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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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309

まだ夜も明けないころ目が覚める。
先生の寝顔が可愛らしい。
抱きたいな、と思うが…今日はダメだったと思い出す。
トイレに立って手を洗って布団へと戻る。
「うぅん…」
おっと起こしてしまうか?
いや、寝息。
気持ち良さそうに寝ている。
寝返りを打って俺の腕を胸に引き入れた。
やわらかいなぁ、乳。
揉みたくなっちゃうじゃないか。酷いな。
まだ眠いから寝てしまえばいいが。
うつらうつらと先生の寝息にあわせて寝て、朝が来る。
起きたらしっかりと俺の手が先生の乳にフィットしていたらしく。
先に起きた先生が困っていた。
起こすに起こせず、だったらしい。
そういうところが可愛くてついキスしてしまった。
ぺち、と額を叩かれて朝飯の支度に台所へ行く。
朝ご飯を食べて一服したら炭や釜などの用意。
最初からの用意を手伝わせていただくのは久々で、指示を貰ってその通りにするばかり。
用意が整って、着替える。
流石に先生方はすばやく着替えられ、俺が帯を締めようというころには終えられていた。
先生が着付けをちょっと直して二重太鼓に締めて下さり、席入り。
お点前は八重子先生、半東と次客は先生が二役を。
黒塗りの台子。
初炭からだけど…いつもの初炭とは少し違う。
「真台子の初炭は違うのよ」
解説を一つずつしてくださりつつ、進む。
唐金の皆具の真台子は背が高いので八重子先生はちょっと大変そうだ。
「真はすべて省略せず、すべてこれまでにしてきたことだから覚えるのは簡単なの」
うーん、たしかに見ていてわからない、と思う点はない。
これまでにやってきたことを本式できっちりすればいいという感じではある。
「ただこれを覚えると他のお点前のときに混ざるんだよねぇ」
と八重子先生。
あ、たしかに省略していい行のときにやっちゃいそう。
「だから初級クラスの人は見ちゃいけないのよね。混乱しちゃうのよ」
続き薄にするわね、と仰って薄茶もいただいた。
お点前がすべて終って総礼。
「どうだった?」
「確かに見ているとこれまでのことで出来そうな気はしますけど…。
 点前するとなると違うんでしょうね」
「基本的にメモをとるのも写真もビデオも残しちゃいけないって言うけどね、
 覚えるまでは取ってもいいよ。覚えた頃にはいらなくなってるから捨てなさい」
「あ、はい」
「支部の講習会なんかはこういうのをやったりするから。
 あんたが先生になってからの話だけどね、わからなくなったら暫く封印して
 支部までお稽古お願いに行くんだよ」
「そうなんですか?」
「私らも曖昧になることがあるからね、たまにお稽古に行ってるだろ」
「そうだったんですか」
「七事式もここではそんなにはしないからね。支部ならあるから」
色々とお話をしていただいて、じゃ着替えて片付けようということになった。
普段着に着替えて茶室に戻り釜を下ろそうとしたら先生が濃茶を一服所望された。
先ほどの真の行でかと思ったが作法要らないからただ点ててと。
気が楽になりしっかりと練る。
こんなものだろうか。
八重子先生が正客として一服され、お服加減を問う。
惜しい、もうちょっと。と言われてしまった。
先生に茶碗が渡って、確かにもうちょっとねぇと言われて。
茶碗を漱いだらそのまま先生と点前座を交代して先生が点ててくださった。
やっぱり美味しい。
ほほほ、と先生が笑う。
「こうなるまでに私も山沢さんのようなお茶点ててたわよ」
「自分で飲みなってよく言ってたねえ」
さてさて片付けてる間に先生はお昼作ってくると台所へ。
八重子先生が真台子の組み立て方や片付け方、皆具の片付けなども教えてくださった。
引次を終えて片付けも終えてすっかりほっとした気分で許状をいただいた。
お昼ご飯を食べて縁側で先生と日向ぼっこ。
のんどりしていると八重子先生も縁側に。
お茶とおせんべい。
「お天気いいわねぇ」
「気持ちいいですねえ」

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