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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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半分ほどつけた頃、先生がそろそろご飯にするわよ、とおっしゃった。
切りの良いところで針を止め、少し片す。
待ち針の数を数え、ちゃんと有ることを確かめてから食卓についた。
孝弘さんも美味しそうにご飯を食べている。
律君はもう食べ終わったようだ。
俺と孝弘さんが食べてる姿を見て、先生はにこにこしている。
律君は課題残ってるからと部屋に戻ってしまった。
食後片付けに立とうとしたらとどめられて残りを縫う。
やっと縫えた頃には夜も10時。
寝ましょ、と誘われた。
針を数えてちゃんと有ることを確認して針箱を仕舞う。
身体がきしむなぁ、流石に。
「随分手が早くなったわよね」
「そうですかねぇ」
「最初の頃は背縫いだけで半日つぶれてたじゃない」
「もう少し早くなりたいですね。先生は早い、うらやましいです」
「お母さんはもっと早かったわよ」
そんな会話をして寝間に入る。
着替えて布団を敷き先生が髪を解くのを待つ。
後ろからそっと胸に触れる。
くすっと先生が笑う。
「昨日したのにまたしたいの?」
「明日の朝からあちらでたっぷりのほうがいいですか?」
「疲れてるくせに」
「疲れてるから、ですよ」
「今日は寝なさい。明日お昼からならいいわよ」
では、と布団の中へもぐりこむ。
頭を撫でられてキスされて。
たまに子ども扱いをしたくなるらしい。
今日のところはいいとするか。
キスのお返し。
「すっかり冷えちゃってるわね」
「あなたを抱いたら温まりますけどね」
「ばかね」
そういって私の胸に頬を寄せる。
かわいいなぁ。
だけどやっぱり眠くなった。
先生もうつらうつらとして寝息に変わり、つられるように自分も寝てしまった。
翌朝、起きると先生はもう部屋にはいなくて時計を見ればいつもより1時間遅い。
台所に顔を出せば孝弘さんを呼ぶように指示を受けた。
ほんっと先生そういうところ気になんないんだなぁ。
孝弘さんを連れて居間に戻ると配膳はすんで律君も座っている。
朝御飯をいただいた後、昨日縫った浴衣を八重子先生が点検してくれる。
ここの仕上げが甘いとか、縫えてないとか。
そのあたりを直して着てみる。
いい感じだ。
OKが出て普段着に着替えた。
さて。
あちらの片付け名目で先生を連れ出そうか。

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