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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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18

数日後、会社の関係である芝居のチケットを入手した。
さてこれはどうしてくれよう…。
大先生の趣味なら譲っても良いな。
次の稽古のときにでも渡すか。

そして次のお稽古日…。
「お邪魔しまーす!」
早くついたから稽古場の用意をする。
「あれ、早かったね」
八重子先生だ。ご挨拶して芝居のチケットの話をする。
残念ながら趣味ではなさそうだ。
どうやら絹先生は趣味の様子、あんたら二人で行っといで、と言われた。
昼の部と夜の部のどちらが良いだろう。
翌日休みだからどちらでもいける。
夜のほうが気楽かな?芝居の前に喫茶店入って、見て、それからメシ。
「遅くなってもよければ3時始まりの部でどうですか?
 11時始まりだと食事時間が微妙ですよね?」
3時間から3時間半くらいはあるだろう。
あ……
「八重子先生。芝居の後、絹先生を食事にお誘いしても?」
「行っといで行っといで」
ケテーイ。
どこ行こうかな、メシ…。
「絹先生、食事、何かご希望はあります?
 懐石が良いとかイタリアンが良いとかステーキ食べたいとかでも結構ですが」
料亭もあの辺りならあるし、ホテル飯もできるし…。
「そうねえ、考えとくわね」
まだ日、あるしね、それでいいか。
他の人が来た。この話は打ち切り、お稽古の用意、用意。
今日は小習事復習日。さて何を振られるか…。
「山沢さんは台天目と貴人ね」
あっ、やられた、油滴と曜変が用意されてた。うぅ…。
キモい…。できるだけ直視しないように半眼でやってると叱られた。
他の方に、台天目と貴人の違いを教えておられる。
台天目は茶碗が主眼、相手は地下でも貴族でも良い。
貴人は客が主眼、高位の人をもてなすときのやり方だ。大抵茶碗は白。
ちなみに台天目は小習ではないが、違いを教えるためのチョイスだろう。
嫌がらせでは有るまい、と思いたい。
他の方は茶入荘、茶碗荘、茶杓荘などなど。
なんだかんだ稽古時間はすぐに過ぎ去る。
茶碗を丁寧にとっとと片付ける。見たくない見たくない。
水屋の片付けもして、終了。解散。

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