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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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161

「なにかねえ、食べられるような気がするわ」
「食欲、確かに近いかもしれませんね」
そういいつつ撫でまわす。
うう、先生の素肌気持ち良い。
「かさぶたを…」
「ん?どうしました?」
「無理やりめくられるような気分がするの」
うん?どういうことだ?
聞いてみると私の手の内に居るといつもは封じている女の部分を
無理やり解放させられるような、そんな何か怖い気分がするらしい。
「孝弘さんは…ああなってからは一度も?」
「ええ。お医者様にも相談したのよ」
「…したいのに勃たないと?」
「ばか、そんなこと言ってないわよ…もう一人律の下に欲しいって相談したの」
「人工授精とか言われませんでした?」
「うん、それしかないって」
「まぁ…お尻の中に指突っ込んで刺激してなんてあなたじゃ無理でしょうし」
「なんなの、それ」
「男性を無理やり勃起させたり射精させたりする方法」
「知ってても出来なかったと思うわ、それは」
「今でも無理でしょ(笑)」
「無理よ」
「ですよね」
「だから…ずっと、だったのよ。あなたがするまでは」
「だったらあなたのその女の部分、俺にもっと見せて。嫉妬も、性欲もすべて」
「性欲だなんて」
「あるでしょう?
 孝弘さんや私にして欲しいと思ったこと、一度もないわけじゃないでしょう?」
「そうね…」
「だから全部俺に下さい。あなたの思い。したくなったらしたいって言ってください」
「そんなの。いえないわ」
「言うのは淫乱だとか思ってますか?」
軽くうなづいた。
「だれかれなしに、なんてのは淫乱でしょうが俺に言う分には違います。
 恋人としたくなるのは当たり前のことです」
「そう?恋人…ねえ」
「恋人じゃないんですか、俺」
そういえば好きとか言ってくれない。
「はいはい、あなた一番は孝弘さんですもんね。愛人でいいです」
「あ、違うのよ、そうじゃなくて」
「愛人でも何でも俺と孝弘さんになら求めても淫乱なんかじゃないです。いいですね」
それ以上の会話を封じるように強く激しくして。
終ったころには涙目になっていた。
「今日はこの辺にしてあげます。帰らないといけないでしょう?」
「いやよ、帰らない」
「なぜです?帰りなさい。帰らなきゃいけないでしょう、あなたは」
「いや」
「わがままはいけません」
「わがまま、聞いてくれないの?」
「きけません」
「どうして?」
「明日初釜でしょう、朝から。欠席できないんでしょ?」
「あ…」
「まさか忘れてたんですか…送ってあげますから、ほら、シャワー浴びてきなさい」
慌ててシャワーを浴びに行く先生を見て溜息。

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160

いつもの時間に目が覚めて身づくろいをする。
先生を揺り起こし、寝ぼけている耳に行ってきます、と言う。
正月ボケした頭で仕事を済まし帰宅するとお昼ご飯の用意をしていた。
手を止めてお帰りなさい、とキスされた。
ただいま、と手を洗って着替える。
洗濯物は干されていて先生の機嫌もそれなりに良いようだ。
食卓についてご飯をいただく。
うう、久しぶりに青物が。
おいしい。
やっぱなー正月連休は青物に飢える!
大変おいしゅうございました。
「どうしますー?体重計買いに行きます? こっから近いと言えば新橋ですが」
「そうね。どんなのか見たいわねえ」
んじゃ行きましょ行きましょ。
うちから出てバスに乗って新橋駅へ。降りてすぐの量販店。
いくつか見て、表示の大きいものをセレクト。
いちいち眼鏡は面倒だ、八重子先生が。
購入して先生のお宅へ送ってもらう。
さて今晩、先生はお返しせねばなるまい。
初釜の準備があるからね。
まずは帰宅して先生にどうして欲しいか聞いた。
「どうって…」
「激しくが良いか優しくが良いか酷くが良いか、さぁどうします?」
「優しくが良いの、わかってて聞いてるわよね?」
「まぁわかってますけどね」
一応ね。
「で、激しいのよね?」
「怖いんですか?」
「わかっててしないで頂戴」
「無理ですね」
「じゃ聞く意味ないでしょ」
「ありますよ。あなたとこういう会話するの好きなんです」
「意地悪ね」
拗ねる先生にキスをすると頬を染める。
「あまり意地悪するとさせてあげないわよ?」
「それは困ったな。じゃあ意地悪はなしで優しくして差し上げましょう」
くすくすと笑ってベッドルームに行ってくれる。
そのままベッドに押し倒してキスをすると皺になっちゃうわ、と言う。
「んーでも着たまましてみたいな」
「だめよ」
押し返されて、脱いでいただいた。
「なに見てるのよ、あなたも脱ぎなさい」
「あ、はい」
慌てて脱いで、裸になった先生の側に寄り胸元を舐めた。
「なんでそう落ち着きがないの…」
「すいません、つい。おいしそうで」
あ、先生の体が温かくなってる。
「そういうところ可愛いわよ」
うーむ、格好良くありたいのだがどうしても先生の体を前にするといかん。

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159

食べ終わって、先生が私の横に来た。
手を出されやすいように、か?
襦袢の中に手を突っ込んで胸を揉む。
気持ち良さそうにしている姿が心地よい。
先生を膝に乗せて。焦らしたくなり脱がせもせず乳房や乳首のみ触る。
あ、そうだ。
リモコンをとってビデオを再生する。
一覧からあるものを選び、途中のシーンから映し出した。
ぎょっとしてる。
「山沢さん、山沢さん、ね、こんなの見せないで」
画面の女性が声を上げるたび、先生もビクッとする。
乳首に蝋を落とされるのを見て顔を背けた。
「ほら、ちゃんと見て」
「あぁいや、こんなのしたいんでしょ…いやよ、熱いもの…」
「熱くないようにもできますよ…もしかして仏壇の蝋燭こぼしたことあります?」
こくり、とうなづいた。なるほどね、怖いのはそれでか。
「ちょっと待ってて」
納戸からSM蝋燭と普通の蝋燭を出す。
戻って赤い方に火をつける。
まずは自分の腕に。高さを調節して熱く感じない高さを探る。
続いて白を。同じ高さから落とす、うん、熱い。
「腕、出して」
恐る恐る先生が腕を出す。
ポト、と白い蝋をたらした。
「あっ」
慌てて腕を引っ込めようとする。
「少し熱かったでしょう?」
涙目になっている。
そこへ赤い蝋燭を同じ高さから落とす。
ボトボトボトッと落ちた。
先生は顔を背けるも、まったく熱くなくて驚いている。
「あったかい程度でしょ? 仏壇の蝋燭とはまったく温度が違うんです」
ほっとした顔をして居る。
「ただ、この蝋燭でも…」
近づけて落とす、徐々に一滴、一滴と肌に寄せる。
「あっあぁっ熱いっひぃっやめてっ」
「こういう風にね、できるんです」
蝋燭の火を消して横に置く。
「酷い…」
「ふふ、パラフィン浴ってご存知ですか? 今落としたより少し高い温度の
 蝋に腕や足をつけて保温効果を高め、関節痛などにいいんですが」
「こんなに熱いのに…」
「体幹にやったことありますがヘソのあたりは熱かったですよ」
そういいつつついた蝋をはがして行く。
ほんのり赤くなったそこを舐めつつビデオを再開する。
「ほら、あなたと同じ声、上げてる。けどこの女性のほうがもっと蝋燭が近い」
「凄い…私、無理だわ」
「慣れですよ、あぁでもこれは無理かな。あなたでは」
画面は陰裂を開き突起や尿道口をも埋めるように蝋を落としている。
「…しないでね、お願いだから」
「あそこまで敏感な場所にあの近さから落としたら…あなたなら絶対泣くでしょうね」
想像しちゃったらしい。
震えてる。
まああれは俺でもいやだな。
場面はすすんで張型で蝋をたらされつつ玩ばれている。
視覚に煽られて胸を揉んでるだけなのに凄く喘ぐ。
腰がもぞもぞとしていて楽しい。
画面の女が逝ったのに引きづられるように先生も逝った。
「脱がせて欲しい?」
と耳元で囁くとうなづくので帯をとき紐を外して脱がせ、股間を撫でた。
画面の女は縛られて横向きに吊られ、男のものを入れられている。
「こういうのはどうです?されたい?」
「いや…」
「でも見ていると感じるんでしょう?さっきより濡れてる」
「そんなこといわないで…」
私の膝を掴んでいる先生の手を後ろにまとめて先ほどついでに出したビニテで軽く巻く。
「あぁいや、山沢さん、だめ、はずして」
画面の中の女性は更に鞭で打たれ始め、先生が震える。
あそこの具合から見て鞭はだめだな。体が完全に拒否してる。
また股間に蝋燭のシーン。
うん、ちょっと濡れて来た。
ぺニバンで突かれるシーンもそれなりに。
「あれ、されたいですか?」
首を横に振る。そうだよなぁと言うか自分からされたいとは言わんよな。
「でもいつかしますからね」
そういうと中に入れている指を締め付けられた。
「それとも今しちゃいましょうか。物は有りますよ」
「いやよ…お願い」
「どうしようかなぁ、柔らかいものと硬いものどっちがいいです?」
「いやって言ってるのに…」
耳元でくすくす笑いながら弄ぶ。
逃げる体を押さえつけつつ。
画面の女が逝くのと同時に先生も逝って、ビデオをとめた。
抱えあげて風呂に連れて行く。
ざっと汗を流すと自分で出来るからと風呂を追い出されてしまった。
苦笑して蝋燭やビニールテープを回収する。
先生が浴衣を着て出てきた。綺麗だな、色っぽい。
キスをするとご飯食べましょといわれた。
「もう一度したくなった」
「だめよ、ご飯の時間よ。座って?」
頭を撫でられてしまって苦笑する。
「そういえばお正月で何キロ増えました?持った感じ3キロってとこに思いますが」
「やぁね、当たりよ、家事しないとすぐに増えちゃうわよねえ」
「というか俺としてないからじゃないですか?」
「それもあるかもしれないわね」
「体脂肪率とか量ってます?」
「あなたとこういう関係になってから体脂肪率減っててるのよね…体重は変わらないの」
「そりゃ筋肉量が増えたんでしょう。筋肉痛になったりしてましたでしょ」
「そうなのかしら」
「明日体重計買いに行きましょう。筋肉量とか骨量とか出るやつ。骨粗鬆症予防にも」
「あら、そんなのあるの?お母さんにいいわね」
「八重子先生なら小魚結構食べてるから大丈夫かもしれませんが」
うーむ、メシがうまい。
ごちそうさま。
先生はあくびをして眠たげだ。疲れちゃったかな?
食べたものの始末をして、先生を引き寄せる。
「もう寝ますか? 疲れたでしょう?」
「食べてすぐ寝たら太っちゃう…」
「大丈夫、痩せさせてさし上げます」
「…すぐそんなこと言うんだから」
抱えあげてベッドに運ぶ。
布団をかけて俺も添い寝を。
「おやすみなさい」
すぐに寝息が聞こえ出した。寝つきが良くていいなぁ。

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158

目覚ましが鳴る。
とめて時間を見れば仕事の用意をせねばならない時間。
布団から出て身支度をする。
先生は、と見れば良く寝ていて起こすのは忍びない。
しかしそのまま出て行けば昨日のようになる?それは困るな。
A4にマジックで仕事と大書する。
脇に、良く寝ているので起こせなかった旨を書き加えて布団の上へ。
食卓の上に、台所にパンがある旨を書き昼までには戻ると書いて出勤した。
さすがに初市、まだ酔ってる気配のやつが多い。
皆で手締めもありお正月気分である。
まあセリ値もそれなりに。
お祝いだからね。
マグロは相変わらず恐ろしい価格がついたが。
皆で乾杯して祝い酒祝い酒。
車の人が飲めないから、正月の喧騒もそこまでじゃなくなったが。
さてさて、お客さんたちにご挨拶をして。
うん、そろそろ客も来なくなってきた。荷物も捌けた。
解散するか。
先生の待つ我が家に帰宅。
あれ?鍵かかってる。開けて中に入るといない…。
え。
逃げられた?
マジか…。
呆然としていると後方からガチャッとドアの開く音。
「あら早かったのね、お帰りなさい」
あー…買物。そうかそういうことか、良かった。
「ちょっと待っててね、お昼にしましょ」
ほっとして着替える。
ああもう、本気で焦った。
手を洗って戻ると、簡単にだけど、とハムエッグとサラダ、トーストが出てきた。
「足りないかしら?」
「いや、足りなきゃ後で何かつまみますよ」
「じゃいただきましょ」
「はい」
うちで支度を長々とすると邪魔されるのを良くわかってきたようだ。
あ、トーストがデニッシュだ。
「ニュースで初市の様子映ってたわよ。今年は山沢さんいないか探しちゃったわ」
「あー俺らのセリ場、テレビ来ないんですよね。大体マグロですよねー」
「すごく高いわよねえ」
「ま、落としたら全国区で宣伝できますから。CM打つより安上がりなんでしょう」
「あら、そうなの?」
「ところで、今日は何時ごろ起きられたんです?」
「8時過ぎかしら。山沢さんがいなくて、吃驚したのよ」
「布団の上に紙、ありましたでしょう?」
「それ見てほっとしたわよ。なんで起こしてくれなかったの?」
「キスしても起きないから仕方なく。
 というか良く寝てるの起こしたくないじゃないですか」
「起こして頂戴。それにお昼まででも寝かせてくれるんでしょう?」
「勿論です。でも起こしたくないなぁ。あなたの寝顔見るの結構好きですし」
「私のこと大事だと思うなら、私のわがままを聞いて頂戴」
「わかりました、これからそうしましょう」
コーヒーを淹れに立った。
先生はまだ食べている。
久しぶりにエスプレッソを入れよう。
「先生、シングルかダブルかどうします?お砂糖とフレッシュは要りましたっけ」
「シングルってどれくらいなの?」
一杯作って渡す。
「これはちょっと少ないわねえ。お砂糖は入れてくれるかしら」
「ラジャ。砂糖はスプーン2杯入れますが」
「1杯でいいわよ。そんなに入れたら甘すぎない?」
「むしろあの砂糖がとけ残るくらいがいいんです」
「抹茶ラテは嫌いなくせに」
そんなことを言ったり言われたりしつつ、コーヒーを飲んでお昼ご飯を終る。
さて、と。
「三越でも行きますか?」
「あら、するんじゃなかったの?もういいの?」
「いやしたいことはしたいですが。呉服とか見たいんじゃないかなと。たしか龍村も」
「いいの?嬉しいわ♪ じゃ着替えてくるわね」
「流石に800万だかの帯は無理ですよ…」
「そんなのどこにしてくのよ~。山沢さんも着替えましょ」
「はい。なに着ましょうかねえ」
「ちりめんの着物作ってなかったかしら。お母さんと縫ってた気がしたんだけど」
「ああ、あります、縞のでしょう?」
「それにこの羽織がいいわ。帯はこれね」
渡されたものを着てゆく。
先生は相変わらず着替えるのはやい。
ちょいちょいと俺の着てるのを直されて、おでかけ。
三越…凄い。人一杯。
先生に先導されて呉服売り場へ。
あれ、意外と人少ないね。
婦人服の毛皮売り場は凄い人だったのになあ。
色々と見て、先生が欲しくなった帯留と羽織の紐、草履をまず購入。
反物を見て、帯を見て。
やはり龍村の帯が気になるご様子。
お茶席向き~な帯。
チャンカイが気になるようで悩んでおられる。
「気に入ったんですか?」
「でも龍村だから高いと思うのよ…」
価格を聞く。あれ、もっと高いと思ってた。
現金で支払う。
「いいの?」
「クリスマス、プレゼントできませんでしたしね」
ふ、と視線を動かすと陰山の七宝華文間道があった。
「先生、これ、俺どうですかね、ほら秋口に着ていたあの着物と」
「あら、いいわね。これ。あわせやすそうよね」
じゃ買っとこう。これは…先生の帯に比べると安かった。
「間道のイメージとは違いますね」
「そうね」
「着物はいいんですか?」
「んー、ピンとくるものがなかったわ」
「じゃ今度どこか行きましょうね」
「そんなに沢山悪いわ」
「お正月ですし、好きな人に贈り物するのに何か不都合でも?」
先生が照れてる。
「あ、そうだ。ちょっと付き合ってください。ジャンバー欲しいんですよ」
そのまますぐ近くのスポーツウェアのエリアに移動する。
コロンビアのジャケットを一枚買うことにした。先生のお見立て。
「格好いいわよ」
と仰るのに気を良くして。
着物で試着は結構難しかった。
「そうだ、夕飯のお買物はされたんですか?」
「してないわ…どうせ作らせてくれないでしょ?」
「よくおわかりで。地下行きましょうね。ああでもその前に」
「その前に?」
「3階行きましょう。先生、ブラのサイズ変わったでしょ」
「なっ、んで知ってるの…」
「触ったカンジと持っておられるブラのサイズが合ってないですもん」
「やだ、もう。いつ見たのよ…」
下着売り場に連れて行き、店員にサイズを言ってお高めのものから出してもらう。
俺はパルファージュとかぺレールが良いんじゃないか、と言ったのだが、
先生は大人し目のブラを選択した。
まあたしかに、そういうのをつける機会が少ないから無難なのがいいんだろうけど。
飛び切り色気のあるものと、先生の決めたのをショーツとともに購入した。
「山沢さん…もうっ。男の人に下着を買わせる女って言う自体恥ずかしいのに」
「あ、そうか。このナリでしたね。忘れてました」
商品を受け取って地下へ行く。
さて、なにを食べたいのかな、先生は。
なだ万かな?
穴子?のちらしが良いらしい。
玉ゐという店の穴子チラシを買った。
俺は今半の牛玉。
ケーキも欲しいというので洋菓子売り場へ。
大変に可愛いケーキに先生が吸い寄せられて、その様子が良かったのもあって購入。
先生にはバッグとケーキ、ご飯を持って貰ってその他の荷物は俺が持ち、帰宅。
普段着に着替えて、ケーキをつつく。
可愛い、おいしいと楽しそうだ。
そういう姿を見ていると幸せな気分になれて少し飢えがおさまる。

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157

パンを台所に持って行ったり、ブランデーを出して氷を出して飲む用意をする。
それから俺も着替えて。横に座ると先生がしなだれかかる。
情人、か。
まったく。捨てられるんじゃないかって思ってるのは俺のほうなのにな。
脱がずに寝巻きだから今晩はもうする気はないようだ。
「今日はもう…できないわ、疲れちゃった」
「へぇ…俺の飢えを埋めてくれる気はない?」
「え、あの、…だめ、むりよ」
くいっと引き寄せて、先生のドキドキして怖がるのを楽しむ。
身を縮めているのが大変に愛らしくて本当に辛そうで。
くすくす笑っていると意地悪となじられる。
「酷いこと、したくなっちゃうな。あなたが可愛すぎて」
「やだ、怖いこといわないで…」
少し飲んで。
「絹、愛してる」
そっと耳元で囁く。
先生が酷く赤面していてかわいくて。
「好きだよ。あなた以外欲しくない」
「か、からかわないで…」
「からかっているように見える?」
あごに手を掛けこちらを向かせ、目を合わせて、問う。
目を伏せた。
「ちゃんと俺を見て」
そぅっとこちらをみた。
「あなたのすべてが欲しい。くれますか」
「……お尻はいや」
っておいっ!
がくーっと来ちゃったぜ。思わず笑ってしまった。
「せんせ、そこはとりあえずハイって言って下さいよ、も~(笑)」
「だってお尻、怖いもの」
はいはい、ブランデー飲んで寝ましょ寝ましょ。
口移しに飲ませて、酔わせて部屋に連れ込む。
ベッドに入れて抱きしめて。
「寝てあげましょう。それがいいんでしょう?おやすみなさい」
ぴったりと俺にくっついて、恐々としている。
「早く寝ないと知りませんよ」
「そんなこと言われたって」
「いっそ一度されてしまいますか?そのほうが脱力できるでしょう。
 ほら。随分と体に力が入ってる」
触れれば息を詰める。
泣きそうな顔をしていて。
ああ、また泣かしてしまうのか。
ふぅっと息をついて。
「ちょっと頭冷やしましょう。シャワー入ってきます。寝るなら先に寝てもいいです」
ベッドから出ようとすると袖を掴まれて。
行かないで、と言うので先生を布団に入れて寝かしつける。
なんで今日はこんなに情緒不安定なのだろう。
激しいこともこれではできない。
参ったなぁ。本当に。
怖がらせ、過ぎたか。
ああやっと寝息になった。俺も寝よう。

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