朝、目が覚めると先生が先に起きてた。
俺の頭を撫でている。
「おはよう」
「おはよーございます」
まだねむい。
先生は昨日俺が布団入る前に一度トイレに行ったらしい。
眠かったのは生理だそう。
結局出来ないのは一緒だったようだ。
まだ起きる時間には間があると思っていると先生が俺の胸を舐めた。
「なんでなめる?」
「なんとなく?」
疑問符で返されてしまった。
ぺたぺたと身体を触られているが。まぁいいか。
そういう時だってあるよな。
ぴたっと手が止まった。
「そろそろ起きないといけないわねえ」
「ん、そんな時間ですか」
「寒くて。お布団から出たくないわ、でも起きないと」
「俺はお布団より…」
「だめよ」
「はーい」
仕方ないのではなれて布団から出る。
「あ、そうそう、土曜なんだけど」
「お芝居でしょ?昨日八重子先生に聞きましたよ」
「うん、悪いけど。一週間開いちゃうけど大丈夫?」
「火曜日にまぁちょっと我慢してもらうかも?」
「あら、あんまり無茶はしないで頂戴ね」
ふふっと笑いながら身支度をして台所へ。
先生は化粧をするから俺よりほんの少し遅れて。
手早く用意して食事、律君は大学へ。
八重子先生はお友達のところへ。
「お掃除手伝いましょうか?」
「あぁ…それよりお洗濯干してくれる? ちょっと軽い貧血みたい」
「了解、そこで寝といてください」
洗濯機から出して一度畳み、物干しに干して行く。
律君の下着や孝弘さんの下着、八重子先生の下着や先生方の腰巻なども。
はたはたと洗濯物がなびく。
先生は帯だけ解いて横になっている。
「茶室、掃除してきますね」
「ん、おねがい」
窓を開け放ち上から下へ掃除をする。
こんなものかな?と思って居間へ行くと斐さんがいた。
いつの間に。
「こんにちは」
「悪いわねぇ、絹のすることさせちゃって」
「姉さんは茶室はわからないもの、仕方ないわよ。ね、山沢さん」
「じゃなくて洗濯物よ」
「相身互いじゃないですか。具合が悪いときは」
「あら、今時聞かない言葉ねぇ」
「最近は個人主義ですもんね」
ぬるくなった先生のお茶を俺の湯飲みに移動して熱いお茶を煎れる。
「え? ぬるいの捨てたらいいのに」
斐さんは俺が猫舌と知らないんだった。
「この子凄い猫なのよね。濃茶のお正客すると口つけずに隣へ渡すのよ」
「あらあら、じゃお薄はどうしてるの?」
「点てる人がお湯をぬるくして点てるの、それもお稽古よ」
「そうなの?」
「熱いのが好き、濃い目が好きお客様は色々だからそれに合わせるのが本来だもの」
「へぇ。そんなものなのねえ」
「家にお客様きたらその人の好きなもの出すじゃない?」
「ああ、そういうこと」
「そうよー。呼ぶ人が決まってると合わせるの。
あ、山沢さん。チョコあられ取ってきてくれる?」
ほいほい。