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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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うなじが赤く染まってて色っぽくて。
可愛いな。
ではそろそろ、と退去の時刻。
買物に行くという先生とともに玄関を出る。
スーパーまで同道してまた明日、と別れて帰宅した。
翌日、仕事が終る直前先生から電話をいただく。
行きがけに一人拾ってきて欲しいとのことだ。
この雪ではね。
場所を聞けば拾える場所では有る。
服装などを聞いて電話を切り、帰宅して着替えて車に乗り込む。
相手の会社の前に乗り付けて暫く待てばそれらしき服装の女性が出てきた。
降りて問えばやはりその人で、座席に乗せると先生とはどういう、と聞かれてしまった。
仲の良い弟子、と答えたが男のお弟子さんが迎えに来られると思ってなくて、と言う。
「はは、私、女ですよ。男装しているだけです。だからそう硬くならずとも」
「えぇっそうなんですか? やだ、ごめんなさい」
「そりゃこんな格好ですからね。てっきり先生から聞いてるものと」
「弟子を迎えに、としか仰ってなかったので…」
あはは、と笑って車を走らせる。
先生のお宅にたどり着いて、引き渡して。
水屋の準備にかかる。
「雪道をわざわざご苦労さんだったねえ」
「あ、八重子先生、こんにちは。まだ積もってなくてよかったですよ」
「今晩積もるって言ってたから電車で帰ったほうがいいんじゃないかねえ」
「電車が止まるんじゃないでしょうか。チェーンつんでますから。つけて帰ります」
「律につけるの手伝わせるよ。慣れてるからね」
「そりゃ助かります、あの辺つけるほど降らないから慣れてないんですよね」
「結構降ってきたねぇ…土曜日なら泊まっていったら済むのにねえ」
「ですねぇ…」
そういってる間にお弟子さんが来だして、八重子先生が相手をする。
お稽古の用意も整い、先生が戻って八重子先生と交代。
さあ、お稽古だ。
雪でこられない方が出て、その合間合間に私の稽古をつけてくださる。
そうなると"優しい絹先生"は"山沢さんにはとても厳しい"ということが
他のお弟子さんにわかってしまう結果となる。
あまりいいことじゃない気がするんだけど。
贔屓じゃないか、と言う噂にならないのが不思議だ。
有るお弟子さん曰く。
「あなたにだけ優しいなら贔屓に見えるけど逆じゃねぇ。むしろ可哀想かも」
ということらしい。そんなに怖いんだろうか。
最終のお弟子さんがお稽古を終られて円草再び。
八重子先生と二人がかりで見てもらえば、あれ忘れてるこれ忘れてると厳しい。
色々と直されて少し落ち込んだら、後で先生に頭を撫でてもらった。
水屋を片付けて律君にチェーンつけるのを手伝ってもらって、
手を洗っておにぎりを貰って帰路に着いた。
途中で渋滞には待っておなかすいたらいけないから、と握ってくださった。
お漬物がついていて、嬉しい。
外は寒いのにおなかの中が温まる。
ナビが言う道を走るがやはりチェーンをつけてない車による事故で少し帰宅が遅れた。
おにぎりをいただいていてよかったと思う。
軽く食事を取って風呂で温まり、そして就寝。

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