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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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もし絹さんと山沢君が喧嘩して「もう来ないで!」と絹さんに言われたら。

-開と浮気パターン-
落ち込み、そしていらいらしていると開さんに道で遇った。
「どうしたんだい?」
と聞かれ自宅へ呼んで相談しているうちに浮気をしてみる気になった。
「開さん。一度前に僕としてみないかって言いましたよね」
「うん、言ったね」
「それ今じゃいけませんか。したくなりました」
そういって開さんにディープキスするとその気になってくれたようで、
あまり経験がないために痛がる私をゆっくりと抱いてくれた。
「こういうのはあまりよくないから、これっきりにしなさい」
自棄で抱かれたことをよく承知しているようで、からかいもせず朝まで一緒に。
「落ち着いたらまたうちにおいで。絹も待ってるよ」
首を振って、来るなと言われましたから、と答えた。
そして一月半ほどが経ち、時折八重子先生から心配そうな電話がかかってくる程度で
日を過ごしているうち、気づいたことがあった。
月経が来ていない。
割と不安定なので気づいてなかったが確かにきていない。
もしやと検査薬を試すと陽性。
産婦人科へ行き検査をしてもらうと妊娠がわかった。
慌てて八重子先生に電話して相談すると今日は絹がいないから直ぐにうちにきなさい、
でも慎重に、満員電車なんか避けてきなさい、と言われた。
そうしてとりあえず先生のお宅へ行き、心当たりはこの一事で、そうなった理由はこうで、
と説明して、ご理解をいただいた。
「どうしたらいいんでしょう…」
「産むか堕ろすか、だろうけど産んでみたらどうかねえ」
「ですが自信ないです…」
「取敢えず産むっていうならうちですべて面倒は見るよ。
 開と結婚してくれれば今なら嫡出子だけどそっちはどうする?」
「ううーん。絹先生にくるな、って言われててそれはいいのかどうか」
「ただいま」
うっ絹先生、帰って来た。
「どうして…山沢さん…」
「山沢さん妊娠したんだって」
ぐいっと胸倉を掴まれた。
「誰の子なの?!」
「あなたには関係ない」
「関係有るわよ!」
「振ったんだから関係ないでしょう!」
「開の子だってさ」
「八重子先生、今言うことじゃないでしょうに」
「ほんとう、なの? そんな、だって、おとこのひと、にがてって」
先生はへたへたと座り込んだ。
「自棄でしたんだってさ」
「山沢さん…産んで、くれる?」
「なんでそうなるんですか。堕ろしたいです」
「うちに住んで。堕ろすなんていわないで産んで頂戴、お願い」
「なぜですか、俺にここに来るなと言ったの、あなたでしょうに」
「言い過ぎたと思ってるわ…でもあなた、本当にこないからどうしようって思って」
「はぁ…もうちょっと考えさせてください。まだ開さんにも会社にも言ってませんし」
「どちらにしても会社には早く言わないといけないと思うよ」
「あ、そうよ。あなたの職場からだ冷えるでしょ。社長さんの電話番号教えて。
 電話してあげるから。あなたからは言いにくいでしょうし」
「え、あ、はい」
番号を教えると先生が電話をかけに行って、何やかやと話しているようだ。
「ずっとあの子も心配はしてたんだよ。でもね」
「意地の張り合いでしたか、実は」
後悔先に立たず。
先生が戻ってきて、電話での話を詳細に教えてくれた。
会社についてはまずは出勤時間そのままで売り手予定者をつけて再来週まで、
その後は可能なら昼からの事務職に切り替えと言うことだ。
出産後は医師が大丈夫といえばいつからでも、と。
そして、再来週になるまでの間、先生がうちに来てくれることになった。
俺の一人暮らしは食事が心配なのだそうだ。
こちらに通うのは疲れるだろうから母体が心配と。
「ですがお稽古が」
「お昼からのときは家に戻るわよ。それでいいでしょ、お母さん」
「いいよ、そうしてやりなさい」
「まだ産むと決めたわけではありませんよ」
「産んで頂戴」
「開の子だからね、私だって楽しみにしてるんだよ」
「とりあえず兄さんを呼ばないと」
と、携帯から開さんを呼び出した。
暫くして、慌てて開さんが来た。
「いや、まさか一回しかしてないし、本当、まさか」
「開、一回でも何回でもできたものは出来ちゃったんだから。
 責任とって結婚しなさい」
「それは勿論、山沢さんさえよければ」
「山沢さん、と言うことだからちゃんと考えて頂戴」
そのまま先生を連れて、うちへ帰る。
部屋の雑然とした様子に驚いて、ベッドにいるよう言い置いて先生は掃除を始めた。
手伝おうとすると、あなたはじっとしてなきゃ駄目、と怒られた。

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