翌朝、さっくり仕事を終らせてシャワーを浴び先生のお宅へ。
挨拶をしてお昼からのお稽古の用意をする。
来るお弟子さんの順に道具をそろえて。
暫くするとお弟子さんが入れ替わり立ち代り。
と、一人インフルエンザで来られないとのこと、俺の稽古をつけてもらう。
少し直されてしていると次のお弟子さんが来たので切り上げた。
最後のお弟子さんが帰られてから俺のお稽古。
円草を、と言われてうっとなっているとお稽古してなかったでしょ?と。
大変に叱られつつ3度ほどお稽古をつけていただいた。
八重子先生に色惚けしているから、などと言われた。
言い返せないじゃないか。
お稽古の後、夕飯をいただいてお風呂をよばれる。
「山沢さん、ちょっといいですか」
律君に呼ばれた、なんだろう。
パソコン?
「学校で使うことになったけど何を買ったらいいかわからないんですよね」
と、必要スペックが書かれた紙を見せてもらう。
「なんだ、これならうちに有るやつとりあえず貸すよ?
使ってみて不具合があってから買いに行けばいい」
「いや、僕、機械壊しやすいんで…」
「ならなおさら新しいのを買うなんて勿体無い」
「壊しても弁償できないですよ」
「壊れてもいいよ」
先生がお風呂から出てきた、色っぽいなぁ。
「あら、どうしたの?珍しいわね、二人で話してるの」
「律君が学校でパソコン必要なんだそうですよ。で、私の使ってないのどうかと」
「あら、いいの?」
「使ってないやつで壊れてもいいのがあります。
使いにくければ新しいの買ったらいいんじゃないかと今言ってたんですよ」
「パソコンって高いんじゃないの?よくわからないけど」
「今4万とかそんなもんですよ?」
「昔おじいちゃんが40万のカタログ持ってなかったっけ?」
「高いから買わないって言ってたわ。今そんなに安いの?」
「ええと、広告。土曜日あたりの広告に電気屋の入るでしょう?あれ見てください」
「今ってそんなに安いのねえ」
「そりゃあね、いいものは25万とかしますけど。
この紙に有る程度なら4万のやつ位でいけなくもないって所です」
「25万?何がどう違うんだろう…」
「うーん、たとえば絵をかくソフトや最近のゲームをするには結構パワーが必要で」
「あんたゲームしないでしょ?」
「うん、しないね」
「となれば別にいらないと思いますね。とりあえず使って慣れて壊すのがコツです」
「壊すのまでセットなんだ?」
「大体一度は壊すもの、私は5台ほど使い潰してるよ。だから壊れて元々」
「なるほど」
「いついるのかな。土曜日に持ってこようか?」
「あ、お願いします」
その後寝間に入ると先生からキスしてもらった。
「いいの?パソコン」
「あ、エロサイトの設定どうします? 見られない様にしちゃった方がいい?」
「律もいい年だから…そういうのと現実が一緒になることはないでしょうけど…」
「そうだな…無修正とドギツイところだけ見えなくしますか」
「無修正?」
「AVとかそういうサイトなんかはモザイクかかってるでしょ?」
「そうなの?」
「あー…見たことがない?」
「山沢さんが見せてくれたのとかかかってなかったわよ?」
「かかってないのが無修正。国内法によりかけねばならないんですよ、モザイク」
「ま、とりあえずは見れないようにしておきましょう」
「そうね」
「さて、俺の見たいの見せてもらいましょうかね」
と先生の裾を捲り上げて股間を舐める。
ん?
指を入れて出して見た。
「先生、生理今来たみたいですよ? どうします?」
「ええっやだ、汚れてない? どうしますってどう?」
「いや、このまま抱いていいのかどうか」
「あれの最中は汚れるからいやよ…」
「んじゃ、当ててきてください。手、洗ってきます」
先生がパタパタと部屋に帰っていって、俺は手を洗いに立つ。
戻ってしばらくすると先生も戻ってきた。
布団に一緒に入り、抱きしめる。
「私、こうされてるのも好きだけど…あなたは物足りないんでしょうね」
「まぁね、抱きたいのはありますが。こうしてるのも好きですよ」
頭を撫でてキスして寝かしつけた。
夜半、起きて暫くすると先生も目が覚めたようだ。
ぼんやりと抱きしめていると先生が俺の手を取って胸に差し込む。
さわり心地の良い先生の肌を楽しみ、乳首を弄る。
先生の息が荒くなってきて、詰まったかと思えば吐き出した。
逝ったか。
しかし珍しいことも有るもんだ、自分からとは。
生理だからかな。
そのまま抱きしめてるとまた寝てしまったようだ。
そして朝起きて、夜中のことを言うと覚えてないという。
寝ぼけたのかよ!
頬を染めてお手洗いに行ってから身づくろいしてくる、と言う。
余裕が有るならもうちょっと落ち着いてからにしなさいと引き寄せた。
「だめ、落ち着かなくなっちゃうから」
そういって俺の手から逃れて部屋を出て行った。
苦笑し身支度して台所へ。
八重子先生に挨拶して朝食の支度。
追って先生も。
昨日はしてないのかと言われ、先生が生理来たのでと答えたら先生は赤面して怒ってる。
「もう、お母さんたら。そんなこと聞かないでよ。山沢さんも!」
可愛いなぁと思ってニヤニヤしてると額をピシャッと叩かれた。
それをみて八重子先生がほほえましそうにしている。
「大根おろし、かわりますよ」
と先生の手から取り上げた。
怒りに任せておろすと辛くなっちゃう。
で、今日は何を焼いたんだろう。
大根おろしと言うことは。
苦手な魚いろいろが浮かぶ。
八重子先生がグリルをあけてひっくり返すのを見れば鮭だった、助かった。
先生はお味噌汁を作っている。
具は、と見れば麩。
後は納豆に金平ごぼうと用意され、配膳して律君を呼ぶ。
孝弘さんは部屋で食うというので律君が持っていった。
おいしいなぁ、味噌汁。
「山沢さんって本当においしそうに食べるよね」
「一人暮らしするとわかるよ、きっと。
朝から味噌汁を出汁とって作るなんて絶対しないから」
「あら山沢さんは朝早い仕事だからじゃないの?」
「独り者で朝から出汁とってまで作る気がしませんよ。誰も食わないんですよ」
「そういうもんかねぇ」
「食べてくれる相手がいてこそ作る気になるってもんですよ。
美味しいなんていってくれればなおさらでしょう?」
「それはそうね」
「だから律君もお母さんに感謝したほうがいい、作ってくれる人が居るのは有難いよ」
くすくすと先生が笑ってる。
ごちそうさまをして、片付ける。
律君は学校へ。
大学生は朝があわただしくなくて良いねえ。
一限目がない日は。
居間に戻ってお茶を頂いていると先生が席を立ったすきに八重子先生から聞かれた。
なにをって、その、俺がまたされてないか、と。
一昨日された。けどトレードオフかと思って受け入れたと話す。
頭を撫でられた。
何とトレードオフかと聞かれたが言えずに居ると先生が戻ってきた。
「なぁに?なんで撫でてもらってるのよ」
「なんでもないです」
聞こうとする八重子先生をとどめて。
話を変えて来月の京都行きの話をする。
三週目の月曜に行き水曜に帰るのでどうか、と。
「あら、火曜日も?」
「こちらのお稽古日ですが…」
「ほら、お母さん、京都のお教室の先生。
火曜か水曜ならいつでもどうぞって仰ってたじゃない?どうかしら」
「ああ、それはいいね、行っといで。山沢さんも連れて行ったらいいんじゃない?」
「何時からですか?」
「ええっとねえ、ちょっとまってね」
と引き出しをあさって目的のメモを探す。
「朝とお昼と夜と有るのよ」
「うーん、夜ならいけそうです。お昼は無理かも」
「じゃ私は昼と夜、あなたは夜でどうかしら」
「そういうことでしたら」
「ならあちらのお教室に連絡しないとねえ」
「宿、取りますね」
「あら、山沢さんのおうち行きたいわ。あちらにもあるんでしょう?」
「きったなくしてますからそれは勘弁してください」
「片付けてあげるわよ?」
「いや、マジやめたほうが。うちの納戸よりひどいんで」
「……やめとくわ」
「山沢さんの納戸ってそんなに散らかってるのかい?」
「違うのよ…片付いてるのに道具が…」
「道具?」
「いやいやいや、この話よしましょう」
「あぁ、エッチな道具だね」
「納得せんで下さいよ…」
がっくりして居ると二人して笑う。
ええい生理が終わったら悲鳴出させてやろうか。
昼をいただいたあと帰宅して昼寝、夕飯を食ってまた寝て翌朝仕事。
仕事の後はシャワーを浴びてお稽古へ。
お稽古の後食事をいただき、風呂から出た先生の足を居間でマッサージする。
裾を割って先生の片足を肩に引っ掛けて押していたら律君が見て絶句していた。
先生は気にしてないようだから、いいか。
帰宅して翌日は仕事のみ。家の掃除や洗濯を済ます。
土曜。
仕事の後、ノートパソコンを別鞄に入れもって行く。
お稽古、夕飯の後律君に手渡した。
使い方をざっと教えているとそろそろ寝ましょ、と先生に誘われた。
おっともうそんな時間か。
とはいえ今日も抱けぬわけだが。
ともに布団に入れば懐に。
風呂上りにしっとり湿った肌。
抱きたくなる。
先生はどうなのだろう。
キスをして舌を差し込めば絡めてきて、同じ気分なのかな、と思う。
「抱いていい?」
「だめ…」
だよな。
でもしっかり俺に身を寄せてくる。
「…火曜日、泊まっていくわよね?」
「勿論。どうして?」
顔を赤らめて俺の胸につけて何も言おうとしない。
「あなたも。俺に抱いて欲しいと思ってる?」
そう言うとかすかに頷いた。
嬉しいね、嬉しい。
でも自分の口から言わせたくなる。
仕方ないか。
言えないんだから。
先生からキスしてきてしばし感触を楽しむ。
背を撫でて二人、寝た。
朝も離れたくない様子で布団の中で珍しく先生がぐずついた。
これまで気づかなかったけど先生もやっぱり生理のときは精神不安定なのかな。
なだめて朝の支度をする。
食事の後、片付けに立つとついてきて、洗い物をする私の背に触れてくる。
困った、と思っていると開さんが内覧の誘いに来た。
近場にいい部屋が出たそうだ。
先生の目覚まし時計を借りて内覧。
中で鳴らして外に聞こえないことを確認してもらった。
出入りも人目に付かないようだ。
妙に安い理由はと言えば出ると言うだけだった。
その辺は開さんが片付け済みで入居実績が欲しいとのこと。
先生も気に入った様子なので決めて本日よりと言うことで家賃を手渡した。
開さんは不動産屋に戻るとのことで先生と二人。
その部屋にどんな家具とベッドを入れるか話し合った。
その間ずっと先生は俺から離れようとしない。
台所道具などはさほどいらないだろう。寝具はやはりダブルだね、など。
まずは明日、布団だけでも買って搬入することを決めた。
明後日来るときにベッドや家具のカタログを持ってこよう。
俺の寝床でも有るが先生もくつろげるほうが良いに決まっている。
「暖房器具もいるわよ?」
ああ、そうか。
今はエアコンかかってるから気づかなかったが床が冷えるな。
床暖はついてないというしホットカーペットでお茶を濁すべきか。
相談すると機密性はそれなりみたいだから食卓のあたりだけ敷いて、
後は絨毯かカーペットにしたら?と言う。
掃除が大変だから、と言ったら掃除位してあげる、と仰る。
うーん、と悩んでいたらキスされた。
人目がないと大胆だな。でもここは足が冷えて先生にはよろしくない。
帰りましょう、と言うと拗ねたような顔をする。
可愛い、といえば照れる。
戻ってからお昼をいただいて、八重子先生に近くに借りたことを話す。
床が冷えるのでと話しているとタイルカーペットはどうかと言われた。
ご友人のお宅で家の中で中型犬を飼っていて、タイルカーペットを敷いているとか。
なるほどあれなら汚れれば洗えばよい。
早速に発注をかけるべく、受け取りはどうしようと悩めば、
連絡先を先生のお宅にすればよいとのこと。
貰った間取り図を元に枚数を考え、発注をかけた。
少し多めに。
先生はずっと俺の膝に手を突いている。
ま、これくらいなら誰かが見ていても問題はない、多分。
何を置きたいか聞いてコーディネートしてゆく。
優しげな印象の部屋になりそうだ。
俺の家は何か硬質な感じがするらしい。そりゃ黒中心だからだ。
ベッドも黒いからなぁ。
だがピンクのベッドは却下だ!
結局白いベッドにしてシーツをピンクにしたらいいじゃないといわれてそう決まった。
シーツなら普段は別のに出来るから。
ピンク、やっぱりダメでも捨てれば済むからと。
先生も納得できたようだ。
さてそろそろ、と夕方。
先生は帰って欲しくなさそうだ。
ちゃんと明後日も来るから、と周囲をうかがってからキス。
別れて帰宅の途中、夕飯になりそうなものを見繕う。
少ししょんぼりとしていた先生は可愛かったなぁ。
家にたどり着いて食事をしながら、思い出して独り顔がニヤついた。
翌朝出勤し、仕事。
節分だ。いわし以外は大して売れず暇を託つ。
帰宅、さてカタログを集めねば。
あちこち立ち寄り5,6冊集めるだけ集め、鞄に入れる。かなり重いな。
なんだかんだ夕方になり食事を取って寝ることにした。
明日は会える。そしてえっちしていいはずだ。
翌朝仕事を手早く済ませ、稽古に行く。
早く行ったところでできるのはいつもと同じ時間だけれど。
着いて挨拶したところ、荷が届いてるそうで。
開さんが立会いで鍵開けて中に入れてくれたそうだ。
お稽古の水屋を手伝い、その後自分のお稽古をつけていただく。
少し厳しくは有るが先日よりは優しい。
それでも他のお弟子さんに言わせれば山沢さんには先生は厳しすぎるそうだ。
普段優しいから問題ないと思うんだが。
晩御飯をいただいて、時間もまだ有るのであちらの床だけでもしておきたいと言い、
団欒の家を出て寒い中、敷きに行く。
きっちり流し張りにして端の始末もして完了。
買ってきた布団も置いて。
汗も少しかいている。
先生のお宅へ戻るとお風呂丁度開いてるから、と直ぐに放り込まれた。
しっかり洗って寝巻きを引っ掛けて風呂を出る。
暑くて前を緩く着ていたら覚さんがきていて慌てられてしまった。
ササッと手直しをした。
「や、これは失礼、今晩は。もうこっち向いていただいて結構です」
挨拶を返されて懐から煙草を出して吸おうとされる。
「あら山沢さん、あなたそういえば煙草売ってた?」
「いや、そういえばまだ買ってないです」
「返したほうが良いかしらね?」
「え? 彼女、煙草吸うの?」
「今はあまり吸ってません。だからあれはそのままで構いませんよ、先生」
「煙管吸うのよ~。秋に縁側で、夜月を見ながら吸ってるのは格好良かったわ」
へぇ?とこちらを覚さんが見る。
「あれ、覚おじさん? 司ちゃんさっき帰ったよ?」
司ちゃん来てたのか。
「あ、いや今日は別の話なんだ」
チラッとこっちを見る。
ああ内輪の話ね、俺は寝間に引っ込んでおこう。
部屋にいますので、と声を掛けて出る。
暫くして先生が部屋にやってきた。
「覚兄さん、帰ったわよ。なに見てるの?」
「カタログ。一緒に見ましょう」
そういって招くと身を寄せるようにしてくる。
先生の体温にドキっとしつつ平静を装ってベッドのカタログを見せた。
「どんなベッドがいいです?
背の高い、今くらいの高さがいいか、布団に近い感覚の背の低いのがいいか」
「そうね…低いと降りにくいかしら?…ん」
そっと、やわやわと先生の胸を楽しみつつ会話も楽しむ。
暫くこれが良い、あれが良いと言ってる内に本が先生の手から滑り落ちた。
「もうだめ、焦らさないで頂戴」
「まだ時間、早くないですか」
「あなたが煽るから…」
と俺の手を掴み股間に持って行く。
既に凄く濡れていた。
そのまま弄っていると布団に、とお願いされる。
暫くそのままでキスしながらなぶれば胸に爪を立てられ、諦めて布団に連れて行った。
布団の上でなら抱かれてくれる。
言葉にしないがいつもよりはもう少しして欲しそうなので沢山目にして。
疲れ果てて直ぐに先生は寝てしまった。
可愛いね。
翌朝流石に二人ともいつもの時間には起きられず久々に八重子先生から起こされる始末。
雷が落ちると思ったがそんなことはなく、肩透かしを食った気分だ。
先生はパタパタと身支度して何とか食事の時間に間に合い、俺は間に合わず。
除けておいて貰ったご飯をいただく。
既に律君は学校へ、孝弘さんは部屋に戻ってしまったらしい。
居候としては駄目な部類の食事をして洗い物を片付けて居間に戻る。
カタログを持ってきて、と言うので持ってきて一緒に家具を選ぶことに。
八重子先生も一緒に楽しそうだ。
箪笥は和ダンス半棹洋箪笥半棹程度でいいだろう。
たしかこのあたりに半々になったのが…と見る。色は先生のお任せだ。
後はちょっとした茶箪笥や小物類。
おおよそ決めて発注をかけた。
住むわけじゃないからね。簡易、簡易。
茶箪笥が来たら一緒に中に入れるものを買いに行って、台所のものもそろえよう。
不意に抱きたくなって、先生に床を見てもらえるかと誘う。
部屋について中に入れば一面カーペットを敷き詰めてあり素足でも冷たくはない。
布団のみ、ベッドを置こうと思っている場所に敷いてある。
鍵をかけて後ろから抱きしめる。
「どうしたの?」
「抱きたくなった」
「あらー…、こんな時間に? どうしたのよ」
「急にあなたを抱きたくなって。だから誘いました」
「そう…いいわよ」
ゆっくりと胸を揉み解し、帯を解く。はらりと着物を脱がせて布団へ。
吸い付くような肌。
沢山舐めてたくさん撫でて。
うなじを舐めるとビクッと反応する。
耳を齧ると息が漏れる。
ゆっくりと太腿をなで、お尻を撫でる。
ひんやりした身体もすぐに温まり、熱く燃え出す。
あぁ、と声が聞こえる。
もっと声を出していいのに。
窓の外に広がる青空を見て先生が固まった。
「や、だ…ここ、見えちゃう」
「大丈夫、見えない。先に周囲確認済みですよ。ベランダに出てしたら見えるけど」
そういいつつ乳首を噛んで。
手は濡れはじめているそこをなぶる。
いつもより濡れる量が多い。
見られてるかもと思うのが原因?
身体を入れ替えて敢えて外に先生を見せ付けるような形を取る。
いや、と言いつつずんと濡れて来た。
やっぱり、そうか。
「ねぇ先生? こんな姿、お弟子さんに見られたらどうしましょうねぇ」
「いや、いやいや…」
きゅうきゅうと指を締め付けて。
身をよじって俺の懐に顔を押し付けようとする。
「いじわる、いわないで」
「ふふ、見せません、そんな勿体無いことできないな」
暫く先生の身体を楽しんで、先生が落ち着くまでの間タオルを買いに走った。
シャワー浴びさせないと舐めすぎたよ…律君にバレても困る。
戻って風呂に入って貰い、着物を着た先生をつれて戻る。
八重子先生は何してたかわかってたようで…先生が恥ずかしそうだ。
うなじが赤く染まってて色っぽくて。
可愛いな。
ではそろそろ、と退去の時刻。
買物に行くという先生とともに玄関を出る。
スーパーまで同道してまた明日、と別れて帰宅した。
翌日、仕事が終る直前先生から電話をいただく。
行きがけに一人拾ってきて欲しいとのことだ。
この雪ではね。
場所を聞けば拾える場所では有る。
服装などを聞いて電話を切り、帰宅して着替えて車に乗り込む。
相手の会社の前に乗り付けて暫く待てばそれらしき服装の女性が出てきた。
降りて問えばやはりその人で、座席に乗せると先生とはどういう、と聞かれてしまった。
仲の良い弟子、と答えたが男のお弟子さんが迎えに来られると思ってなくて、と言う。
「はは、私、女ですよ。男装しているだけです。だからそう硬くならずとも」
「えぇっそうなんですか? やだ、ごめんなさい」
「そりゃこんな格好ですからね。てっきり先生から聞いてるものと」
「弟子を迎えに、としか仰ってなかったので…」
あはは、と笑って車を走らせる。
先生のお宅にたどり着いて、引き渡して。
水屋の準備にかかる。
「雪道をわざわざご苦労さんだったねえ」
「あ、八重子先生、こんにちは。まだ積もってなくてよかったですよ」
「今晩積もるって言ってたから電車で帰ったほうがいいんじゃないかねえ」
「電車が止まるんじゃないでしょうか。チェーンつんでますから。つけて帰ります」
「律につけるの手伝わせるよ。慣れてるからね」
「そりゃ助かります、あの辺つけるほど降らないから慣れてないんですよね」
「結構降ってきたねぇ…土曜日なら泊まっていったら済むのにねえ」
「ですねぇ…」
そういってる間にお弟子さんが来だして、八重子先生が相手をする。
お稽古の用意も整い、先生が戻って八重子先生と交代。
さあ、お稽古だ。
雪でこられない方が出て、その合間合間に私の稽古をつけてくださる。
そうなると"優しい絹先生"は"山沢さんにはとても厳しい"ということが
他のお弟子さんにわかってしまう結果となる。
あまりいいことじゃない気がするんだけど。
贔屓じゃないか、と言う噂にならないのが不思議だ。
有るお弟子さん曰く。
「あなたにだけ優しいなら贔屓に見えるけど逆じゃねぇ。むしろ可哀想かも」
ということらしい。そんなに怖いんだろうか。
最終のお弟子さんがお稽古を終られて円草再び。
八重子先生と二人がかりで見てもらえば、あれ忘れてるこれ忘れてると厳しい。
色々と直されて少し落ち込んだら、後で先生に頭を撫でてもらった。
水屋を片付けて律君にチェーンつけるのを手伝ってもらって、
手を洗っておにぎりを貰って帰路に着いた。
途中で渋滞には待っておなかすいたらいけないから、と握ってくださった。
お漬物がついていて、嬉しい。
外は寒いのにおなかの中が温まる。
ナビが言う道を走るがやはりチェーンをつけてない車による事故で少し帰宅が遅れた。
おにぎりをいただいていてよかったと思う。
軽く食事を取って風呂で温まり、そして就寝。
翌朝、出勤すると客が少ない。
やはり凍結等で来られない、配達よろしくと言うところがあった。
仕事を終えて帰宅する。
昼飯を食って一服。
今日は久しぶりに三味線を触ろうか。
ゆっくりと、いくつか弾いて見ると暫く弾いてない所為か手がうまく動かない。
それでも何度か弾いてるうちに滑らかに弾けて時計を見れば夕飯の支度すべき時間だ。
何食おう…面倒くさい。
焼肉でも食うか。
先生とは行けないしな。
ふらりと食べに出てガッツリ食う。
だが昔に比べれば量は減った。脂身は苦手になった。
帰宅してウーロン茶を飲む。
気休めでもいいんだよ…。
帰宅して布団にもぐる。外寒すぎ。
腹も朽ちて布団の中は暖かく、すぐに寝た。
さて本日も雪模様。
こりゃ週末にお出かけと言うのは少なくて料理屋が動かないな。
うぅ、寒い。
客が来ないと余計に寒いぞ。
今頃先生は起床した頃か。布団から出たくないだろうな。
ご飯の支度して、お稽古の用意をしている筈。
朝の方々は上級だから先生方もそれなりに気が張るんだろうし。
今頃焦っておられたりして。
そんなことを考えつつ、仕事を終わらせれば帰宅してシャワーを浴び着替えて移動だ。
先生のお宅についてご挨拶。
お食事に入られてその間に昼からの水屋の用意を済ます。
暫くすると昼イチの生徒さん。
時間になるまでお待ちいただいてお稽古開始。
今日は時間通り稽古がすすんで中々具合がよろしい。
夕方、最後の生徒さんを送り出して、さて俺のお稽古。
行之行、円草各2回。前回よりは怒られずにすんだ。
じゃ水屋よろしく、と先生はご飯拵えに台所に行かれ、俺は一人片付ける。
しまうものは仕舞い、茶室に雑巾をかける。
ご飯よ、の声が聞こえたので手を洗って食卓に着いた。
今日は筑前煮か、うまそうだ。
律君は大学生になった割にはお母さんとよく話す。
律が目を合わせてくれないの、とは言うが大学生の男の子だからそれくらいは普通、
他の家では家を嫌って出て行ったり暴言食らったり色々ありますよ、そう答えている。
そうそう、今日は…。
食事の後先生を部屋に連れて行く。
ちょっと八重子先生の前ではね。
鞄からコンドームを10種類ほど出した。
先生はなんだか苦笑している。
「これ、つぶつぶラムネ」
とディルドに被せてみせる。
「つぶつぶはわかるけどラムネって?」
「匂いがラムネです」
くん、と嗅いで納得の表情。
「でこれは脱落防止加工のみの。こっちはゼリーがついててスムーズにというもの。
これ、光ります。こっちはミントの刺激つき。グレープの匂いのもあります。
ピーチにストロベリー。これはオレンジ。あとこれは敢えて分厚いもの」
「い、色々有るのねぇ…」
「先生に使ってるのは普通のどこにでも売ってるやつですけどね。
舐めてもらおうとか思ってない分。それに外れて困るということもないでしょ」
「そ、そうね」
頬を染めていて可愛い。
からかっているとお母さん、と部屋の外から律君の声。
と同時に襖が開いて、手を出してなくてよかったとほっとする。
が、先生と律君がなんとも言えない顔を。
あー、そうか、まだ仕舞ってなかった。ディルドは片付けてあったけれど。
「律君、彼女いたっけ?」
「い、いや居ませんけど…」
「おや残念。じゃこれ君のご友人にでもあげてくれるかな」
「…山沢さん、何を言うの」
「いや、どうせネタに持ってきただけで使う予定もないわけですし。
だったらいざそういうときに持ってるのと持ってないじゃ違いますでしょ?
相手の女の子が。持ってないけどしたいからする、それで出来た、ではね」
「それはそうだけど…」
「丁度いい、律君。彼女出来たら勢いのままにしたりしないこと。
コンビニにも売ってるから。500円か1000円で。つけ方わかる?」
後頭部をバシッと先生にやられた。
「つけ方によってもれたり外れたりしますよ?」
「わかるけど…私の前でそういう話は」
「…ああ母親の前でする話では確かにないですね。
律君、つけ方は友達に聞いて練習するといいよ~」
「ところで、なんで呼びにきたの?」
先生は拳骨を落としつつ律君に問う。
「ええっと、おばあちゃんがお菓子食べないかって、頂き物が有るみたいで」
「山沢さんちゃんとそれ片付けて頂戴」
「はい、どうせ餡でしょうからどうぞ先に」
ん、と律君とともに部屋を出て行った。
ちょいちょいっと袋に詰め込み片付ける。
すぐ後を追うと八重子先生が先生に何してたのか聞いていた。
「山沢さんがコンドーム持ってきちゃったのよ…こんなに種類が有るんです、って」
ぶっと八重子先生がお茶吹いてる。
「そういうことであれだったの?」
「山沢さんが全部見せてるときに律が急に入ってきたのよ…」
ひょいと居間に入る。
「片付けておきましたよ」
「山沢さん、そんなにいま色々有るのかい?」
「んー、一時に比べるとそうでもないですが匂い付が増えましたね」
「"家族計画"しか知らないからねぇ」
「でしょうね。わざわざ面白いのとか買ってきたんですよ」
「だからって」
「勿体無いじゃないですか。律君のお友達にあげてくれって律君に言ったんですよ」
「ほんと山沢さんってさばさばしてるよね…」
「というか羞恥心がない」
「確かに」
「でなんで突然にコンドーム?」
「以前何かの話のときにコンビニに売ってる自体ご存じなかったので、
今は色々有るって話をしまして。で、現物お持ちしたわけです」
「コンビニにそんなの有ったかねえ」
「目に入りにくいんですよ、大体男性化粧品の辺りにあります」
「へぇ…律、あんたも彼女出来たらちゃんと使いなさいよ」
律君の顔が赤い、純情だなぁ。
先生もなんか照れてるが。
はい、と八重子先生がお干菓子を下さって食べる。
先生方は薯蕷を。
うーむ、お茶が美味しい。
と、見ていたら先生が薯蕷の皮だけくれた。
食べていると律君が引いている。
あ、先生の歯形ついてた。皮。
食べ物の口移しをやってるからまったく忌避感なく食ってしまった。
先生も気にしてないな、その辺は。
「雪、止んできたねぇ」
「あらそうねえ、明日積らないのかしら」
天気予報を見るとそれほどでもなく、夜半には霙、明日朝には晴れるようだ。
「お風呂そろそろ沸いたかしら。お父さんに先に入ってくれるように言って頂戴」
先生に言われて律君は離れに孝弘さんを呼びに行った。
律君が戻ってきて炬燵に入る。
先生は物足りなかったのか蜜柑を剥きだした。
四半分ほどを私にくれて食べる。
「うっ…」
「あら、酸っぱかった?じゃ全部食べて」
うなづいて残りも貰うと律君がお母さん、それはちょっと、と言う。
「食べかけとか酸っぱいのとか…酷いんじゃない?」
「あら、酸っぱい方が身体によさそうじゃない」
「なんとなくそういう気しますよね」
だが実は甘い蜜柑とそう変わらないんだよね。
先生が身体に良さそうだからとくれるものは断れん。
と思いつつ残りを食べる。
先生方が順繰りに風呂に入ってる間に律君と話す。
「部屋、来たときね、声を掛けてから良いというまで開けてくれないでくれるかな?
多分ご家族だけで居たからついあけてしまうんだろうけどね。
着替えとか見たいんなら別だけど」
「あー…はい、そうします」
なんて頼みつつお茶をいただいてると先生が上がってきた。
「あぁ良いお湯だった、律、あんたも早く入んなさい」
うん、と風呂に行く。
濡れた髪がちらりと首筋にかかって色っぽい。
ドキドキしているとふっと先生が笑って戸締りしてきて、と言う。
慌てて戸締りをして火の元を確かめる。
居間に戻ると八重子先生はもう寝たそうだ。
律君が戻ってきて部屋に行ったら寝ましょと仰る。
はい、としばしなんでもないような会話をしていると戻ってきた。
「じゃおやすみなさい」
と先生が律君に行って居間を出た。
律君も一服して部屋に戻っていった。
電気を消して俺も寝間へ。
先生が座って髪を乾かしている。
布団を敷いて先生を待っていると先に布団に入ってて、と言われた。
足だけ入れて待っているとくすくす笑ってる。
「なんで足だけなの?」
「うっかり寝たら勿体無いからかな」
「眠いんなら寝たらいいわよ?」
「嫌ですよ」
「子供みたいね」
苦笑して待つ。
暫くして乾いたようで落ちた毛を拾って捨てている。
「白髪増えたわねえ…」
「そうですか?」
「そりゃやっぱりこの年だもの…抜けるし」
「ああ、先生は髪長いから余計に沢山抜けてるように見えるんですよね」
「そうなの?」
「俺、いつももっと抜けますよ。風呂はいると」
「でも白髪ないじゃない」
「抜いてますもん」
「痛くない?」
「痛いですよ。気になるなら白髪だけ切ってあげましょうか」
「髪少なくなりそう」
「だったら染めるしかないですね」
「髪痛むでしょう?」
「一本ずつ染める方法ありますよ。マスカラなんかのブラシと染め液とラップ使って」
「面倒くさそうねえ」
「気になるんでしたらやってあげます」
「考えとくわ」
と布団に入ってきた。
「この間…あなたのここにも白髪見つけちゃったわよ」
「ああ、脇とかもありますよ」
「そうなの?」
「先生は脇とか鼻毛とかにはないですよね」
「そうねぇ、お母さんは眉にあるけど」
「そりゃ八重子先生は有るでしょ」
そんな会話をしつつ胸を揉んだり股間をなぶったり。
少し息が荒くなってきて声が出そうとのことで腕を渡す。
しばし楽しみ、腕を噛まれる。
3度ばかり逝かせて落ち着かせた。
先生は少し俺をなぶりたそうにしているが…。
胸くらいならいいよ、とされるがままに触らせる。
暫く触ってるうちに眠くなったようだ。
寝かしつけて俺も寝た。
朝、朝食を取ってゆっくりしていると電話があり、先生が出る。
荷物が届くそうだ。
先生が手伝ってあげる、と一緒についてきてくれた。
中でしばらく待つと宅配が来た。
開梱し、組み立てる。
茶箪笥と、洋箪笥の上が和箪笥になっているもの。
それからベッド。
箪笥類は一人で作れたがベッドだけはちょっと支えてもらったりした。
コイルマットを載せて、布団を敷く。
良い感じだ。
一緒に戻るとシャワー浴びてきて、と言われて風呂に入る。
さっと濯いで出てくるとデパートに行こうと仰るので着替えた。
30分ほど先の駅前のデパートに入る。
同じ系列のデパートはやはり売り場の空気も似ている気がする。
さて何を買うのだろう。
「さ、まずは催し物会場行きましょ。律とお父さんの買わなきゃ」
とついていけば沢山の人、人、人。
ここで待ってて、と言われて子供服売り場に取り残された。
こんなところにおいてかれても困るんだが、とフロアガイドを見ることにした。
この後上で呉服ちょっと見ようかな?
30分ほど待つと戻ってきた。
何も買わなかったのかと思ったが配送してもらうことにしたらしい。
「呉服売り場、ちょっと見ます?」
「そうね、ついでだものね」
見に行けばそれなりにものは置いて有るようだ。
うろついていると先生がこれ面白いわねえ、という。
「お稽古じゃ着られないけど…あなたとお芝居行ったりするのにどうかしら」
「それは…いいですね」
値札を見ると正絹7万と消費税。ふむ、まあ良い。
店員に言うと今日は仕立て・八掛・胴裏込みでこの値段と言う。
手縫いかミシンか聞けばミシンと言うので手縫いに変更してもらって追加1万5千円。
ついでに合う帯締めと帯揚げを買い10万を支払った。
仕上がりは三月下旬のようだ。
それから降りてキッチン・バス・トイレ用品を色々と買い揃える。
ついでにうち用のスープカップを二つおそろいで。
少し先生の洋装の服を見て、ブラウスを買ってまずは俺の借りてる部屋へ。
すべてを片付け、途中で買った洗剤やシャンプーなども設置して一気に簡易な所帯に。
後は足りないものは追々に、と先生と戻った。
早、夕暮れ。
寒くならないうちに帰りなさい、と言われて帰宅する。
帰り道、デパートにより先生へのチョコを購入した。
いや先に既に今日と限定品を送ってもらうよう話をつけては有るが。
帰宅し、食事を取って寝た。
明日、先生から仕事が終ったらいらっしゃい、と言われている。