律君が手を洗ってきて、孝弘さんを呼びに行く間に配膳する。
うまそうだな。
先生は胡麻和えを俺の分だけ先に小鉢にとってくれる。
最低これだけは食え、と言うことだ。
小鉢から先に頂き、青椒肉絲を食べる。合間に更に胡麻和えを。
美味しくいただいてご馳走様を言い片付ける。
洗い物を終えて居間に戻り団欒に混ぜてもらった。
テレビを見ているうちに先生が思い出した。
「ねえ山沢さん、明日浴衣縫わない?寝るときの」
「あ、いいですね。でも反物がないですよ」
「買いに行きましょうよ。律もいる?」
「えっいらない、僕はパジャマでいいよ」
「そう?」
お風呂を沸かして順番に入り、各々部屋へ。
先生方と一緒にしばしおしゃべりをして、そろそろ寝る時間だ。
昼、楽しんだのでスキンシップの範囲でいい。
懐に抱いて、キスして撫でる。
先生もそれくらいで良いようだ。
息も穏やかだし、鼓動も早くはない。
先生がうつらうつらして、そのまま一緒に寝た。
翌朝、すっきりと目が覚めるもやはり寒い。
布団から出たくない。
と言えば私も、と先生が言い顔を見合わせて笑う。
時間も時間、あきらめて布団から出た。
最近先生は俺の部屋である程度身づくろいをする。
暖房を入れてない部屋で着替える気にはなれないよね。
俺の支度は手早いのでとっとと台所へ行き、朝食の支度にかかる。
というか寒いのには慣れている。
八重子先生も出てきて、お味噌汁や玉子巻を作ってもらった。
先生は居間に暖房を入れ、食卓を拭いたりお茶碗をだしたりしている。
律君が起きてきて、孝弘さんを呼びに行った。
てきぱきと配膳されている。
「お父さん、部屋で食べるって」
「じゃ持ってって頂戴ね」
お盆に孝弘さんの分載せて、渡す。
「あ、先生、味噌汁」
「あら、そうそう、やあね」
先生の分を孝弘さんに回されて、律君が運んでゆく。
俺は台所へ行き、孝弘さんの汁碗に味噌汁をついで先生の前へ置いた。
お二人とも変な顔をされる。
「なにか?」
「いやなんでもないよ」
律君が戻ってきて朝食を取る。
やっぱりうまいな。
和食の朝食はなんかいいよね。
お漬物で〆て洗い物に立つ。