「ねえ先生?私ねえ、あなたをこうしているのが一番気持ちいいんですよ。
こうやって抱いてね、好い声を聞いて。しがみつかれたり引っかかれたりしてもね。
あなたが気持ちいいことをしてるときが一番気持ちいいんです」
だから。
「セーフワード、決めましょうね。本当に嫌悪を感じること、恐怖を感じること。
そういうことを私がしたときに止まれるような言葉をね」
「…よくわからないわ?」
「ああ。たとえば。浣腸して排便を見られるとかどうです?」
先生の腕に鳥肌が立った。
「そういうことはお嫌でしょう?嫌といっても勢いで私はしかねません。
だから勢いを殺すための言葉を設定するんです。
あなたが本気で嫌がってるという、そういうことを知らせる言葉を」
「わかったけど、それは絶対嫌よ?お願いだから…」
苦笑。まあするとしたら…私を本気で怒らせた時だな。
「ただし、簡単に使っちゃいけませんよ。じゃないと効き目がなくなりますから」
まあ怒らせたときは喋れなくしちまうだろうから意味は無いが。
「うん。わかったわ」
「なにか効果的な言葉、考えて置いてください」
「あのね…山沢さん、私…たまに怖いのよ。
私がいやっていったときとか…あなたの気配が変わるから」
ああ、ちょっと楽しくなっちゃうからだな。
「それはですねえ…あなたを壊したくなっちゃうからですね。
理性も何もかも奪ってあなたから『犯して』とか言わせて見たい。
そんな困った欲の所為ですね」
そういうと先生は真っ赤になってしまった。
それになーやっぱり独占欲ってあるんだよね。
このまま攫って私しかいない世界で、ずっと抱いていたい。
壊れるまで、いや壊れても。まあ現実は無理なわけだし?
「ふふ、でも先生。あなた自分から言えないでしょう?」
理性はたまに行方不明にしてるようだけど。
「…言えないわよ。そんなの」
「どうしてです?怖いですか?」
ためらって、うなづいた。
まあ確かに?そんな事言われたら三日三晩ずっとしてたくなるだろうしな。