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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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126

まあ、たかが一週間やそこらだろうといわれそうだが。
週の半分以上顔を見てた相手と会えない声も聞けないのはさびしくて辛い。
今日だって本当は家に連れて帰ってしたかった。
声を我慢させるのはかわいそうで。
でもその姿が欲情をそそる。
寝息に変わってきた。
"お母さん"をしている時の顔と"娘"をしている時の顔、"先生"をしている時の顔。
そして"女"としての顔。
今は私以外には見せていないはずだ。
孝弘さんとはどの程度のことをしていたんだろう。
詮索はしてはいけないが。
今も脱ぐのは恥ずかしげだが、きっと二十の時はもっと恥ずかしがっていたんだろうな。
というか脱げたのだろうか。
あ。まつげが抜けてる。
そっと取ってちり紙に手を伸ばして包む。
「…ん」
おっと起こしてしまったか?
大丈夫だった。
綺麗だなぁ。
肌は普段の手入れだろうけど。
きっと八重子先生も若い頃は綺麗だったのだろうな。
うん?…股間を触られている気がするんだが。
寝息、だよなぁ、これ。無意識、夢の中でしてるつもりなのか?
参ったな、これは怒れんな。
まあこの程度ならいいか。
暫く触り続けられていたがやがて止まった。
夢終了か?
布団から這い出てトイレに行く。
八重子先生に出会った。
ちょっとお部屋に連れて行かれお茶をいただく。
寝る前だからとほうじ茶だった。
トイレで抜くつもりだったのになぁ。
さめるにはもう少し時間が必要だ。
先日乳首を触られたことを思い出してしまった。
このタイミングで思い出すんじゃないよ俺…。
八重子先生の顔を見るのが照れくさい。
「どうしたんだい?顔赤いよ?」
うわっ、頬を触られた。
「……先生。先日私の胸揉んだこと忘れてますよね、今のでわかりました」
とぼけてるのかとも思ってたけど!
「そんなことあったかねえ?」
「私の胸揉んで泣かせたいといって部屋に連れ込んだの先生ですよ」
「えっ?うそだろ?あんたに?」
「ええ、それで着替えて布団敷いたらそのまま先生寝ちゃったんですけどね」
「あらー…それは悪いことしたねえ。ああ、じゃあ」
「うっ」
乳首を掴まれた。
「その続きかと思った?」
「はい」
「されたいかい?」
「…ええと」
「それとも絹にされたい?」
「絶対いやです」
「きっぱり言うね」
「いやです。こればっかりは」
「で?されたいのかねえ」
やっぱりSだ、自分から言わせようとしてるよね。
もう我慢限界だ。きつい。
「すいません、お願いします」
何度か逝かせて貰って落ち着いて、ふらふらと絹先生の寝ている横へ戻って寝た。
夢だったと思うことにしよう。疲れた。

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125

きっと先生のSっぽいのは八重子先生の遺伝だな。
玄関を出ると寒い、そういえば冬将軍が居座ってるとか言ってたな。
来るときは昼だったから暖かかったがもはや夕間暮れ、寒い。
先生がマフラーを貸してくれた。
首もとを暖めると随分違うからと。
暖かくて嬉しい。
気持ちが暖かい。
明日からの仕事がんばろう。
ほんと、好きな人がいないと仕事を続けるのってしんどいんだよなあ。
心の張りというものがやはり必要だ。
明けて月曜仕事は暇で。
作業はあるものの忙しいなんて気分でない。
黙々とこなす。早く終ればそれが睡眠時間の確保になる。
特に明日は早上がりをするのだからちゃんとしておくべきだ。
しっかりこなして夕5時半。帰宅して食事。面倒だな。
羊羹を食べて寝てしまおう。日持ちするから助かる。
翌朝、仕事をして申し訳ないが早帰り、いそいそとお稽古に行く。
「こんにちはー」
「はい、こんにちは」
お稽古をして、すぐ帰ろうとしたら食事を取るように言われた。
どうせまともなもん食ってないからと。大当たりだ。
食事をいただいて、洗い物をして帰った。
やっぱり嬉しいなあ。考えてもらえてるんだな。
寒い外気だが心はぬくい。
一日おきに仕事、稽古と頑張ってこなして土曜日だ。
今日、抱いたら後は会うのは大晦日、抱くのは三ヶ日終るまでお預けか。
きついなあ。
それでも予定があるのだからまだしもだな。
先生も思いは同じなのか、少し激しいのに嫌とは言わない。
私が求めるままに、辛そうな顔をしつつ答えてくれる。
愛おしい。
離し難い。
息を切らせて辛そうな先生を上に乗せ背中を撫でる。
「…まだ、…物足りないんでしょ…?」
「これ以上したら、あなたを壊してしまう…だからいいんです」
「壊れても」
「だめです」
困ったような顔をしている。
「そんな顔をしないで…私は大丈夫ですから。
 あなたの今日の、そう思ってくれた、その心が嬉しい」
これを燃料に大晦日まで頑張ろうじゃないか。
キスをして、背中を撫でて寝かしつける。

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124

「暴れられたことあるの?」
「ええ、小学校の頃に」
あぶなく薮蛇のところだった。
時計が鳴る。
「あ、もうこんな時間だ。
 友達と出てくるから今日は遅くなるよ。僕の分のご飯は要らないから」
「はいはい、気をつけて行ってらっしゃい」
律君が外出し八重子先生が後ろを向いた隙に絹先生にキス。
赤面する先生、可愛い。
それを見た八重子先生に額を叩かれる。バレた。
「ほんとあんたお稽古のときとは別人だねえ」
「そうですか?」
「堅物の優しげな、と思ってたからねえ」
「すいません、実際はこんなんです」
「意外と怖いわよね」
「山沢さんの怖いのなんて想像できないけどねえ」
「だって八重子先生、私が怒るようなことされませんし」
「私にだけ酷いの?」
「会社で本気で怒れば手が出ますからね」
「うそ…」
「最近はほぼしてませんが…」
「山沢さんのその手で殴られたら痛いだろうねえ。絹が女だから殴らない?」
「好きな人を殴る趣味も持ち合わせておりません」
あ、また頬染めてる。
怒ってるかと思えば照れたりと。可愛いなあ、うん。
「あら?前に叩きたいとか言ってなかったかしら」
「なんでそれ今思い出すんですか…」
「どういうことだい」
「あーえーと…私ちょっとS入ってるので、そっちです…」
「ああ、鞭とか?TVでやってるような?」
「端的に言うとそれですが、まあそのー傷つけるのは別に趣味じゃないんで
 お仕置きするようなことがあればーみたいな…」
「ああそれじゃいつか叩かれるんだろうねえ」
「いやいや、できればやらないでやってとか言うところじゃないんですか、そこは」
「まあ山沢さんのことだから。
 うちのことやらお稽古に差しさわりがあるようにはしないだろ」
「お母さん、もうっ。なんで怒らせるの前提なのよ」
「これまで何度も怒らせてるじゃないの、あんた」
「それは…そうだけど…」
八重子先生に頭を撫でられた、と思ったら掴まれて上向かされた。
「でも山沢さんちょっとMなところもあるよねえ」
「え…」
「あるわよねえ」
「いやまあ、ありますけどね…」
だからって髪をつかまないで欲しいなあ。
というと頬をつかまれた。
「いや、ですから掴まんで下さいよ…」
絹先生もくすくす笑っている。
ったく。
「さてと。あんたそろそろ帰る時間だろ?」
ああ、もうそんな時間か。
「ええ、ですが明日も仕事かと思うとげんなりしますね…」
「来週一杯は絹に会えるんだから頑張りな、それとも絹をつれて帰るかい?」
「いやそれはさすがに結構ですから」
それでは、と帰ることにした。

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123

うとうとしていると懐の中から寝息。つられて熟睡。
翌朝。
と言うか10時過ぎていた。
律君には八重子先生がうまく理由を作って説明してくれて助かった。
ただし叱られた。
二人雁首そろえて。
せめて律君の起き出す時間までに起きてくるようにと。
八重子先生に謝って絹先生にも謝った。
簡単に許してはいただけたが申し訳ないと思う。
まさかこんな時間まで俺も先生も起きないとは思わなかった。
絹先生のお腹が鳴った。八重子先生が苦笑する。
お昼ご飯の用意を手伝って、食事を取った。
「あんた来週からお稽古の後すぐ帰るんだろ?」
「そうなりますね。睡眠時間の問題で」
「始発が有ればいいのにねえ、うちに泊まっていけるのに」
「こういうときは一般のサラリーマンがうらやましいですね」
「お稽古は来れるんだろ?」
「来週は大丈夫です」
その代わり水曜も仕事だし日曜も昼からは仕事だ。
「じゃ、次の日曜は絹に濃茶を練っててもらうといい。濃いのをね」
「眠気防止ですか」
むしろ仕事中に飲みたい。
「前にお母さんが点ててくれたの、すっごく濃くてむせたことあるけどあんなやつ?」
「あら。受験前の?あれはまだ緩いほうよ?」
ぱっと八重子先生が台所に立ち、暫くして戻ってきた。
手に茶碗を持って。
「律、あんたちょっとこれ飲んでみなさい」
「ええー、なにこれ。こんなに濃いの?」
おお、おいしそう。
律君は一口舐めて凄く微妙な顔をしてすぐに普通のお茶を飲んでいる。
口をつけたところを八重子先生が拭いてくれて私へ。
「飲みきっちゃっていいですか?」
「絹も飲むかい?」
「私はいいわ」
じゃあ、とすべて飲み、吸い切る。
甘くて美味しい。
「練り加減はどうだったかねえ」
「凄く美味しいです、甘かったんですがこれはどちらのお茶ですか?」
「"慶知の昔"だよ」
「小山園ですか。うちにもあそこのお茶を冷凍庫に入れてますが精々"青嵐"です」
律君が挙動不審だ。
「薄茶用だろあれは。濃茶にしても美味しくないだろうに」
「苦味が立ちまして眠気払いですね。それにうちだとステンレスヤカンの湯ですし」
「ああ、これ一応鉄瓶の湯だからねえ」
「そんなに味違うの?」
「釜の湯のほうがやわらかいですよねえ」
「そうだねえ」
「そうよねえ」
「あと炭の方が美味しいです。なんとなくかもしれませんが」
「ああ、それはそうだね、なんでかねえ、あれは」
「ふーん」
「律君はお茶はする気はない?」
「この子正座も長く出来ないのよ」
「ああ、そうか正座する習慣がないとそうですよね」
今も胡坐だもんな。
「山沢さんは長い正座、平気よねえ。
 上に座っても1時間くらい痺れたとも言わないもの」
「…山沢さん、よく大丈夫ですね。母、結構重いでしょう?」
「はは、仕事で60キロなんか毎日運んでるからね、絹先生くらい軽い軽い」
「あらあら、だから筋肉質なのねえ」
「律の方が腕でも細いんじゃないかねえ」
「ほんとだ…」
「いや、若い男の子って結構細いですよ。
 特に律君は腕力使うようなことあまりないでしょうし」
「でも彼女出来たらお姫様抱っこくらい出来なきゃ駄目よぉ?」
確かに女の子を柔道の肩車のように持つのはお勧めしない。
「あれはむしろ抱っこされる側が協力的かどうかだと…暴れられると無理です」

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122

土曜の夜。
「来週。火曜日は泊まれませんから…土曜日の晩は覚悟してくださいね」
先生の耳元で囁くと、怖がられてしまった。
「そう怖がらないで…可愛すぎてまたしたくなる」
「だって…今でも凄いのに…」
「それと、23日から30日。来れませんから。電話は無理だと思いますけど、
 メールくらいなら出来ますから、携帯、見てくださいね」
「どうして?会いにきてくれないの?会いに行っても駄目かしら」
「そのころはほぼ会社でぶっ倒れて寝てますしね、会える感じじゃない筈です」
「あら、大変なのねえ」
「そのかわり年明けはよろしくお願いします」
「……すごく激しいんじゃない?」
「かもしれません」
先生は困った表情だ。
「したくない? そうならそういってください」
「あ…拗ねないで、そうじゃなくて。その…お正月だとみんないるから」
「ああ。そうか、聞こえたり見られたりしたら一大事だ…失念するところでした」
「お母さんならまだいいけど…他の人だったら…」
「八重子先生でも良くないですよねえ」
うーん弱った、絶対抱きたくなる。
「三が日。終ったらうち来てくれませんか?」
「我慢できるの?」
「がんばります…できるだけ」
「ごめんなさいね…」
駄目だ可愛い。
「もう一回しても良いかな」
「えっ」
「駄目?」
「明日立てなくなっちゃうわ…」
「八重子先生には俺が怒られますから」
「駄目よ、山沢さんのおうちじゃないのよ、お父さんも律も居るんだから」
「ほんと俺って考えなしですね…思ったことすぐ口にしてしまう」
「山沢さんのそう言うところ、可愛いわ」
「でもあなたを困らせてる」
先生から軽くキスされる。
「それだけ…山沢さんが私を好きってことでしょ?嬉しいからいいわよ」
しっかり抱きしめると、息がしにくいと叱られた。
「そろそろ寝ましょ?もう3時よ」
もうそんな時間か。腹が鳴った。
「あらあら。何か食べる?」
「いや、ああ、そうだ」
たしか鞄の中に一口羊羹がある、あれでいい。
鞄を漁って放り込み、噛まずにお茶で飲み込む。
「やぁねえ、そんな食べ方だめよ」
噛むと虫歯の原因の砂糖が残るからわざわざ歯を磨きに立たねばならない。
すぐに布団の中にもぐって先生の体にくっついた。
んー、あったかいなあ。気持ちのいい肌。このさわり心地の良さ。
撫でて匂いを嗅いで舐める。
先生がくすくす笑う。あくび。
「おやすみなさい」
「はい。おやすみなさい」

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