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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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先生がくすくす笑ってる。
落ち着いてからでいいわよ、と居間に残されて暫く深呼吸。
用意を整えて水屋に入る。
今の生徒さんの用意は先生がされてお稽古が始まってしまってた。
ギリアウトだったようだ。
失敗失敗。
次の方の用意をして客の席に控えることにした。
正客の稽古だ。
次の生徒さんが来られた。
先生に挨拶、今の生徒さんが終られればすぐにお点前に入れるよう支度なさっている。
お点前を終られたので正客の座を譲る。
次の方の用意、後は次客として。
そんな感じでお稽古は進み皆さん帰られてから俺のお稽古。
「そろそろ真の行、と思うけれど円草をちゃんと覚えたらね」
「はい」
中々スムーズに動かないんだよね。
「許状はもう来てるのよ。だから早く覚えなさいね」
「あ、来てるんですか」
「夏前に引次式したいからそれまでにね」
「うー、頑張ります」
お稽古が終わり水屋を片付ける。
今日の晩御飯は何かなー。
いーいにおいだ。
孝弘さんがメシに執着する理由のひとつは絶対うまいからだろう。
美味しくご飯をいただいて、ゆったりとした時間。
ふと気づくと先生がうつらうつらとしている。
俺にもたれて。
律君をちらりと見る。気にしてないようだ。
暫くこのままでいいか。
孝弘さんと律君が風呂から出て、八重子先生が風呂に。
良く寝てるなぁ。
しばらくして八重子先生が上がってきた。
そろそろ起こして寝かせたら、と言う。
呼んでも起きないので脱がして布団にと言うことに。
ごそごそと帯を解き、着物を脱がせて長襦袢にした。
「もうそのままでいいよ、布団入れてきてやってくれるかい。着物は畳んどくから」
部屋に抱えて入り、布団に押し込む。
居間に戻ると風呂入っといで、とのことで風呂をいただく。
すっかりあったまって出てきた。
「最近どうなんだい?」
「どう、といいますと?」
「絹にされたりしてないかい?」
「ああ、あの2回程度でその後は特には」
「それならいいけどねえ」
炬燵でお茶を頂きながら八重子先生とお話しする。
今週の土曜の夜は先生方はお芝居に行くので家にいない、とか。
んじゃ泊まらず帰りましょう。
「さてそろそろ寝ようかね。戸締りしてきてくれるかい?私は火の始末見てくるから」
雨戸を確認し玄関の戸締りを確かめ、お勝手へ。
八重子先生が火消しつぼの中身を確かめたりガスの元を閉めている。
よし、戸締りの確認完了。
「じゃおやすみなさい」
「おやすみなさい」
部屋に入って先生の寝ている布団にもぐりこむ。
今日は出来ないけど先生の甘い匂いに包まれて気分良く寝た。

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