夜半、いつも起きるような時間に目が覚めトイレに立つ。
戻ると部屋に先生がいた。
またか。
追い返すのもなぁ。
布団に入れて、懐に抱く。
「…迷惑だったかしら」
「そんな顔してましたか?」
「ええ」
「このまま抱けるならね、凄く嬉しいんですけどね。抱けないのでちょっと苦しいなと」
「あら…」
あ、耳まで赤くなった。
「まあ、我慢します。ここが落ち着くってならここで寝てください」
「…落ち着かなくなっちゃったじゃないの」
背中を撫でる。ゆっくり、優しく。
「ん、だめ…」
落ち着かそうと思ったが煽ってしまったか。
すっと先生の手が私の胸の合わせを割り開く。
「どうしました?」
ぴとっと先生が私の胸に耳をつける。
ああ、あれか、心音を聞くのか。
落ち着きたいんだな。
「山沢さん、いつも早いわよね…」
あなたとくっついてる所為もありますがね。
先生の背を撫でつつ自分も落ち着くべく努力する。
「ねぇ、明日年始まわり行くけど…あなた、一緒に来る?」
「お茶関係ですか。それなら」
「親戚も回るわよ?」
「表でお待ちしてますよ」
「寒いのにいいの?」
「あなたのいない家で孝弘さんと待つんですか?一分一秒でもあなたのそばがいいのに」
「山沢さん、可愛いこと言うのね」
「ガキっぽくてすみません」
「あら、嬉しいわよ」
「そうですか?」
先生からキスをされて。
私の胸に手が這う。
煽って楽しんでるな?されないと思って。
くるり、と組み敷く。
「あっ…」
「抱いてもいいんですよ、今」
耳を舐める。
「だめ、やめて…」
「スリル、あるでしょう?」
先生の頬が赤く染まって、衿から覗く胸の辺りもほの赤い。
きゅっと身を縮めるさまは愛らしくて、少し淫靡で。
生唾を飲み込んでしまう。
「ゆるして…お願い」
息をたっぷり吸って、吐いて。横にごろりと転がる。
「仕方ないな。おいで、寝ますよ」
先生はそろりと私の腕枕におさまって目をつぶっている。
可愛いな。本当に。
髪を撫でて、腕を撫でているうちにうとうととしてきた。
もう一眠りしよう。
「ごめん、ね」
先生がつぶやいた。
「いいんですよ。愛してます」
「ありがとう…」
そのまま眠りに落ちて行かれた。相変わらず寝るとなると早いな。
俺も寝よう。