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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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55

うん、と先生が答えて抱えあげ連れて行く。
寒いから浴衣は着せたままでいいだろう。
そっとベッドの上に降ろして覆いかぶさる。
「どうして欲しいですか?優しく?強く?それとも酷く?」
「聞かないで…山沢さんの好きにして…」
「いいんですか?酷いの一択ですが」
「ええっ…酷いのは駄目よ」
思わず笑っちゃったじゃないか。
「はは、やっぱりあなた、可愛いですね。優しくしてあげますよ、酷い事」
うなづいて、しばらくして。
「だから酷いことは駄目よぅ」
ああ、気づいた(笑)
「酷いことってどんなことでしょうねえ」
「…お尻、嫌よ?」
「他には?」
「…縄、とか」
「他にはありませんか?」
「…道具?」
「よく出来ました、全部やってあげましょう」
顔が引きつって逃げようとしてる(笑)
「冗談です、しませんよ」
さっき焦らされたお返しだ。からかっちゃった。
耳を撫でて。
キスして。
優しく、優しく抱いて。
気持ち良いところは焦らさず。
好い声を沢山聞いて。
好きだ、愛してると囁いて。
先生が幸せそうに微笑んでくれて。
嬉しくて、幸せで。
終わった後もそのまま抱きしめて寝てしまった。

翌朝は仕事のため布団に先生を置き去りにする。
まだ幸せそうに寝ている。
そういう顔を見ているともう一度やりたくなるの半分、幸せなの半分。
取敢えずは仕事がんばってこよう。
書置きと、足りないものがあればと手文庫から数万円置いて行く。
職場はまあ、暇…。
早く帰って続きがしたいものだ。
携帯が鳴って取ってみると先生からだ。
『ねえ、このあたりに割烹着売ってるところないかしら。忘れてきちゃったの』
「ありますが多分たどり着けませんよ?私帰るまで待てます?」
『うん、朝は浴衣のままだから紐を襷にかけてしたんだけど』
「そんじゃ買って戻ります。あと今日はアコと足赤えび持って帰る予定なんですが」
『あら美味しそうね。割烹着はお願いね。待ってるわ」
暇な間にいくつか電話して持ってるか聞くと、やはり持っている店があった。
まあ無ければないでちょっと足伸ばして大型ショッピングセンターか百貨店にでも
行けばあるはずだが。
仕事が終わり、帰りに店によって買って帰る。
色が無くてねえ、と渡されたのは白色。うん?普通は白じゃないのか?
どうやらグレーとか臙脂とか水色とか有ったらしい。
白が一番いいじゃないか、清げで。ちゃんと洗濯されてたらの話だが。
割烹着を持って、魚も持って足早に帰宅する。
ドアを開けるとおかえりなさい、と言われて嬉しくなってただいま帰りました、と返す。
割烹着を渡して魚を冷蔵庫にしまう。
下処理は会社でして来た。
アコのあらを出汁用に持って帰ってある。
というと早速出汁を取るからと割烹着を身につけられた先生に渡す。
「もう焙ってあるの?」
会社で焼いてきた。家でやると掃除が面倒くさい。
先生に台所をお任せする。狭いから二人で立つには邪魔になる。
ふと窓を見ると…うわあ、洗濯干されてる。
うぅ、なんか恥ずかしい。
シーツも洗って干されて掃除機がかけられていて。
嬉しいけど恥ずかしいじゃないか。
「山沢さん…あのお部屋…」
先生はちらりと連れ込んだことの無いはずの部屋に視線を走らせる。
「ごめんね、見ちゃったの。ちょっと吃驚しちゃったわ」
…道具一杯出したままだったよ。
「使いましょうか?今から」
もうへこたれて床に寝転んでしまった。
あー、着替えなきゃなー。
「……聞かなかったことにするわ」
はいはい。そーしてください。
取敢えずは着替えてシャワーを浴びよう。生臭い。

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