忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

315

テレビを見て八重子先生とお喋りしてゆったりとした日曜の朝。
10時半ごろそろそろ用意を、と八重子先生は部屋に着替えに行った。
先生はまだすやすやとおやすみだ。
髪が唇にかかっているのをちょいと除ける。
ふと人の気配に後ろを見たら晶ちゃんがいた。
「こんにちは、晶さん」
「あ、こんにちは。え、と律は…」
「部屋でレポート書いてるようだよ」
そうですかとそそくさと行ってしまった。
ぼんやりと先生のお顔を見ていると…耳掻きないかな。
朝あわてて出てきたからチェック忘れたんだろう。
きょろっとしたらピンセットを見つけた。
そぅっと掴んで取る。
見えてるところにはもうないね。
ルーテェ型のピンセットなら奥のほうまでやれるが。
ピンセットを片付け、紙に包んで懐へ。後で捨てよう。
「さて、行ってくるよ」
「いま晶さんいらっしゃいましたよ」
「晶が? ん、じゃ悪いけどお昼あの子の分も頼むよ」
「はい。行ってらっしゃい。お気をつけて」
お早うお帰り、とは流石にこちらの人には通じないのは慣れている。
八重子先生が外出した気配…車、ではないな、良かった。
やはり車を使われるのは不安だからね。
小一時間ほどそのまま膝に乗せて寝かしていたが流石に起きてきた。
「ん…何時?」
「そろそろ11時半ですかね」
「あぁ…お昼の用意しないと…」
「何食べたいですか、俺作りますよ」
気だるげな先生もいいなぁ、うん。
「ピラフ食べたいわ」
「具は何がいいですか」
「カレーピラフ食べたい…」
「あ、やっぱり。においに釣られましたね」
ご近所がカレーを仕込んでいるようでカレーの匂いがさっきからしている。
「カレー粉あるから。よろしくね」
「はいはい、じゃ付け合せはサラダとスープかな」
頭を軽くなでて台所へ。
ピラフと言うかチャーハンと言うかどっちでもいいんだけどカレー粉を捜索しよう。
見つからん。もしかしてルーか。ルーはあるな。
細かく具材を刻んで炒める。
同じく微塵にしたルーを入れて香ばしくなってきたらご飯投入。
炒める。やっぱりガスは良いなぁ。
というかこういう大きいフライパンをちゃんと手入れしてあるのが不思議だ。
八重子先生が振ってたのか? この重いフライパンを。
まずは4人前、横でコンソメでスープを。
冷蔵庫に4半玉残ってたキャベツを具にした。
春キャベツは美味しいし、色が綺麗だ。
芯に近い方は刻んでサラダに。
人参とピーマンも。
「何かお手伝いすることあります?」
晶ちゃんが台所に来た。
「あ、じゃあピラフお皿に取り分けてもらえるかな。孝弘さんの分作るから」
「おじさんさっきお昼要らないってどこか行かれましたよ」
えー…。みじん切りした具をどうしよう。
卵あったっけ?
3つ。オムレツ作ろう。うん。
鮭フレークもあったはず、冷凍庫を探して発見。
炒めて混ぜてオムレツにしてしまった。
サラダの1人前残ってるのは俺が食うか…。
とりあえず配膳するために居間に行くとまた寝息立ててる。
「先生、カレーピラフできましたよ。起きてください」
「んー…」
律君が部屋から出てきた。
「あれ、お母さんまた寝てるの?」
「昨日遅くまで飲ませてたから眠いんだよ」
ピラフもスープも配膳して整ったころやっと目が覚めたようだ。
「あぁよく寝た。あら晶ちゃん。いつきたの?」
「おばあちゃんが出て行く前だから10時半ごろじゃない?」
「あら、そうなの。いらっしゃい」
「あはは、お邪魔してます」
「律、お父さんは?」
「お昼要らないってどっかいった」
「ということでオムレツに化けました。サラダ食っちゃっていいですか?」
「それは食べなさい」
「あ、結構美味しい。ドライカレー?」
「うーん、どうなんだろ。チャーハンとピラフの違いがよくわからないから」
そんな会話をしつつ食べ終わって洗い物に立つ。

拍手[1回]

PR