
「もちろん、心配事がなくなったらの話ですが」
「…その頃にはきっと私、おばあさんだわ」
「それでもいいです」
「期待しちゃうわよ?」
「その頃になってもお茶を続けるつもりなら、家を選ぶでしょうけど」
「だったら貯金しなくちゃね。あんまり外食はよくないわねぇ」
「たまにホテル行くくらいはいいでしょう?」
「そうねぇ。来年、用がなければあちらの部屋は空けたほうが…」
「あー今年あんまり使ってませんね」
などと細々話しつつ居間へ。
八重子先生が羊羹を食べている。
「あんたらもいる?」
「俺はいいです」
「おいしそうねえ。冷蔵庫?」
うん、と八重子先生がうなづいて先生が台所へ。
暫くして戻ってきた。
お盆に自分の分と、俺へはコーヒー、バームクーヘン。
「おお、うまそう」
「おいしそう、でしょ」
「すみません」
「あげないわよ? 言葉づかい直すようにしないと」
「気をつけます。ですから下さい」
「どうしようかしら~うふふ」
「遊んでないで下さいよー」
「はい、じゃちゃんと座って」
足を伸ばしてたのを正座して食卓に向かう。
「良い子ね、じゃ食べていいわよ」
「いただきます」
八重子先生がずっとくすくす笑ってる。
「あれ? これうま…おいしいですね」
「いただきものなのよ。クラブハリエって書いてあったわ」
「あー、滋賀にあるやつ。今度最中買ってきてあげます」
「バームクーヘンのお店で最中?」
「三越にたねやってあるじゃないですか」
「そういえばあるわねぇ。あっそうそう、忘れちゃうところだったわ」
「どうしました?」
「今度でいいからタバコ買ってきてちょうだい」
「吸うんですか?」
「刻みを買ってきて欲しいのよ。ほら、茶事の稽古するから」
「なんだ、吸うのかと」
「むせちゃうわよ」
「八重子先生は吸えるんですか?」
「お稽古で吸ったことはあるよ」
「あぁ、そうですよね」
「姉さんは吸うわよ」
「女だてらにって言ったんだけど」
「まぁ男と対等に仕事してると飲みたくなるものですよ」
「そういえばあなた吸ってたものねえ」
「ヤニ臭いの嫌いでしょう?」
時計が10時を知らせる。
「もうそんな時間?」
「ああ、では俺はこれで」
「おやすみ」
「おやすみなさい。気をつけて」
送らなくていい、と居間で別れた。

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