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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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327

朝、起きてもう一戦して先生は風呂。
俺は先に帰って朝飯の支度。
食卓に並ぶ頃ちゃんとした格好で先生が戻ってきてご飯をいただく。
律君は今日も1限目からあるらしい。
暖かい日差しにのんびりしていると先生。
「さ、用意するわよ~」
え?と首を捻る。
「何してるの? あなた。お台子出して頂戴。炭は用意したから」
「お稽古?」
「そうよ。早く覚えてくれないと。円真も申請してあるのよ」
「早くないですか?」
「早くないわよ、許状きたらすぐにするわよ?」
うわ、マジか。
頑張らねば。
茶室へ行って台子を出し、水屋の用意も整える。
釜にたっぷりの湯が沸いたところで手や口を漱いでお稽古開始だ。
お昼休憩を挟んでお稽古は続く。
玄関からただいまの声。
律君帰宅か、と思った瞬間に間違えて叱責を食らった。
その声に驚いたようだ。
「お母さんどうしたの?」
律君が入ってきた。
「あぁ、あんたもお客様しなさいよ。コート脱いで手を洗ってきて」
いい加減先生ももう飲めないようである。
「え、おばあちゃんは?」
「おばあちゃんはお夕飯の支度。あんたかわり出来ないでしょ」
しばらくしてやれやれ、と言う顔をしてお客様をしてくれた。
たっぷり濃いの、は辞めて出来るだけ薄茶にして出す。
律君がほっとした顔で飲んでいる。
先生を正客に見立て挨拶。
何度か叱られてお稽古が終る。
「他の生徒さんへのお稽古とは違うんだね」
「早く覚えてくれないと困るもの」
「どうして?」
「早く先生の資格とってもらって、お母さんとかおばあちゃんがお休みでも
 お教室できないといけないでしょ」
「え、でも」
「あんたがお茶とお花と出来るお嫁さん貰ってくれると話が早いけど」
「いや、それは…まだ彼女もいないし」
後始末しながらつい笑ってしまった。
「そうだなぁ、お花のセンスいい子がいいですよね」
「そうそう。山沢さん壊滅的だわよね」
「あっ、酷いなぁ。たしかに自覚はありますけど」
ほほほ、と先生が楽しげに笑っている。
「ごはんできたわよー」
八重子先生の声がかかり、急いで片付けた。
火の元は念入りに確かめる。
さてお夕飯はなんだろう。
……山菜。
「えーと急用を思い出したので帰り…」
「食べなさい。好き嫌いしないの!」
くっ、バレた。
律君が凄く笑っているのを横目でにらみつつ、
孝弘さんが横からお箸を出してくるのを先生が叱りつつ。
食べると食えるものがいくつか出てきた。
意外。
やっぱりダメだ、食べれないと言うものは流石に二度食わそうとはされず、
孝弘さんのお皿に収まった。
角煮などもいただいてごちそうさま。
さてさてそろそろ帰らないと。
先生が何か食べ物を持たせてくれた。
寝るまでにお腹すくでしょ?と。
帰宅して開けてみたら木の芽和えで凄くうまい。
うれしいなぁ。
そして何より太らないような食い物だ。
感想をメールして風呂に入り寝る。
おやすみなさい。

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