忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

178

明けて6時半。
昨日そんなに疲れさせてないのでお休みの日としては、
まぁまぁ良い時間に目が覚めたようだ。
「おはよう」
「おはようございます」
もう少しこうしていたいなぁと思うが二度寝しそうだ。
起きて身づくろいをして朝飯をつくりに台所に行く。
お味噌汁お味噌汁。
今日は何を作る?
茗荷と茄子か。
俺が魚を焼いてる間に先生は俺の分の肉野菜を炒めてくれている。
今日はカレー風味か。
この間はトマト風味だった。ちょっとアレは微妙だったな。
あったかいトマトは。
ご飯が炊けた頃、律君と司ちゃんが起きてきて、律君に孝弘さんを呼んでもらった。
司ちゃんと先生が配膳する。
「あれ…?」
「どうしたの司ちゃん」
「このお味噌汁、具が入ってないけど」
「それは山沢さんのなのよ」
「え、具なし?」
「そうなのよ。あ、その野菜炒めも」
「もしかして凄い偏食…」
「ああ、山沢さんって凄く好き嫌い多いよね」
「そうなのよ、子供みたいでしょ」
「はいはい、子供みたいなやつですよ、と。はい、お茶碗」
カレー風味の肉野菜炒めは美味しいんだが、しかしちょっと量が多い。
孝弘さんが欲しそうなので少し差し上げて完食。
律君たちはこれから遊びに行くそうである。
食器を洗って、台所を片付けた。
居間に戻ると八重子先生がお茶を入れてくれる。
うまいなぁ。
「あ、そうそう」
先生がどこかへ行った。
しばらくしてアルバムを持って戻ってきた。
「前に見せるって言ってたでしょ」
結婚してからのアルバムなら探さなくてもあるから、と。
おお若い。可愛い。綺麗。
「これが孝弘さんの若い頃」
「随分人相変わられましたねぇ…」
「ほら、ここにお父さんとお母さんが写ってる」
「仲良さげでいいですね」
「もうこの頃は随分悪かったのよね?」
「そうだねえ、お薬いただいてたねえ」
「一度お会いしたかったなぁ、生きておられる間に」
「気配はたまに感じるのよ…」
「そうだねえ、夢に出てきたりするね」
いくつか焼き増しして欲しい写真が出てきてお願いする。
ネガが出てきたら、と言ってもらえた。
会えないときには見たいからと。
「山沢さんはアルバムはないの?」
「独り身だと写真って撮らないものですよ。二十歳以降と言うと4,5枚かな」
「えぇ?そうなの?」
「はい。他だとここの初釜や茶会で撮ってる写真くらいじゃないですかね」
「じゃ、写真撮ってあげるわ、折々に」
「別にいいですよ…」
「もっと若い頃の写真ならあるの?今度見せて頂戴よ」
「あー京都の自宅にあったかな。卒アルとか…」
「私も見たいねぇ山沢さんの若い頃」
「ああ、今度京都いったら探しておきますよ」

拍手[1回]

PR