忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

431

さてさて出勤。
魚、ほとんどないなぁ。
流石に台風。
こちらのほうに対して影響はなかったものの、波が高く出漁してないようだ。
客いわく野菜も駄目みたいで高いそうだ。
昨日の当てが外れた分、今日買わなきゃいけないほどの事もないようで売れない。
暇じゃないか。
仕事を終えて帰宅したが疲れてないから眠くもなく。
かといって外を散歩するのは暑い。
先生の家のあたりはもっと涼しいからなぁ。買物も行けてたけど。
少し縫い物繕い物を片付けるか。
それと掃除もしようか。
とりあえず繕い物をしなきゃ。ズボンの裾がほつれてるんだよな。
ミシンが使えればこんなものは一瞬なんだろうけど。
そう思いつつ絎けて。
縫い物する気力も掃除する気力も丁度失せた。
針をきちんと片付けてベッドに潜り込む。
お昼寝しよう。
あまりよく寝られずうつらうつらと。
何かだるい。
先生からメールがきた。
お夕飯の写真。
今日はだるくて素麺です、とある。
先生もどうやら具合がよくなく、早めに寝るそうだ。
明日早めに行けるようなら行った方が良いな。
俺も何か食って寝よう。
冷蔵庫を漁って常備のおかずで食った。
ベッドに潜り込めば先生がお風呂から膝の写真……なんで膝?
なんとなく、だそうだ。
良いけど。十分萌えられるし。
おやすみなさいの挨拶を交わし、先生よりは早く寝た。

拍手[0回]

PR

430

翌朝、やはり先生は良く寝ている。
しょうがないよね。
寝顔も可愛い。
朝飯の支度をしてると八重子先生が起きてきて一緒に用意。
もう最近は遅い理由は聞かれない。
配膳する頃先生が起きてきて孝弘さんと律君を呼びに行った。
「いただきます」
食事中先生が律君に今日の予定を聞いてる。
台風来るからね。
今日はレポート片付ける、と言う。
朝食後は家事。
先生はまだ眠たげだがお昼寝はお昼食べてからね。
お風呂を洗って茶室の掃除をしてお買物。
お昼と晩、明日の朝の分も。
台風がどうなるかわからないから。
眠そうな先生は置いていくことになった。
リスト片手にお買物。
帰宅すると先生は繕い物をしている。
「痛っ」
「今日は止めたらどうだい、さっきから何度刺してるの」
ぷっくりと指先に血を出して、困った顔している。
「お昼にしましょう。そんでお昼寝したら良いじゃないですか」
「ん、そうね」
てきぱきとお昼を作って出す。
嵐の前の静けさか、のんびりとした雰囲気だ。
テレビでは関西が大変なようでL字枠が出ている。
「あんた実家のほう大丈夫なの?」
「ああ、あっちは災害来ないですから」
「電話くらいしたほうが」
「良いですよ、問題ないですって」
いっつも警報すら出なくて子供の頃は腹が立ったもんだ。
食べ終わって洗い物を済ませて戻れば座布団枕に先生が寝ている。
浴衣だからお太鼓じゃない分寝易そうだが…文庫に結んだ帯を貝の口にしてあげた。
寝息が気持ちよさげだ。
ゆったりのんびりしているとテレビで関西の状況をやり始めた。
なんだ、また桂川氾濫注意か。
「…あんた本当に電話したら?」
「うち、川も山も近くないんで大丈夫ですよ」
「そう?」
「ええ」
まったりとお茶を飲んでゆっくり。
少し雨だが気温が下がって気持ち良いようで先生はよく寝ている。
こんな休みも良いね。
玄関から物音。
「おばさーん、律いる?」
んん、と先生が呻く。
ばたばたと司ちゃんが入ってきた。
先生起きちゃったじゃないか。
「んー…、あ、司ちゃん。律なら部屋よぉ」
「あ、ごめんなさい、寝てたんだ」
司ちゃんが律君の部屋に行って先生が寝返りを打つ。
俺の膝を枕に。
すっかり甘えるようになった。
ほつれ髪を直してあげる。
夕方、八重子先生が夕飯を作る、と立った。
先生をそろそろ起こすべきかと思ったがそのままと仰る。
二人でいるとちょっかいを出したくなって困るんだが。
ふっくらとした胸とか。
気配がわかったのか先生が起きた。
「ん、何時?」
「もう夕方。5時半ですよ」
「あら。お夕飯…どうしよう」
「いま八重子先生が」
パパッと身づくろいして慌てて台所へ。
俺は痺れが切れて悶絶。
流石に足の組み換えなしはきつい。
「山沢さん? どうしたの」
「痺れ切れただけです、って触ろうとしてますよねっ」
「うふふ」
「くすぐるのもナシっ」
くっくっくっと笑い声がして振り向けば律君。
「絹ー」
「あ、はーい」
ぱたぱたと先生が台所へ戻ってった。
「うー…律君、メシはまだだよ、まだ」
「いや、ね。司ちゃんがお酒切れたっていうから」
「あぁこの間補充したの持ってって。良いよ」
「ありがとうございます」
暫くしてやっと治ってきた。やれやれ。
食卓を片付けて台拭きで拭く。
台所に顔を出した。
「あ、そろそろお父さんたち呼んでくれる?」
「はーい」
離れへ行って孝弘さんを呼び、律君の部屋へ行き二人を呼ぶ。
先生が配膳するのを手伝ってお夕飯。
今日もおいしい。
お味噌汁の具が麩。みんなは茗荷。
この家はなすと茗荷の味噌汁好きなんだよなぁ。
ご馳走様をしたら帰らねばならない。
「また明後日来ますね」
「気をつけてね」
「またね、山沢さん」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
先生がちょっと寂しそうだが仕方ない。
流石に司ちゃんもいるからキスどころか手も触れなかった。
残念。
帰宅してベッドに潜り込む。
あ、そろそろ股間の白髪抜いて上げなきゃなぁ。
なんて思いつつ眠りに落ちた。

拍手[0回]

429

出勤し、仕事。やはり暇だ。
というか荷物が来ないから売るに売れず。
普段三千円の魚も八千円ではねぇ。
外は暑い。
ああでも昨日の京都に比べれば涼しいね。
今日行けばよかったか?
とはいえ昨日の疲れで眠い。
だから今日行ってたら明日お稽古が辛くなってるはず。
仕事を終え、帰宅してすぐに寝た。
夕方起きて食事を取る。
先生からメール。
明日台風の様子を見て来れないようなら来るなと。
きっと台風は来ない大丈夫。
だから行く。
逢いたいし。
心配させてもいけないから、その時の判断で行くか行かないか連絡すると返す。
来れるなら来て、と書いて返って来た。
勿論だ。
何度かメールを交わし、お休みの挨拶を交わした。
シャワーを浴び、寝た。
翌朝テレビを見ると九州四国方面は大変そうだ。
しかしながら関東にはこなさそう。
先生のところへは余裕でいけるだろう。
時化と台風で出足が悪いのとで大して売れず。
さっさと先生のお宅へと移動した。
「あら、いらっしゃい」
「こんにちは」
「早かったねぇ」
「あ、そうでしたか?」
「いま朝の生徒さん帰られたところよ」
「ああ。じゃこれからお昼ですね」
「あんた食べてきたの?」
「ええ」
部屋に鞄を置きに行って水屋の支度。
さっと茶室の畳を拭き掃除した。
一旦居間に戻ると見合い写真の山を先生が見ている。
「あ、あんたも見る?」
「…開さんの?」
「そう。いい加減身をかためさせないとねぇ」
「え。俺とって話は消えたんですか」
「だってあんた、最近会ってないだろ」
「そういえば見ませんね」
「これ」
「ん? あ、先生じゃないですか。孝弘さんとの見合いの?」
「あら違うわよ、成人式の時に撮ってもらったのよ」
「うーん、やっぱり綺麗で可愛いですね。清純ってかんじ」
そういうと頬染めて可愛らしい。
「あとは晶の見合いが来ててね」
いくつか見せてもらった。
「を、これイケメン」
「あらほんと」
「先生もこういうの好みですか?」
「んー私はちょっと」
「孝弘さんが好みなんですもんねぇ、先生は」
ほほほ、と笑っている。
「さてと、そろそろ生徒さん来るよ」
「あらもうそんな時間? お手洗い済ませておかなくちゃ」
ぱたぱたと行かれた。
先生が戻られる前に生徒さんがいらっしゃったのでお相手を。
おいでおいでをされて近寄る。
「先生まだいらっしゃらないから聞くけど…あなたAVお持ち?」
「え、ああ、はい」
「息子がね。変なAV持ってたのよ。誰か相談できないかと思って…」
「変な、と言うと」
「先生には変態って言われそうなものなのよ、だから相談できないの」
あ、足音。先生が来た。
「お稽古が終ったらお聞きします」
「お願い」
先生が入ってこられた。
「こんにちは、中村さん」
「先生、こんにちは。よろしくお願いします」
「はい、じゃ今日は…」
お稽古が始まる。
長板をお稽古される間に次の方の用意を整えた。
そして中村さんのお稽古を終えるころ、次の生徒さん。
ご挨拶。
入れ替わられたあと隣の部屋で話を聞く。
聞いてみたが軽いSMが入ってただけでたいしたものではなかったようだ。
部屋に道具類があるかも確かめる。
まだそういうものはないそうだ。
「一過性で憧れを持ったりすることはよくあると思います。ただ…」
これからそういう道具やビデオを集めるようになったら諦めるように、と。
のめりこむ人は一定数いるし。
「非難しても性癖はどうしようもありませんから」
「そういうものなの?」
「軽いものなら普通に暮らせますよ。奥さん貰って子供も作って」
「重いと?」
「奥さん以外にプレイ相手が必要になります」
「浮気なんじゃないの?」
「そういう感覚ではない人が多いでしょうね。奥さんにはできないことをしているだけ」
気持ちはわかる。俺はしてないけど。
少し納得されたような。
内緒にして欲しい、と言われて帰られた。
お稽古に戻る。
夜になって先生と寝間に入った折に聞かれた。
「なんだったの?」
「ん、ああ。息子さんの部屋からAV見つけたって」
「あら。なんだそんなこと」
「律君の部屋にあっても平然としてるのかな、あなたは」
「男の子だもの…」
「ふぅん? そうかなぁ」
「第一あの子の部屋、テレビないわよ」
「あ、そうでした。じゃエロ本。俺が見てるようなのとかどうです」
「あなたが見てるようなのならお説教ね」
「見せてみようかな」
「やめなさい」
「選択肢」
「許しません」
「あなたは見るだろう?」
「見ないわよ」
「俺の部屋の、読んだくせに」
「あれは…」
後ろから抱いて耳を舐める。
「あれはなに?」
胸に手を差し入れて揉みしだくと喘ぎそうになっている。
股間をまさぐると体がはねて。
耐えてるのが可愛い。
ぎゅっと俺の腕を掴む力が強くなり、すぐ脱力した。
逝った様だ。
ハァ、と息をついてもたれてくる。
「もう、だめよ…布団入りましょ」
ふふっと笑って引き入れた。
「明日、また縛ってあげようか」
「だ、だめよ。それは。痕残っちゃって大変だったんだから」
「見るたびに思い出した?」
「…その…やだ、何言わせるのよ」
「ほんと、かわいいなぁ。いつかここにも蝋燭落としてあげるよ」
股間を弄り回しながらいうと随分と濡れている。
「や、こわい…」
「こわくないこわくない」
中を弄りつつキスをして気持ちよくなってる隙にまたお尻に指を入れた。
「んぅぅ…んっ、んんっ」
俺の胸に手をやり押し返そうとしているが力は入ってないね。
いや入らないんだろう。
尻の穴だけでは無理だけど他のところも同時刺激で逝けたようだ。
うー、色っぽい。
「抜いて、ねぇお願い…」
あんまりにも可愛らしくてお願いを聞いてしまった。
「手、洗ってきて頂戴よ」
「はいはい」
布団から出て洗面所で洗う。
その前に嗅ぐ、なんてことはしない。
スカ趣味はないからな。
浣腸も必要があれば、だ。
出すところを眺める趣味はあるが。
それはそれ、恥ずかしがるから見たいんであって。
部屋に戻り、布団に潜り込む。
背を向けてる先生を抱き締めた。
「お尻、駄目よ…ね、聞いてるの?」
「んー、ふふ、可愛かった」
「ばかっ、もうっ」
そろりとお腹に指を這わす。
「もう一度、する?」
「お尻、しないで」
「しょうがないな。わかった」
今度はゆったりと普通に抱く。
「愛してる…」
「嬉し…ん、キスして」
深く浅くキスも交わし、逝かせて眠くなった先生を寝かせた。
俺も寝るか。
おやすみ。

拍手[0回]

428

翌日。
仕事を済ませ、着替えて京都へ。
京都はやはり暑い。
東京とは違ったじっとりとした暑さだ。
げんなりしつつ、観光客にもまれつつ清水道より1つ北の停留所へついた。
六道参り、と道の上に幕が張ってある。
坂を下って六道珍皇寺へ。
塔婆を書いてもらって鐘の列へ並ぶ。
相変わらず暑いのに沢山の人だ。
行列は角を3つ分。
この日差しの中待つのは辛いが仕方ない。
首の汗を拭い扇子で扇ぎ、麦茶を飲む。
やや曇っていてこれだから晴れてなくて良かった。
汗が滴る。
列はじりじりと進みやっと寺の裏口が見えてきた。
もう少し。
寺内に入る。
鐘を突いてからお参りし、水回向。
それから西福寺。
ここは地獄絵図で有名だ。
九想図絵もある。
そして六道珍皇寺で鐘を突き、お参りをした。
実家に帰ってその足で先に墓参り。
親たちは盆の連休に行くそうだ。
ついでに結婚はしないのか、などと言う話が出た。
一応考えている人はいると返しておいたが…。
あまりに汗だくなのでシャワーを浴びて着替えてから東京へ戻ることにした。
風呂から出るとメシが出来ていて久々に食う自宅の飯。
肉が沢山、魚はちょっと。
ガッツリ食って満腹。
そのまま寝てたいけど明日も仕事だから。
「んじゃ帰るわ。暑いし体調崩さないように」
「あんたも気ぃつけや」
「あ、服」
「洗て送ったげるから」
「頼むわ」
「はいはい、ほなね」
「またね」
タクシー呼んでもらって京都駅へ。
京都駅も暑い、蒸してる。
時間はあるので少し先生に土産を買った。
新幹線に乗って転寝、終点だから問題ない。
次は新横浜のアナウンスで目が覚めた。
車販のコーヒーを買って飲み終えると東京だ。
あくびひとつ。
バスに乗り換えて帰宅した。
暗くて暑い部屋の電気をつけクーラーをパワフル運転にする。
眠い。
やらなきゃいけないこともなし、寝ようか。
携帯がなる。
先生からだな。
手首と足首の写真。
手首はほぼ残ってないようだが足首はしっかり残ってる。
あの時八重子先生来たからマッサージできてなかったもんなぁ。
風呂でよくマッサージする事と、写真は削除するように言う。
証拠は残すべきじゃない。
今からお風呂と言う返事があった。
どれほど残っているか確認したいところだが。
土曜のお稽古では流石に残っちゃ居ないだろう。
俺は先に寝る、と返してベッドに潜り込んだ。
おやすみなさい。

拍手[0回]

427

夜半、先生がモゾモゾと擦り寄ってくる。
クーラーを止め、窓を開けた。
効きすぎて寒かったようだ。
トイレへ行ってからベッドに戻る。
肌がひんやりとしていて風邪を引いてないか心配だ。
密着させてお腹だけでも温まれば良いかな。
朝になって、暑くて目が覚めた。
先生も布団を蹴っ飛ばしてるのでクーラーを入れた。
トイレから戻ると流石は部屋が狭い、良く効いている。
設定を緩めて再度添い寝をした。
涼しくなるとちゃんと俺にくっついてくる。
年上なのに可愛い、と思ってしまうんだよね。
あ、むらむらとしてきた。
久々に朝からしちゃおうかな。
緩めたクーラーを再度強くして先生の胸をなでる。
乳首、立ってきた。
寝てると乳首だけでは逝かないから適当なところで下に指を這わす。
うん、ちゃんと濡れ始めてる。
暫く弄ってたら起きてしまったようで鼻をつままれた。
キスをしてから股間に潜り込む。
敏感なところをうまく舐めると声が溢れる。
中に指を入れくじる。
ちゃんと感じてくれてるようだ。
ひっくり返して腰を持ち上げて弄る。
よがってる隙に尻の穴を舐めた。
「っあ…、だめ」
そっと小指を入れる。
「あ…ぅ…」
突起を責めつつなので力が入らないようだ。
ゆっくりと出し入れすると感じてきたようで背中を反って喘ぐ。
3点攻めで逝った。
指をぬいて手を洗いに立ち、戻ると枕で叩かれた。
枕ごと抱き締めて押し倒してキスを。
「もうっ…ばかっ」
いてててて、乳首に爪を立てるなって。
それでもそのまま抱き締めてキスをすると次第に抵抗がうせる。
ペニバン持ってきてたらもう一度抱きたい程度にまだしたい気分なんだが。
そういうと恥ずかしそうだ。
先生の乳首を弄っていると股間に誘導された。
よしよし、いい子だ。
沢山啼かせて楽しんだ。
風呂の湯を落としてないので風呂に入らせてから喫茶店に朝ご飯を食べに行く。
たまには良いだろう。
手を洗って着替え、風呂上りの先生にキスをして着替えさせた。
喫茶店でモーニングをいただく。
「あら、珍しいですね、先生」
昔生徒さんだったらしい。
「ほほほ、たまにはね」
先生のウインナーを貰って食べる。
「そうそう。戻ったら天気も良いから布団を干すわよ」
「あ、はい」
ゆったり紅茶を飲んで支払い、店を出た。
まずは部屋に戻り、干す。
それから家へ戻って孝弘さんや律君の布団も干した。
「良く乾きそうねえ」
「そうですね」
チラッと手首の痕が見えた。
あ、いかんな、さっき喫茶店で気づかれてないと良いんだが。
「先生、もしこれなんか言われたら…昨日庭仕事してたらそうなったと言って下さい」
一応手拭の上からかけたんだけどなぁ。
クリームを取ってマッサージする。
薄くなってきた…ような気もするが。
ふと顔を上げキスをした。
頭に拳骨一発、八重子先生が戻ってきてた。
あいたたた。
ま、でもクリームが消えるまで暫くマッサージ。
八重子先生が入れてくれたお茶を頂いて買物に出た。
今頃先生は昨日何されたか聞かれてるのか。
聞かないであげて欲しいけどね。
買物から帰ると冷たい濡れタオルと麦茶をいただいた。
「暑かったでしょう?」
「いやぁもうギラギラ油照りですね」
背中を拭いてくださってすっきりして台所へ向かう。
今日は豆乳のスープスパゲティ。
お豆腐と油揚げとネギを炊いてつけた。
同時にお夕飯の下拵えを済ませて冷蔵庫に入れて置く。
孝弘さんが居ないときはスパゲティやパン食でも良いと言われている。
「あら、おいしそう」
「どれどれ」
「結構いけるわね」
「スープもおいしいねぇ」
嬉しくなる。
その後、家事を手伝って、お三時。
おやつをいただく。
「あんたお盆はどうするの?」
「あー。そうだ、忘れるところでした。明日お稽古お休みしていいですか」
「いいけどどうしたの?」
「六道参り、明日からなんですよ。だから」
「なぁに、それ」
「ええと。六道珍皇寺または六波羅蜜寺で鐘を突いて。
 先祖を呼び出してもらい連れ帰る行事がありましてそれをするために戻ります」
ただ、実の所、市中心部の慣わしと見えて市周辺部の出身者の俺は良くわかってない。
それでもしないのは変な気がする。
そういうわけで毎年帰省して迎えに行くのだが。
「そんなのあるのねぇ」
「結局お盆はどうするんだい」
「えーとですね。何もしないで居られる自信がないんで来ません」
スパーンと先生に新聞で叩かれた。
「むしろですね、盆明けに俺、岡山に出張あるんで一緒にどうかと思ってるんですが」
「岡山?」
「ええ、もし来られるのなら有給とれますから近くの温泉に三日ほどと」
「この暑いのに温泉?」
「プールがよければそちらでも」
「行ってきたら。どうせ生徒さんもちらほらお休みだからねぇ」
「でもお母さん大変でしょ。いいわよ」
「わかりました、じゃ涼しくなったら考えましょう」
「そうして頂戴」
うーん、残念だ。キングベッドの部屋をとっているのだが。
と言うかその部屋しかなかった。
温泉の仮押さえしてあったのを断っておやつをつまむ。
「お夕飯、何作る予定なの?」
「一応ささみアスパラ炒め、小松菜と厚揚げの煮びたし、金目を煮ようか焼こうか」
お夕飯の支度をするにはまだ早いのでしばし団欒を楽しむ。
「はらへった」
孝弘さんにお饅頭を渡してそろそろ夕飯に取り掛かろう。
「あ、待って。その前にあっちの布団取り入れて頂戴」
そうだった、忘れてた。
取り入れに行って戻ってくると先生方が調理を開始している。
「お帰り、うちの布団も取り入れてー」
「はいはい」
各々の部屋に取り込んで、洗濯物も取り入れた。
しかし律君のか孝弘さんのか、下着は良くわからん。
流石に何履かしてるまでは把握してないからなぁ。
とりあえず畳んで積み上げた。
八重子先生が戻ってきて仕分けしてくれてそれも各々の部屋へ。
孝弘さんのは箪笥の中へ。
食卓を用意していると律君が帰ってきた。
「おかえり、洗濯物は部屋に置いておいたよ」
「あ、すいません」
部屋へ行って、すぐに引き返して台所へ行った。
何か先生と喋ってるようだ。
暫くして律君が孝弘さんを呼びに行く。
配膳を手伝って夕飯をいただいた。
金目は焼いたようだ。
おいしい。
先生が楽しげに俺や孝弘さんを見る。
どうも沢山食べるのが見ていて楽しいらしい。
ご馳走様をしてしばし団欒を楽しめばもはや帰る時間。
明日、明後日と会えないから少しさびしい。
玄関先で頭をなでられた。
「土曜日待ってるから。明日気をつけて」
「はい。じゃ、また」
「またね」
送り出されて帰宅した。

拍手[0回]