忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

305

「明日…展覧会か花見か行きませんか…それとも寒いだろうからずっとこうしてますか」
「好きにして…」
「そんなこと言ったらずっと抱いてたくなる」
「じゃお花見行きたいわ」
「はいはい。お花見ね。そんなに俺にずっと抱かれてるのは辛い?」
「年考えて頂戴よ…」
「そういう意味か。抱かれるのいやなのかと」
「違うわ…怖いのはいやだけど。優しい久さんは好きよ」
「じゃ特別に優しくしてあげましょう」
ゆったりと優しく抱いて少し声が上がる程度に。
何度か逝かせると満足げな顔で寝息を立て始めた。
たまにはこういうのもいい。
俺も噛まれないし引っかかれないし。
しかしなぁ、怖いのがいやなのにうちに来るのはなんでだろう。
小一時間ほどして起きた時に聞いてみれば、やはり家だと気を使うのが大きいようだ。
「たとえば…家に誰もいなければ家でも良いのかな?」
「ええ? ん、でも何かいやなのよ」
「旅行とかなら良い?」
「そうね」
「じゃ今度また旅行しましょう。5月は無理だけど」
「あら、嬉しいわ。どこがいいかしら」
「ま、気になるようでしたら展覧会を絡めていただければ」
「温泉もいいわねぇ」
「温かくなってから温泉ですか?」
「湯冷めしないもの」
「…俺と一緒だとのぼせるんじゃないですかね」
「やだ、もう」
ちゅっと音を立ててキスして布団から出る。
「さて、夕飯どうしましょうかね」
「久さんが作る開化丼がいいわ」
「いいけどそんなのでいいんですか?」
「食べたくなったんだもの」
「じゃ、付け合せの希望は?」
「お味噌汁。海苔の」
「野菜がないですよー」
「別にいいわよ」
「じゃお買物行きますがあなたどうします?もうちょっと寝てる?」
「一緒に行くわ。待ってて」
はいはい。
その間に米を炊く仕込をして振り返ると着替え終わっていた。
俺が着替えてる間に髪を整え軽く化粧をして、さてと買物へ。
冷え込んでいるので先生が俺にくっついてきてて嬉しい。
食材を買い込み、おやつにとプリンを買った。
「あなたといると太るのよね…」
「へえ、そんなこと言うならカロリー消費させますよ」
「えっやだ、そんなつもりじゃ」
「二人で散歩とかね」
「もうっ」
「で、太ったってどの辺かなぁ、この辺?」
と着物の上から胸を揉んだら怒られた。
「ご飯、作るんでしょ」
「はいはいはい作ります」
出汁を作って肉と玉葱を煮て、卵とあわせてさっさと作る。
アオサで味噌汁をして。
パパッと作ったものだけど、先生がおいしそうに食べてくれた。
「汗かいた後って山沢さんの作るの、美味しいのよねえ」
「あー…塩分だ、そりゃ。味付けじゃなくて」
「そうかしら?」
お茶を先生がいてくれてまったりとした土曜の夜。
不意に先生が俺を見た。
「ね、しなくていいの?」
「あぁ、つい見とれてた。ドラマ見たいんじゃないんですか?」
「見たいけど…」
「見ながらでもいいんですか? 集中できないでしょ?」
「うん…」
「なら後で。いいからいいから」
ごろり、と先生の横に転がって先生の足に顔を寄せて寝る。
そのままうつらうつらとまどろんで。
次に起きたときは先生が俺の髪を撫でていた。
「起こしちゃった?」
寝返りを打って先生の腿の間に顔を埋める。
んー、いい匂い。
くすくす笑い声が聞こえて。
そっとお尻をなでまわしてると吐息になってきた。
「ベッド、行きましょうか」
「うん、そうしましょ」
テレビを消して戸締りをして。
電気を消してベッドに入る。

拍手[2回]

PR