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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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朝、起きると先生と目が合った。
「おはよう…あの、昨日はごめんなさい、寝ちゃったのよね?」
「おはようございます。また次のときに沢山しますからいいですよ」
くすくす笑いながら背中をなでる。
「それとも今からしましょうか」
「したいの? 困ったわね…もうそろそろ起きないと朝御飯作る時間よ?」
はっと時計を見れば確かにそんな時間。
「うーん…」
もぞもぞと尻をなでる。
「ちょっと、もう。だめよ」
「だめ?」
「ダメよ。戻りましょ、ねぇ、ダメったらダメ!」
「…しょうがないなぁ」
そのかわり、としっかりキスして先生を解放した。
ぱさっと俺の寝巻を着せてトイレへ立たせる。
俺はひとつ伸びをして布団を畳んで洗面へ。
トイレから出てきた先生が歯を磨いてる俺の背中から手を回して胸を揉んできた。
「…ゔ?」
磨き終え口を漱ぐ。
「先生、指冷たい」
「あらそう?」
「顔洗ったら交代しますから手、どけて。水かかるから」
手が引っ込んだのでざぶざぶと洗って交代。
タオルで拭いてると先生は寝巻を着たまま器用に洗っている。
よく袖濡れないなぁ。
タオルを欲しそうに手が泳いでるので先生用のタオルを渡す。
俺のタオルは固め。先生のはふわふわ。
干し方が違うらしい。
うちでも先生用のタオルだけはふわふわだ。
先生はそのまま顔の手入れをしている。
俺は手櫛で髪を整えて、トイレへ。
出てくると先生は髪を整えてる。
ふむ。
そろりと後ろから胸を揉んだ。
「これ、ダメよ。早く服着なさい」
ピシャッと腕をはたかれてしまった。
俺の胸は揉んだくせに。
ちぇっ、と思いつつ着物を纏う。
先生も着替えに戻ってきた。
着替えてるのを眺めてると引き寄せたくなる。
くすっと先生が笑ってキスしてきた。
うーん、遊ばれてる。
先生は貝ノ口に帯を締めてショールを羽織った。
「さ、戻りましょ」
「はい」
音を立てないよう玄関を開けて台所へ。
「おはよう」
「おはようございます」
「絹は?」
「ショール置いてくるっておっしゃ…、あ、きた」
「お母さんお早う」
「はい、おはよう。酒臭いねぇあんた」
「半分くらい飲まれて即寝ですよ」
「あぁ、じゃ昨日はしてないのかい」
「ええ」
「お母さん、朝からそんな話しないで頂戴よ」
先生がちょっと拗ねてるようで可愛い。
お味噌汁を作って朝御飯の支度。
律君が大あくびで台所に来た。
「おはよ~今日は何ー」
「あんたスクランブルエッグとベーコンか目玉焼きとウインナーかどっちがいい?」
俺はベーコンがいいなー、なんて思いつつ律君の返答待ち。
「んー、スクランブルエッグ」
ちっ。
お味噌汁はサツマイモ。
付け合せは温野菜とトマト。
「中野さんがねぇトマトのお味噌汁美味しいって言うんだけど」
「トマトを味噌汁ですか? なんかやですね」
「温かいトマトってピザくらいしか思いつかないなぁ」
なんていいつつ朝御飯。
「お母さん昨日も飲んでたの?」
「あらやっぱり匂うかしら」
「やっぱりもうちょっと量は控えましょうよ」
「そうねぇ、ちょっと二日酔い気味よ」
「味噌汁沢山飲んでください」
「あなたも結構飲んでたのに二日酔いにならないのねえ」
「飲める体質飲めない体質ってやつでしょうね。今度しじみ見つけたら持ってきます」
「そうね、司ちゃんもよく二日酔いって言ってるから」
「二日酔いになるほど飲まなけりゃいい話なんですがねえ」
律君が笑ってる。
「ほんと二人、仲良いよね」
「律君と司ちゃんみたいなものさ」
うん、春野菜がうまい。
アスパラとか面倒で家じゃ絶対入れないからな。
あ、りんごも入ってた。マヨネーズかけちゃったよ。
まぁいいか。
トマトも食べて完食。ごちそうさま。
先生はやっぱりまだ眠いようであくびをかみ殺してる。
「寝てきたらどうですか」
「んー…」
「そうしなさいよ」
「じゃちょっと寝てくるわ。後よろしくね」
八重子先生とお茶を頂きつつまったり。
「お昼はなに作ろうかねぇ」
「本当、主婦は大変ですね。食べてもすぐ次の献立ですもん」
「あんた何食べたい?」
「う、食後に考えられないです。…カレー?」
「……いいけどね、買物行ってきてくれるかい」
「いっつも何入れてましたっけ?」
「肉と人参と………」
と列挙するのをメモに取りお買物へ。
どうせ先生寝ちゃってるし。
俺と八重子先生じゃ会話が変な方向に進みやすいし。
指定されたものを買い揃えて帰宅。
下拵えにかかる。
座り込んでジャガイモや人参の皮を剥いてると孝弘さん。
何かないかと聞くのでさっき買ってきたお饅頭を。
10個入の箱ごと持って離れに戻っていった。
ほんとによく食うな。食後なのに。
剥き終わったころ八重子先生が台所に来て仕込み開始。
先生はまだ寝てるかな。
「あんたも眠そうだねえ。お昼出来るまで一緒に寝ておいで」
「いいんですか?」
「Hはだめだよ」
「あ、はい」
いそいそと先生の元に行く。
俺の部屋にはいなくて先生の部屋かな。
良く寝てる。
そろり、と横にもぐりこんで先生を抱きしめて寝る。
あったかいなぁ。
良い匂いだし。
酒臭さは少しあるけれど。
うつらうつらと眠りに飲み込まれ、美味しそうなにおいで目が覚める。
先生は俺の胸に顔を埋めて寝ている。
「お母さ…えっ?」
ぱっと律君が襖を開けて呼びかけてきた。
「あー…ご飯できた?」
「えーと、はい」
後ろ向いて答えてるのはあれか。律君の位置から俺の胸が見えてるんだろう。
先生をそろりと胸の上から布団に下ろす。
「うぅん…」
起きる? いや寝息。
もう少し寝かせておこうか。
帯を解いて前を合わせ直して部屋から出て台所へ。
カレー皿を配膳する。
うーまーそー♪
「絹は?」
「まだおやすみです」
「じゃ先食べようかね」
ということでいただきます。
「あれ? おばあちゃん牛肉入れたの?」
「山沢さんが買ってきたのが牛肉だったからね」
「関西は牛肉なのでつい」
幸せだなぁ。おいしい。
カレーなんて一人だと作らんから。
ちゃんと買ってきた福神漬も乗せてある。
「おばあちゃんおかわりある?」
「まだ沢山あるよ」
俺が食べ終わった頃先生が起きてきた。
「起こしてくれたらよかったのに」
と言う先生にカレーを渡す。
「あらお肉が牛肉ね。これもおいしいわ」
先生が食べ終わって洗い物を片付ける。
残りのカレーはタッパーに入れて俺が持って帰ることに。
まぁ一人分ちょいではどうにもならんもんな。
スパゲティにして夜食おう。
先生方と団欒を楽しんで夕方帰宅。
スパゲティを湯がいてカレー粉で炒め、そこにカレーを乗せたら出来上がり。
うまい。
満腹になって睡眠。
今日は先生をたっぷり抱っこできたから腕に感触が残っている。
よく眠れそうだ。おやすみなさい。
翌朝出勤して仕事。
暇だ。こりゃ明日が思いやられる。
仕事を終え食事を取って帰宅。
雨気。
今日はそう暖かくもない。
寝てしまおうか。
いや、掃除してしまわないと。
窓を開けてそこらを片付け掃除機をかける。
トイレと風呂も掃除してさっぱり。
うし、風呂入ろう。
その頃には晴れてきて風呂上りにビール。
…ちょっと寒かった。
飲み干して暖かい布団の中へもぐりこんで昼寝。
夕飯何しようかな…。
などと考える暇もなく寝入って起きたら真っ暗だ。
はらへった。
何も考える気力なくスーパーに行くとわさび焼きそば?
ためしに買って帰るか。
作って食う。
……むせそう。ヤパい。ビールをもう一本出して流し込む。
目にも来た、ヤバい。
なんとか食べ終えた頃先生から今晩のご飯写真が届く。
くっそ、うまそう。
こっちは涙目で悶絶してるのに。
何度かメールを交わして布団にもぐりこむ。
夜が更けて再度眠りに落ちる。
…ヤりたい。
明日、夜出来るから我慢だ。
おやすみなさい。
さて火曜の朝が来てやっぱり仕事は暇で。そして冷えている。
お客さんもだらだらと時間を潰すような具合。
早仕舞い、といかないのは仕方ない。
それでもいつもよりは早く終って帰宅してお稽古へ。
いつものように水屋の用意、いつものように生徒さんのお稽古。
そして俺のお稽古。
厳しい稽古にも少しは慣れ、先生も手加減をしてくれるようになった。
夕飯をいただいてすぐ、八重子先生の指示もあり、あちらの家へ。
というのも先生が俺の手を触るから。
無意識みたいだが。
入ってすぐにキスされた。
あ、もしかして生理前だったりするだろうか。この大胆さは。
さっさと脱がせて一戦する。
もっと、とかいってるからやっぱりそうかも。
俺も抱きたいしで何度か楽しんで結構ぐったりするまで抱いた。
とはいえまだ日付が変わっていない。
「少し飲みます?」
酒がまだ残っているので乾物なつまみを展開してコップ酒。
先生は俺にもたれてないと起きていられないらしくて。
口移しに飲ませてみたり。
眠くなってきたようだ。
可愛いなぁ。
布団に抱えあげて一緒に寝ることにした。
酒・つまみは明日で良い。
おやすみなさい、とかすかに聞こえる。
おやすみ、と答えて背中をなでているとすぐに寝息。
軽くキスして俺も寝た。
朝、起きてもう一戦して先生は風呂。
俺は先に帰って朝飯の支度。
食卓に並ぶ頃ちゃんとした格好で先生が戻ってきてご飯をいただく。
律君は今日も1限目からあるらしい。
暖かい日差しにのんびりしていると先生。
「さ、用意するわよ~」
え?と首を捻る。
「何してるの? あなた。お台子出して頂戴。炭は用意したから」
「お稽古?」
「そうよ。早く覚えてくれないと。円真も申請してあるのよ」
「早くないですか?」
「早くないわよ、許状きたらすぐにするわよ?」
うわ、マジか。
頑張らねば。
茶室へ行って台子を出し、水屋の用意も整える。
釜にたっぷりの湯が沸いたところで手や口を漱いでお稽古開始だ。
お昼休憩を挟んでお稽古は続く。
玄関からただいまの声。
律君帰宅か、と思った瞬間に間違えて叱責を食らった。
その声に驚いたようだ。
「お母さんどうしたの?」
律君が入ってきた。
「あぁ、あんたもお客様しなさいよ。コート脱いで手を洗ってきて」
いい加減先生ももう飲めないようである。
「え、おばあちゃんは?」
「おばあちゃんはお夕飯の支度。あんたかわり出来ないでしょ」
しばらくしてやれやれ、と言う顔をしてお客様をしてくれた。
たっぷり濃いの、は辞めて出来るだけ薄茶にして出す。
律君がほっとした顔で飲んでいる。
先生を正客に見立て挨拶。
何度か叱られてお稽古が終る。
「他の生徒さんへのお稽古とは違うんだね」
「早く覚えてくれないと困るもの」
「どうして?」
「早く先生の資格とってもらって、お母さんとかおばあちゃんがお休みでも
 お教室できないといけないでしょ」
「え、でも」
「あんたがお茶とお花と出来るお嫁さん貰ってくれると話が早いけど」
「いや、それは…まだ彼女もいないし」
後始末しながらつい笑ってしまった。
「そうだなぁ、お花のセンスいい子がいいですよね」
「そうそう。山沢さん壊滅的だわよね」
「あっ、酷いなぁ。たしかに自覚はありますけど」
ほほほ、と先生が楽しげに笑っている。
「ごはんできたわよー」
八重子先生の声がかかり、急いで片付けた。
火の元は念入りに確かめる。
さてお夕飯はなんだろう。
……山菜。
「えーと急用を思い出したので帰り…」
「食べなさい。好き嫌いしないの!」
くっ、バレた。
律君が凄く笑っているのを横目でにらみつつ、
孝弘さんが横からお箸を出してくるのを先生が叱りつつ。
食べると食えるものがいくつか出てきた。
意外。
やっぱりダメだ、食べれないと言うものは流石に二度食わそうとはされず、
孝弘さんのお皿に収まった。
角煮などもいただいてごちそうさま。
さてさてそろそろ帰らないと。
先生が何か食べ物を持たせてくれた。
寝るまでにお腹すくでしょ?と。
帰宅して開けてみたら木の芽和えで凄くうまい。
うれしいなぁ。
そして何より太らないような食い物だ。
感想をメールして風呂に入り寝る。
おやすみなさい。
さて、今日も仕事を適当にこなしてお稽古へ。
台所に魚をいくつか入れて水屋の支度。
待っていると生徒さんより先に先生が来た。
「まだ早いですよ」
「うん、あのね。今週の土日なんだけど…」
所用で先生は居られないらしい。
「お稽古は八重子先生ですか」
「お休みにしようと思ってるのよ」
「おやどうしてですか?」
「どうせ炉灰も上げなきゃいけないし。
 でね、あなたは土日来てお母さんを手伝って欲しいのよ」
「ああ、はい、いいですよ」
「あなた先生になるならどうせやらなきゃいけない事だし今からね。覚えて頂戴」
「お稽古ですね?」
そう、と先生が笑ってる。
まぁ確かに覚えておくべきことか。
生徒さんが来てお稽古開始。
いつもの生徒さんは楽だ、縁談持ってこないからなー。
本当に名目だけ開さんと結婚してもいいかもしれん。
なんて思うくらいくどい人もいる。
お稽古が終わり夕飯。
鱧の湯引きに甘鯛の酒蒸し、天然鯛のお造り。
なんとなく魚尽くしをしたい気になって持ってきた。
お稽古の後にするのは正直疲れるんだけど、先生が嬉しそうだから。
「冬と春と夏だねえ」
「そうですねぇ」
疲れて言葉少なになりつつ俺は野菜炒めを食べる。
八重子先生の炊いた蕪も美味しい。
ご飯を食べた後、帰る用意。
玄関まで見送ってくれた先生に連れ帰りたい、と手を引いてボソッと言ったが…。
明日も教室はあるから、と却下された。
残念だ。
頭をくしゃりとなでられてあきらめて手を離し、帰る。
家に帰宅してすぐに寝た。
仕事頑張る気になれないなぁ。
今週仕事頑張っても先生に会えない訳で。
なんてぐだぐだしつつの金曜日。
手を抜いて帰宅し転寝してたら家に先生が来た。
朝のお稽古終わり次第すぐにこちらへ来たらしい。
明日の御用事はうちからの方が行き易いとか。
なるほ。
中継地点ね。
「食事は取ってきてます?」
「まだなの。あなたは?」
「俺もまだって言えばまだですね。何食いたいですか」
あくび一つして着替えた。
「喫茶店のピラフ。ダメかしら」
「そんなのでいいんですか」
髪を撫で付けて一緒に近所の喫茶店へ。
俺はカレー。
「この間食べたのにまたなの?」
「オムライスかピラフかカレーだったらカレーですよ」
「どうして?」
「カレー好きなんですよね」
「ハンバーグも好きよね。お子様?」
ふふっと笑ってそんなことを言う。
「どうせお子様ですよー」
「お子様ランチとか今度頼んであげようかしら。旗がついてるようなの」
「それは流石にやめてください」
くすくすと俺をからかいつつ食べてる。
食べ終わって先生はレモンソーダを頼み俺は紅茶を。
俺のところにレモンソーダが運ばれた。
カレーに紅茶じゃないんだろうな。
先生にレモンソーダを滑らせてすぐに紅茶が来た。
ここの紅茶結構うまいんだよね。
先生も飲み終わったので支払って帰宅する。
天気が良いからゆっくり歩いて。
手が触れる。
「……今日乾燥してますね、空気」
「そうねえ」
先生の手がかさついてる。家帰ったら化粧水とワセリン塗るかな。
のんびりと帰ってきて手を洗う。
先生が手を洗った後俺の化粧水をたっぷり先生の手になじませてみた。
凄く吸うんだけど。どれだけ乾いてたんだろう。
ついでに手をマッサージ。
こんなものかなー。
さっきよりはしっとりとした手になった。
お礼はキス。
「カレーの味がするわね」
「ああ、歯を磨いてきます」
でないとあそこ舐めたらひりひりしそうだしな。
きっちり漱いで戻る。
先生がお湯を沸かしていた。
「あーお茶切らしてますよ?」
「えっそうなの?」
「お抹茶なら冷凍庫にありますが。それともコーヒーがいい?」
「お茶碗どこかしら」
「薄ですか?」
「濃、あなたも飲む?」
「じゃこれで」
黒楽を出して水につける。
その間に冷蔵庫から上等の濃茶を出した。
先生が点てて飲むんだったらやっぱり上等がいい。
茶筌も通して茶碗も温めて缶から直接投入だ。
うちの台所で先生が点てるのはなんとも言えず…似合わない。
やっぱり先生は茶室で点ててるか台所で料理してるのが合う気がする。
お茶をいただいてお茶碗を漱いで乾かす。
先に先生がお座布に腰を落ち着けた。
うん、やっぱりこの方がいい。
後ろから抱きつく。
「どうしたの?」
「ん、暫くこうしてて」
「いいわよ」
しばらくしてもぞりと手を動かした。
つい胸を揉んでしまう。
「したくなったの?」
「うん」
先生をお座布から俺の膝の上に移動させた。
「脱いで」
しゅるり、と帯を解いて行く。
「ね、離して。脱ぎにくいわ」
そう言われ開放。
脱いだと思ったら着物を持って和室へ行き、浴衣を羽織って戻ってきた。
俺の膝へくるかと思ったら寝室へ行こうとする。
「どこ行くんですか」
「ベッドに決まってるでしょ。そんなとこいやよ」
「じゃいいや。やらない」
「何拗ねてるのよ」
「拗ねてないよ。明日泊まりなんだから痕残せないの思い出しただけ」
「あら。そんな理由? 違うでしょ?」
「違うけど違わない」
先生が困った顔でこっちを見てる。
「じゃ膝枕…してあげるわ。それでどう?」
あ、それはいいな。
ベッドへ行って先生の膝枕。
転寝途中で起こされたこともあり、先生の膝にいるうちに寝てしまった。
暗くなった頃、起きたら俺の胸を枕に先生が寝てた。
時計を見ると6時。飯を食わなきゃな。腹減った。
ほんと言うと飯より抱きたいんだが。
明日は温泉らしいから本当に痕は残せない。
してはならないといわれるとしたくなる。
そうこうしてるうちに先生も起きた。
寝ぼけ眼でこちらを見るのが可愛くてついキスをしてしまう。
とまらなくなった。
噛まないよう、吸わないよう、強く抑えないように気をつけてむさぼる。
寝起きの先生を抱くと色々混乱してるのがよくわかる。
俺じゃなく孝弘さんの名前が出てくることも有る。
ちゃんと起きてる時はそういうの無いんだけどなぁ。
先生にとっての一番は孝弘さんだから仕方ないが。
俺の性欲が収まった頃、先生は息切れしていた。
あー…腹減った。
すし出前してもらおう、うん。
部屋を出て鮨屋に電話して頼んだ。
それから浴衣を纏い先生のそばへ戻る。
「先生、すし頼みましたけど食いますか」
返事は出来ないようで、軽くうなづいてる。
咳。
背中をなでて落ち着かせた。
汗だくだ。
飯食ったら風呂に入ろうかな。
それとももう一度抱いてからにしようか。
考えてると先生の手が俺の懐に。
乳首をつねる。
腫れるからやめろというのに。
「痕つけますよ」
そういうと離してくれた。
先生にも浴衣を着せた頃すしが来た。
取りに出て戻る。
おいで、と手招いたら首を振るのでどうしたのかと思ったら立てなかったらしい。
先にお手水、と言うのでトイレに抱きかかえて行ってそれからお座布の上へ。
後ろから抱えてもたれさせ、食べさせる。
おいしそうに食べてるのを見てると俺の腹がなった。
先生が笑って俺の口に胡瓜巻を入れてくれる。
「いいから」
そういって先に食べさせて先生をベッドに戻した。
それから自分の分を食べる。
ご馳走様をして桶を洗い、表に出して先生のそばへ行く。
「久しぶりだな、あなたが立てないって言うなんて」
「あなたがしたからでしょ、もう」
「はは、おいしそうだったからね、ついつい」
喋ってると先生は段々眠くなってきたようだ。
「もう寝ましょうか」
「うん」
「ね、明日どこ行くんでしたっけ」
「白子温泉よ」
「九十九里浜ですか、いいですねえ」
「美肌の湯らしいわよ~」
先生の肌がますます綺麗になるのか、そりゃいいなぁ。
もぞもぞと先生の手が俺の胸をまさぐる。
何か触ってると落ち着くらしい。
背中をなでているうちに先生の寝息。
ふと思い出したのだが先生ってそろそろ生理じゃなかっただろうか。
温泉大丈夫なのかなぁ。
入れなかったら可哀想だよな。
先生に聞こうにももう寝てしまっているから旅行から帰ってからだな。
次に会えるのは火曜日か。
そう思えば寝るのが勿体無い気がする。
けれど明日は仕事だからと仕方なく寝た。
翌朝寝ている先生を置いて出る辛さ。
帰ったら居ないんだよなー…。
くちづけを落とし、渋々出勤する。
ぱたぱたと仕事をこなす間は忘れていられるが。
手が空くと今頃先生は、と考えてしまう。
それでも女友達と、と言うからいいか。
まさか俺以外とそういうことはしないだろうし。
仕事が終ってお稽古場へ移動。
いつもよりは少し遅めだ。
ついたら丁度八重子先生は食事を終えたところで一緒にお茶をいただいた。
今日はお稽古なしだから気が楽だ。
炉の灰を上げて炉壇を抜ききれいにした後は畳替え。
なるほどこれは八重子先生だけでは大変かな。
それから風炉に灰を入れて八重子先生がササッと灰を形作って行かれる。
手早い。綺麗。
俺がやるとどうにも時間はかかるし形は悪いし。
やっぱり長年のお稽古かな。
「灰の教室行ったら?」
そう仰るが中々スケジュールが。
「ま、普段うちのお稽古でしてもいいけどねえ、他の生徒さんがお休みのときとか」
「それいいですね、お願いします」
丸半日が風炉への支度で潰れた。
汗を沢山かいたので八重子先生と風呂。
気持ちいいなー。
先生も今頃は温泉を楽しんでいるのかな。
新しい傷が増えてるが最近は八重子先生もあまり言わない。
たまに手当てをしてくれることはある。
背中は見えないので化膿しかけててもわからない。
だから気づいたときに抗生物質を塗ってくれたりする。
さて、夕飯を作って食べてゆったりした夜。
「あんた今日絹居ないけど一人で寝るのかい?」
「律君と寝ましょうか」
「えっいやそれは駄目だって!」
律君が慌ててて面白い。
「冗談だよ。たまには一人で寝ましょうか」
「私と寝るかい?」
う、なんとなく怖い気がする。
でも最近はないし。
「じゃそのように」
孝弘さんがにやっと笑った。
しばらくして戸締りし、寝ることに。
八重子先生の部屋にもう一組布団を敷く。
別の布団なら問題あるまい。
布団に入ってすぐ。
隣で八重子先生の寝息が聞こえた。
疲れたから寝てしまったようだ。
ふっと笑えてそのまま寝た。
翌朝目が覚めて八重子先生と朝食を作る。
何事も無く先生の居ない日曜日。
ふとついた溜息に八重子先生が頭をなでてくださる。
お昼過ぎ、家路につくことにした。
帰宅してトイレに入ればなるほど今日からのようで、道理でだるい。
転寝しようと思っていると電話。
先生からだ。どうした。
先生もなっちゃってだるくて直帰はしんどいからうちに寄りたいらしい。
珍しく同じ時期になるとはね。
うちにもう帰ってるというとちょっと驚いてる。
迎えに行きましょうか?と聞くとそうして欲しいとのこと。
現在ランチ前らしい。
待ってるというので車を走らせる。いいドライブ日和だ。
駅についてメールを入れた。
現在地を教えてもらって迎えに行く。
先生がご友人方と話しこんでるのを見ると楽しそうだ。
「お迎えに参りました」
そう声を掛けると先生がご友人方に迎えが来たから帰るわ、と仰る。
「あら彼氏?」
「絹ちゃんやるわねー」
「お茶の内弟子よ。ここから近いからお願いしたの」
「そんな便利使いしちゃっていいの?」
「通いのお弟子さんに使いっ走りさせるって先生もいらっしゃるわよ」
「先生、車で待ってます。先に荷物積みますから」
「じゃこれお願いね」
はい、と答えてボストンバッグを預かる。
暫くして先生が皆さんに別れを言ってこちらへ来られた。
後部座席に、と言ったけど助手席がいいらしい。
しっかりシートベルトをさせて運転席に乗り込む。
見えなくなったころ、一つ息を落とされて。
やっぱり少しは緊張してたらしい。
「寝てるとき、他の人に抱きついたりしませんでした?」
「え?」
「よく俺の胸弄ってたりするでしょう。寝てるとき」
「あぁ。大丈夫よ、ベッドだったから」
ほっとしてるのを見て笑われた。
「そんなこと心配してたの?」
信号で止まったときに撫でられてしまった。
「あんまりそのー近寄られると抱きたくなるんですが」
「あら」
「ほら、そこのホテルとか。入りたくなりますから」
「あらあら、ダメよ」
「アレだから?」
「それにお昼間よ。人に見られても困るわ…」
「まぁね、わかってますけど。あ、今度SMホテル連れて行きたいな」
「SMホテル?」
「普通のラブホとは違って面白いですよ。誰かに見られたら社会見学ってことで」
「見られるの前提なの?」
「前提で言い訳を作っとくとばれたときに慌てなくていいからね」
「…私にも何か嘘ついてそうねえ」
「今のところはありません」
「あらこれからつく予定あるの?」
「ないですよ」
あちらもこちらも生理中だからどうしても絡み絡まれになる。
うちについて先生がトイレに行く。
手を洗ってると背中に重みと温かみ。
「眠い?」
「うん」
「おうち、電話するから少し寝ましょうか」
「そうしてくれる?」
「ええ。着替えてらっしゃい」
背中が軽くなって温かみが離れていく。
追いたくなるが電話が先。
八重子先生は2コールで出てくれた。
事情をお話しする。
明日はお稽古もないから泊まりたいというなら泊めても良いと仰る。
ありがたく受けて、でも実際どうするかは先生次第かな。
電話を切って俺も寝巻に着替えトイレへ。
ベッドに先生ともぐりこむ。
温かくて重い先生の身体が心地よい。
俺も先生もすぐ眠りに引き込まれて行く。
ふと目がさめると美味しそうな匂い。
先に先生が起きたようだ。
時計を見れば七時半。
もしかしたらもっと早く起きてて焦れて自分のだけ作って食ってる?
のっそりと部屋から出る。まぶしい。
「うるさかったかしら」
「いや…俺の分もあるんですか」
「あるわよ。起きなかったら冷蔵庫入れようと思ってたけど。今食べる?」
「あなたは食べたんですか」
「うん、さっきご馳走さましたところよ」
「俺、起きませんでした?」
くすくす笑ってる。
「しがみついてるの剥がしたのに起きなかったわよ、起きててわざとか疑ったわ~」
ありゃ。
座るように言われて座ってるとご飯とおかずが出てきた。お味噌汁も。
「帰ろうかしらと思ったんだけどお腹すいちゃったのよね」
「あ。八重子先生が明日お稽古ないから泊まってもいいって仰ってましたよ」
「あら、どうしよう…」
「お好きなように」
飯がうまい。
ちょっと迷っているようだ。
「泊まりますか?」
「そうするわ。でも…」
「しませんよ」
ほっとした顔をする。
「されたいって言うなら別ですが」
ニヤッと笑うと顔を赤くしてる。
「もうっ。そんなわけないじゃない!」
「おやそうですか」
「すぐからかうんだから」
きゅっと鼻をつままれた。
じゃれあいもそれなりに楽しい。
はは、と笑ってごちそうさまをする。
食器を洗ってお片付け。
先生はテレビを見はじめた。
「ねぇ、コーヒー入れて頂戴」
「こんな時間から飲んだら眠れなくなりますよ」
「だってお茶っ葉切らしてるんでしょ」
「買ってきます」
「いいわよ」
「俺も飲みたいから」
「そう? どこ行くの?」
「とりあえずコンビニへ行こうかと」
「じゃプリンもお願い」
「はい」
着替えてちょっと買物へ。
緑茶緑茶、と。
あった。
あんまり見ないメーカーだ。おいしいのかなぁ。
静岡茶らしい。
プリンと共に買って帰る。
先生にお渡しすると既にお湯を沸かしていたようで急須にとって入れている。
着替えて戻れば既に湯飲みに。
プリンは冷凍庫に入れたらしい。凍らせたのを食べるのも好きなようだ。
少しぬるくなったのを見計らい飲む。
あ、それなりにうまい。
ほぅっ、と落ち着いていると先生がもたれかかってくる。
ゆったりとした時間が流れる。
「あなた明日お仕事?」
「ええ」
「じゃ、そろそろ寝る?」
「ドラマ終ってからでもいいですよ」
「先に寝てもいいわよ?」
「なんであなたがいるのに一人寝ですか」
「あらあら」
くすくす笑ってる。
後30分くらいでドラマは終るらしい。
俺の手を触りつつ集中して見ている。
しばらくして番組が終った。
「お待たせ。じゃ寝ましょ」
「はい」
歯を磨いたり化粧を落としたりトイレへ行ったり。
先生と布団にもぐる。
寒いようで俺に冷えた手先や足先をつけてきた。
苦笑してしまってあった毛布を足した。
夜半には多分暑くなるはず。
その頃には俺が居なくなるからきっと丁度いいだろう。
背中をなでつつ寝かしつける。
暫くして寝息に変わった。
俺もそのまま寝て夜中起床する。
出勤の用意をして良く寝ている先生の唇に口付けを落として出ていった。
仕事は休み明けの休み前と言うこともあり結構に荷物も動き忙しく終った。
やれやれ、と帰宅すると先生がお昼を作ってくれている。
「お帰りなさい、お仕事お疲れ様」
「ただいま帰りました。
 美味しそうな匂いですね。だるいなら作らなくてもよかったんですよ?」
「あら、そんなに外食ばかりダメよ。もう出来てるから食べるでしょ」
部屋着に着替えて戻る。
先生の手を取ると冷えていて顔色も少し悪い。
「無理しちゃダメですよ。外食でも出前でもあなたの体調が悪くなるよりいいです」
座ってて、と食卓の前に座らせて盛り付けや配膳をした。
これだけでもしないとね。
しっかり食べたあと先生を脱がせ寝巻を着せて布団に放り込む。
食器を片付けて俺も布団へ。
「お昼間から寝るなんて…」
「具合が悪いんだからいいんですよ」
「でも」
「ちゃんと俺に飯作ってくれて。ありがとう」
だきしめるとほんのりと頬が赤らむ。
冷えた身体を俺の体温で温めるように抱き締めて撫でる。
上半身はそれなりだが足がまだ冷えてるかな。
足元にもぐりこんで懐に足を入れた。
「あったかいわ…」
そのうちに寝息が聞こえる。
ちょっと抱きたくなったけど具合も悪いしなぁ、仕方ない。
一緒に寝るとするか。
夕方になったらおうちまで送ろう。
足を懐から出して、先生の横に戻って寝た。
薄暗くなった頃目が覚めて先生を見るがまだ良く寝ている。
顔色は少し良い。
眺めているとうっすらと目を開けた。
もぞもぞと先生の手が俺の胸を這いまわる。
寝ぼけてるなぁ。
俺の乳首を弄ってるうちに目が覚めてきたようだ。
軽くキスして起きる。
身づくろいを整えてコーヒーを淹れた。
「ねぇ私にも頂戴」
「トイレいってらっしゃい。その間に淹れますから」
「うん」
先生はどれが好みだっただろうか。
少し酸味のあるコーヒーにしてみた。
お座布に座った先生に渡す。
「おいし…」
「飲み終わったら着替えて。おうちまで送りますよ」
「あら。明日までいるつもりしてるのに」
「いいんですか?」
「だってあなたも顔色悪いもの」
おや気づかなかった。
「それにお夕飯の分も買物しちゃったし」
「何作るんですか?」
「あなたの好きな味噌炒めよ」
嬉しくなってキスしてしまった勢いで押し倒した。
「ちょっと、もう。ダメよ」
ついつい胸を揉んでしまって叱られた。
胸元を直して先生は起き上がり、台所へ立つ。
もう作ってくれるようだ。
昼前に下拵えは済んでいたらしく、手早く炒めている。
作り起きの副菜を出してご飯をよそえば夕飯の完成。
先生は食欲は沸かないらしい。
だるいそうだ。
「前からそうでした?」
「ううん、最近。更年期かしら」
「まだ早いですよ。一応婦人科行ってみたらどうでしょう。筋腫とかかも」
「痛くはないのよ」
「じゃ貧血かなぁ…疲れてるとか」
「疲れてるというのはあるかもしれないわねぇ。あなたとしすぎて」
「…そんなに疲れますか」
「疲れるわよ」
「来月生理前の週はしないで寝ましょうか」
「それで持つの?」
「難しいけど…具合の悪いあなたを見ているよりは俺が我慢すべきでしょ」
「終った後が怖いわねぇ」
ころころと笑っている。
お風呂は明日はいることにして早々に布団にもぐることにした。
「今日一日ずっと寝てる気がするわ」
「ちゃんと飯作ってくれてたじゃないですか。お買物も行って」
「明日はどうしようかしら」
「体調よければ朝はモーニング食べに行って散歩してもいいですね」
「あら、いいわね、お散歩」
布団の中でおしゃべりしているうちに寝て、朝6時過ぎ。
「流石に寝足りたわ~」
「ですねぇ」
「あ、お風呂借りるわね」
「どうぞ」
先生が出た後俺も入ってすっきり。
風呂から出ると先生が洗面所でドライヤーを使っている。
「体調どうですか」
「いいわよ。って何か着なさいよ」
「じゃモーニングいけそう?」
「行くから早く着なさい」
「はーい」
身支度を整えていると先生に頭を拭かれた。
「ドライヤー空いたわよ」
「別にいいんだけどな」
「風邪引いたら困るわ、ほら」
はいはい、とドライヤーを使って乾かす。
先生はその間に化粧を軽くして紫外線対策をしている。
「あなたも対策しないとしみになるわよ」
「うーん、面倒で」
「ほんと面倒くさがりよね。いいわ、行きましょ」
近所の喫茶店のモーニングセットを食べる。
俺はちょっと足りないから更にトーストを頼んで。
ここは色々選べる。トーストorピザトーストorフレンチトースト。
サラダにオムレツ、ベーコンorソーセージとスープ。
そしてコーヒーか紅茶。
先生はフレンチトーストを頼んでいる。
オムレツがちょっと多く感じたのか半分食べてと仰って俺の胃袋に。
ご馳走様をしてお散歩に。
「少し曇ってるわねえ」
「これから雨かな。早めにお帰ししたほうがいいかもしれませんね」
「そうねえ、雨の中運転するのって大変そうだもの」
「お昼前にしましょうか」
「そうね」
流石に先生も帰りたくないとはごねないな。
うちへ戻って先生は帰る用意をしている。
と言っても洗濯物を持って帰るだけらしいが。
「じゃそろそろ帰るわ」
「はい。荷物積みましょう」
「ん、お願いね」
トランクにボストンと洗濯物をつんで先生のお宅へ。
「ただいまぁ」
「あら、お帰り」
「あーお母さん。お帰りなさい」
「こんにちは」
「あぁこんにちは。どうしたの」
「荷物ありますから電車より車が楽なので送ってきました」
「洗濯するから洗濯籠のところ置いてきてくれる?」
「はい」
「あんた調子はどうなの」
「まーまーってとこですねー。だから今日は帰りますよ」
「あら泊まってかないの?」
「明日仕事ですから」
「あらあら、そうだったのね」
「そうそう、あんたらお昼ご飯は食べたの?」
「いやまだです」
「んじゃ用意するよ。山沢さんも食べて行きなさい」
「ありがたく」
お昼をいただいて一服して帰宅した。
さて明日は暇なのか忙しいのか…。
とりあえず早めに寝よう。
朝方雨が落ちてきて、やっぱり雨降りかと嫌気が差す。
雨だとどうしても客足が鈍る。
客の方でも明日買えばいいなんて雰囲気だ。
暇なまま仕事が終わり雨の中帰宅した。
明日…もできない。
明後日も出来ない。
つまらないなぁ。
逢えるだけマシなんだろうけれど。
あれ? 明日お稽古あるのかな。
もしかして、ない?
となると土曜まで会えないのか。
いや土曜も休みだからお稽古はないはず。
来週火曜日も、ない。
会うの、来週の木曜?
出来るの、来週の土曜?
うわ、きついな。
頭を抱えていたら先生から電話がかかってきた。
先生もこの事実に気づいたようで、どうする?と仰る。
どうするってどうしよう。
「お母さんがね、金曜日お稽古にいらっしゃいって。風炉のお稽古するから」
「あ、来週の木曜までお稽古ないかと思って今」
「大丈夫よ」
「その時にしていいですか? ダメかな」
暫く無言。
「それはその時に。じゃ、またね」
すぐに電話を切られてしまった。
今のはどっちだ。呆れられたか? それても照れくさかったのか。
まあとりあえず明日さえ過ごせば明後日には会える。
だったら俺が今やるべきことは…復習か。
イメトレしておこう。
先に昼飯を食ってきっちりイメトレして、夜になった。
さてと。寝るか。
木曜も何のことはない、暇だ。
なんせ明日あるからなぁ。
ぼんやりと仕事をしてぼんやりと帰る。
うーん、張りがない。
急に暇になるとすることが…あ、着物縫いかけて放置していたっけ。
縫うことに集中していると、ふと気づけば薄暗い。
もう夕方か。
伸びをして夕飯を取りに出る。
親子丼でも食おう。
そう思ったところで気づく。雨だ。
ピザ、取るか。
Sサイズとサラダと何かサイドメニューかな。
……わびしい。
先生から美味しそうな夕飯のメールが来る。
いいなぁ。
うらやましい。
そうメールしたら明日お昼を食べずに来るようにメールがあった。
一緒に食べましょ、と。嬉しくなってしまった。
よし、明日仕事頑張ろう。
そんで先生方とお昼を食べてお稽古しよう。
そのためにも早く寝よう。
おやすみなさい。

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