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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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暫く待ち、夜のお稽古に。
客層と言うかやはり昼と夜は違うね。
私は円草、と指示を受けて…やっぱり苦手だ円草。
絹先生は円真を指示されている。
先生はやっぱり先生で流れるような手つき。
夜は奥の点前をやる人が少ないようだ。
綺麗な点前をされるよなぁうちの先生は。なんて目を細めてしまう。
お稽古が終わり、お話。
台子と言うものはどういうときに使うものか、
だから着物もちゃんと紋付を着てくるべきだとかのお話。
夜なので数人仕事帰りのカジュアルな人が居るから釘を差したって所か。
ご挨拶して辞去する。
またこちらに来るならいらっしゃいとのことだ。
「さて、戻りますか」
「そうね」
「どちらから来られたんですかー?」
若いお姉ちゃんから聞かれた。
「東京からなんですのよ」
「うっわ遠いですねーってゆーか雪大丈夫でしたー?」
「大変でしたけど何とかなりましたの」
「あのお点前難しそうでしたよねー」
「そう?」
先生が鞄を整えている間にロッカーからコートを出し、先生に着せ掛ける。
自分も纏いつけて先生の鞄を持った。
「じゃお先に失礼いたします」
「お先です」
二人で連れ立ってタクシーに乗りホテルへ向かう。
「あぁ疲れた…」
「でしょうね」
「ホテルついたらお風呂入ってすぐに寝ていいかしら」
「よっぽどですね、いいですよ」
ホテルに到着し、部屋に上がるとすぐ先生は帯を解いて脱ぎだした。
長襦袢を脱いでばたり、とベッドに転がる。
「寝るなら化粧落としてからですよ」
「ん~化粧落しのシート買ってきてくれない?」
「はいはい、眠いんですね」
普段着に着替え、ホテルから出て一番近いコンビニ…より薬局があった。
薬局でふき取り化粧水のお勧めを聞くとシートよりこれ、とオイデルミン。
懐かしい。
そういえば先生の部屋にもあった気がする。
コットンとともに買って戻ると既に寝息を立てて寝ている。
寝ている先生を起こさないようにコットンに沢山とってそっとふき取る。
スゲー取れる、楽しい。
とりきった後は俺の化粧水で満遍なく拭くといい、と聞いている。
なんでかって匂いが強いから。
強烈だよね、この匂い。
それでも熟睡する先生はよっぽどの疲れだな。
化粧を落としたら髪を解いてあげてベッドの中にちゃんと入れて寝かせた。
さてと。
俺も寝巻き着て寝よう。
おやすみなさい。

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