帰宅してさびしく一人寝。
残り香を抱いて。
連休明けはいつも憂鬱だ。仕事が多い!
やっぱり定時には終われない。
できるだけ早く終わらせて帰宅し、シャワーを浴びて急いで家を出る。
駅に行くまでに電話をする。
約1時間半の遅れだから水屋の用意どころかお稽古に30分の遅刻だな。
こういうときは電車に乗ってる時間が長く感じる。
早くつかないものか。
って携帯が鳴る。電話を受けて連結部へ行く。
先生から。焦らずゆっくりでいいとのこと。
連休明けでやはり生徒さんがお休みしているとか。
少し落ち着く。
まあそれでも何人かは来られるわけだからできるだけ急ごう。
駅に降りてバスを待たずタクシーを使う。
玄関前まで走り、息を整え身だしなみを確かめて、入る。
ささっと支度をして客に混ぜてもらい、お稽古していただく。
「山沢さんはそうねえ、今日は盆点しましょう。用意して」
茶通箱じゃなくてよかった。
あれは用意がめんど(ry
「あとで時間が空いたら茶通箱するからそれも用意ね」
読まれたかっ。
水屋に色々と道具を仕込んで、用意を整えて客に戻る。
さて、お点前を終えられて早速私の番。
もう一挙手一投足すべて叱られる。
厳しくするとは言われてたけど。
って他の生徒さんが引いてるじゃないか。
点前が終わって次の生徒さんにはにこやか~に教えておられる。
お稽古の後、生徒さんが先生の本気を見たと怖がっていた。
苦笑して水屋の片付けをし、居間に戻った。
夕食を共に頂き、夜、私の部屋へ。
「ねえ、私のこと嫌にならない?」
「どうしたんです?昨日の今日でそれを聞くんですか?」
「だってお稽古、厳しくしちゃったでしょ」
「それとこれとは別、でしょう?
あなたが私を嫌いでそうしてるんじゃないんだったら問題ありませんよ」
「良かった…」
「それより他の方が怖がってましたよ。本気を見たって」
「あらぁ、怖いかしら?」
「私は怖くはありませんけどね。だって…」
キスをする。
「可愛いの知ってますから」
「ちょっとくらい怖がって欲しいわ…」
「あなたが本気で怒ったら怖がるでしょうけど」
「怒らせないでね」
「できるだけそうしたいものですね」