「わかったわ…」
「だったら手を離しておとなしく俺に抱かれてくださいよ。ね?」
こんなになってるて癖に、とか言ってそこを触って離そうとしない。
先生の携帯が鳴る。
「電話、出て」
「いや」
止んだ。うちの電話が鳴る。
先生の腕を外して電話に出た。八重子先生だ。
絹にかわって、と言うのでかわる。
途中から不機嫌そうな顔が嬉しそうな顔に変わった。
どうしたのだろう。
電話を持ったままくるっと振り向いた。
「ね、今から帰ってもいいかしら。昔のお友達が来てくれたみたいなの」
「ああ、はい。お送りしましょう」
電話に戻って今から帰るから、お友達を泊めるように言っている。
俺は服を着なおして、先生の着替えの用意を整えた。
終ったようなので着付けを手伝い、車に乗せて先生のお宅へ連れ帰った。
車から降ろして直ぐ帰ろうとすると引き止められたが、先生のお友達に会ってもね。
そんなわけで帰宅して、就寝。
翌日仕事して、昼寝して飯食ってまた寝て、火曜日。
仕事から帰宅して風呂、着替えて先生のお宅へ。
久々のお稽古だ。
初釜にこられなかった方もいらっしゃるので新春らしく茶会風味に。
これが木曜と土曜日にもあるんだな。
今日はそういうわけでいつもより早く終ってゆっくりと夕飯の支度まで暇が有る。
「この間は送ってくれて助かったわ。今朝までいたのよ」
「ああ、お友達でしたっけ」
「そうなの、あなたの話をしたわよ、吃驚してた」
「え?どこまで話したんですか…」
「どこって、その…させてくれないところまで」
「それはかなり驚くかと…と言うかなんでそんなところまで話したんですか」
「だってこんなこと他の人に相談できないもの」
「ん?八重子先生には」
「言えるわけないじゃないの」
「そういうもんですか」
「でね、相談したんだけど」
「ええ」
「今日、うちでする時に無理やり襲っちゃいなさいって言われたんだけど。どう?」
「むりや…ええと。それくらいなら今からホテル、行きましょう。
うちまで行ってここに戻るには時間がかかりすぎますから」
さすがに八重子先生乱入してきそうで怖いよ、この家でされるのは。
さっと立って八重子先生を探して、夜までには戻ると告げて先生を引っ張り出した。
「ちょっと、ちょっとまって頂戴よ、ホテルって、ちょっと」
車に乗せて、近場のファッションホテルへ突入、先生の手を引っ張って部屋に入った。
うーん、こういうところ入るの久しぶりすぎて。
てかカラオケが有るんだな、今の。
とりあえず脱ぐか。