腹鳴ってるの聞こえてたのね。
タクシーでホテルまで。
レストランへエスコートしてステーキでランチ。
「なんとなく和食のイメージだったんですが」
「たまにはいいじゃないの」
うまいなー肉。先生も美味しそうに食べていて、なんか嬉しい気分だ。
結構健啖家だよね。
ごちそうさまをして、一度連れ帰る。
「おいしかったわぁ」
「ですねー」
お茶を入れて、落ち着いて。
「そろそろ帰りますか?」
「どうして?」
「ここにいたらしちゃいそうですし。明日また立てなくなりますよ?」
「あら、それは困るわねえ」
「立てなくしてずっとうちにいてもらうのもいいですけどね」
「怒られちゃうわよ?」
「私が怒られるだけなら別にいいんですけど。先生も怒られちゃいますね」
「そうねえ、よく言われるもの」
「それは申し訳ないことを」
「激しすぎるのよね、山沢さんの」
「飢えてますからねー」
「えっちなことに?」
「あなたに」
「一緒に居るのに?」
「もっと触れて居たいし、抱いても居たいし声も聞きたいですよ」
「若いわねえ」
「膝の上、来てくださいよ」
「駄目、帰るわ」
道行を着て、私のナリを見る。
ちょいちょいと直されて羽織を着せられた。
「家まで一緒に来てくれるのかしら」
「当然ですよ」
キスをしてくれた。嬉しい。
部屋を出て、電車に乗る。
道中、そっと私の手を握っていてくれて周囲に聞こえない程度に会話を交わす。
最寄り駅についてタクシーに乗る。
バスでもいいんだけど二人だと大して変わらない。
とはいえ、誰に見られるかわからないから手を握る以上は出来ないが。
お宅の前について、手を引いて家の中へ。
「ただいま」
「お邪魔します」
「あら、あんたら早かったね。夜になるかと思ってたのに」
「いやぁ、夜までじゃ先生の体力が」
って頭叩かれた。
着替えてくるといって席をはずされた。
「八重子先生も一緒に飲まれませんか?この間のお酒」
「そうだね、明日はお稽古もないしそうしようかね」
「じゃどれがいいですかね。大辛口とか?」
「鶴齢持ってきて」
おや、もう着替えたのか。