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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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208

このお稽古で正月気分は終了、と言うところだ。
お弟子さんたちを見送り、晩の支度をするにはまだ間がある。
座ってゆっくりしていると先生が膝枕を求めた。
どうぞ、と膝を貸してテレビを見る。
先生はうつらうつらとしていたがいつしか寝息に変わった。
八重子先生がぱさり、と羽織物をかけてゆったりと時間が過ぎる。
律君が帰ってきてその様子に少し驚いたようだ。
今日は早く終ったらしい。
八重子先生が生菓子が残っているといってお茶を煎れた。
珍しいね、と律君が言う。
こんなところで寝ているのが?それとも膝枕がだろうか。
目を落とすとほつれた髪が口に入りそうだ。
よけてなでつける。
かわいいなぁ。
無防備に身体を預けられるのは気分のいいものだ。
しばらくして目が覚めた。
「あら、律。帰ってたの?」
「だって雪になるって言ってたから」
ふと外を見れば確かに落ちてきている。
道理で寒いはずだ。
もぞもぞと半身を起こして私の胸に身体を預ける。
まだ寝ているな、これは。
ぼうっとしているもんな。
5分ほどそんな状態ではっとした気配。
あ、中身も起きた(笑)
先生は慌てて離れて台所へ逃げて行った。
八重子先生と目を合わせて笑う。
「晩御飯の用意、手伝ってきますね」
そういって台所に追いかけると隅で顔を赤くしている。
「何します? 晩御飯。ほら、そこ寒いでしょう、こっち来ないと」
隅から引き出して軽く腕にキス。
「さっき抱きたくなりましたよ…ふふ、律君もいたのに」
「ダメよ…」
「何食べましょうかね、お鍋でもしますか? 丁度ふぐ持ってきましたし」
「あら、いいわねえ。お野菜とかあったかしら」
冷蔵庫を見ていくつか足りないものを書き出してもらい買いに出る。
野菜類と、俺のための肉少々(焼)
うへぇ、寒い。
さっさと買物を過ごして戻り、野菜を洗って切る。
鍋に出汁を張って火の通りにくいものから投入される。
火を通す間に俺の分の肉が焼かれ、皿に取った。
鍋が食卓へ。
ふぐを皆が食べる間に俺は鍋から野菜を取り、肉と食べる。
別に苦手じゃないけれど、ふぐ。
そうして雑炊。
俺はご飯を食べているのに雑炊もいただくことになってしまった。
食べ過ぎた。お腹一杯だ。
鍋の中身は綺麗さっぱり孝弘さんが始末して、先生が台所へ。
洗い物をして居間に戻りお茶を一服。
団欒。

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