忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

120

「天神囃子もいいですか?」
「いいわよ」
日本酒ケースに積まれて居る中から捜索。
鶴齢と天神囃子の二本と、うちからもってきたぐい飲みを持って居間に戻る。
八重子先生が台所からおつまみになるものを持ってきてくれた。
絹先生が燗鍋を出してきて鶴齢の御燗をつける。
つくまでの間ぐい飲みに直接注ぎ乾杯。
少しほろ酔いになった頃、晩御飯はお鮨を取るという話に。
俺は玉子のみで頼んだ。
「魚いらないのかい?」
「実は魚好きじゃないんです…」
「あらそうだったの?魚屋さんなのに変ねえ」
笑われつつもお鮨が取られて、律君と孝弘さんを呼んで晩御飯。
「はい、山沢さん」
と玉子を取ってくれる絹先生に律君。
「お母さん、山沢さんにも魚とってあげたら?」
苦笑。
「山沢さんは玉子がいいのよ。ねえ山沢さん」
「ええ。玉子がいいんです」
「遠慮してるんじゃ…」
「してるの?」
「してませんよ」
「ですってよ」
孝弘さんが勢いよく食べてる。
やっぱりこの家は食費が凄いだろうな。
食べてしまうと孝弘さんはすぐに部屋に戻ってしまう。
律君にも飲ませてしまえ。
「いや明日学校あるんで…」
とそんなに飲まないうちに退散されてしまった。
先生方に飲ませて、飲ませて、飲ませる。
絹先生はべったりと俺にくっついてキスしてきた。
八重子先生はにこやかに見ている。
いいんだろうかこの状況。
酔っ払いだから仕方ないのか。
あ、寝息。寝ちゃったか。とりあえず横に転がしておこう。
「先生の部屋に布団していきますね」
「はいはい」
布団を敷いて、先生を回収して寝かせる。
戻って八重子先生と更に酌み交わす。
「随分あんたには素だねえ、絹も」
「そのようで嬉しいです」
「結構あんたを困らせてるんじゃないのかい?」
「ええと、まあそういうこともありますが。我侭いわれたりとかも楽しい時期なので」
「じゃもうすぐしたら呆れる時期かねえ」
「どうでしょうね。八重子先生にはご心労おかけして申し訳ないと思ってます」
「いや別に良いんだけどね」
「やっぱり末っ子なんだなあと思うことはありますよ」
「まあねえ、しかも実家暮らしだからねえ」
「ま、その私も末っ子なわけですが」
「だと思ったよ」
「わかりますか?」
「わかるよ、結構甘えたいほうだろ、山沢さんも」
あ、頭撫でられた。
「絹には甘えにくいなら…」

拍手[1回]

PR