忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

171

朝、出勤前。
良く寝ている先生を起こさずにと思ったが起こさないと怒ることを思い出した。
なので揺り起こし、行ってきますというと、はいとだけ返った。
すぐに寝息。
お疲れだなぁ…俺のせいだけどさ。
とりあえず食卓に置手紙だ。
ええと…帰るなら俺が帰る前に帰らないと帰せなくなる可能性。
帰らないなら、もし作ってくれるなら…と言う前置きで、
お昼にホウレン草のおひたしを食べたい旨を書いた。
出勤。仕事。今日はそれなりに入荷が多くそれなりに売れた。
一服しているとメール。
白身の魚持って帰ってきて欲しいようだ。
何にするのだろう。うち用か先生のお宅用か。と返信する。
どうやらうち用でムニエルにしたいらしい。
うーん。何もって帰ろうかな。
っとタラの半身が余ってる?よしそれにしよう。
ついでだからと切り身にしてもらった。
荷合せ入出庫を終えて帰宅。
「ただいま戻りました」
「お帰りなさい」
「はい、魚。タラにしました」
「あら沢山ねえ。着替えて手を洗ってきてね」
「はい」
先生がいそいそと食事の支度をしているのが可愛くて嬉しくて。
しかしムニエルとおひたしは合うのだろうか。
あ。洗濯籠の服がない。
しまった。またパンツ洗われてしまった。
着替えてベランダを見れば先生の湯文字も干されている。
ああ、ちゃんと陰干しだ。主婦だなぁと実感する。
ただ不思議なのは"男の世話を焼く女"ではなく"母親の仕事"を感じるのである。
普段の作業のついでに洗いました感。
ああ、バターのいい匂いがたまらんなあ。
そういえば先生は俺の家を掃除してくれたりするのだが絶対に納戸はしない。
掃除機の出し入れで入るのもちょっと嫌なのだそうだ。
多分最初に入ったときに見たのが巨大ディルドだったからだな。
あれはネタで、普段は仕舞ってあるのに。
ってこないだは蝋燭が置いてあるのを見て焦ったとか言ってた。
使っちゃったけど。
「出来たわよ」
というのでご飯をよそって配膳。
おお、うまそう。
食べ始めてから聞いた。
「先生。帰らなくて良かったんですか?」
「これ食べたら帰ろうかしらね」
「帰したくないなぁ」
「いい加減帰らないと叱られちゃうわ」
「ですよねえ。あれ?でも湯文字乾くまで帰れないんじゃ…」
「あら、ここに置いていくわよ。どうせまた泊まるんだし」
「さいですか」
うまうまと食事をいただいて満腹に。
台所に出して、それから先生にキスした。
「なぁに?」
「帰る前にしましょうよ」
「だめよ、帰さないつもりでしょ?」
「わかりますか」
胸に手を這わせる。
「もう…だめよ。帰るわ」
「残念だな。本当に帰っちゃうんですか?」
そういってお尻を撫でる。
あ、我慢してる。可愛いな。
もう一度キスすると私の腕をぎゅっと握る。
離すと額をピシャリと叩かれた。
「もうっ、帰るって言ってるでしょ」
「本当に?」
「憐れそうな顔をしないの。土曜日にいらっしゃい」
「うー。わかりましたっ、今日のところは諦めました。土曜日、行きますから」
お昼間と言うこともありおうちまで送らなくても良いという。
電車で帰られるのを泣く泣く見送り、一人、自宅。
ふと思い出して探る。よし、あった、これは見つからなかったようだ。
もう一度隠しこみ、台所を片付けて少し寝た。

拍手[1回]

PR