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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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帰宅してトイレに入ればなるほど今日からのようで、道理でだるい。
転寝しようと思っていると電話。
先生からだ。どうした。
先生もなっちゃってだるくて直帰はしんどいからうちに寄りたいらしい。
珍しく同じ時期になるとはね。
うちにもう帰ってるというとちょっと驚いてる。
迎えに行きましょうか?と聞くとそうして欲しいとのこと。
現在ランチ前らしい。
待ってるというので車を走らせる。いいドライブ日和だ。
駅についてメールを入れた。
現在地を教えてもらって迎えに行く。
先生がご友人方と話しこんでるのを見ると楽しそうだ。
「お迎えに参りました」
そう声を掛けると先生がご友人方に迎えが来たから帰るわ、と仰る。
「あら彼氏?」
「絹ちゃんやるわねー」
「お茶の内弟子よ。ここから近いからお願いしたの」
「そんな便利使いしちゃっていいの?」
「通いのお弟子さんに使いっ走りさせるって先生もいらっしゃるわよ」
「先生、車で待ってます。先に荷物積みますから」
「じゃこれお願いね」
はい、と答えてボストンバッグを預かる。
暫くして先生が皆さんに別れを言ってこちらへ来られた。
後部座席に、と言ったけど助手席がいいらしい。
しっかりシートベルトをさせて運転席に乗り込む。
見えなくなったころ、一つ息を落とされて。
やっぱり少しは緊張してたらしい。
「寝てるとき、他の人に抱きついたりしませんでした?」
「え?」
「よく俺の胸弄ってたりするでしょう。寝てるとき」
「あぁ。大丈夫よ、ベッドだったから」
ほっとしてるのを見て笑われた。
「そんなこと心配してたの?」
信号で止まったときに撫でられてしまった。
「あんまりそのー近寄られると抱きたくなるんですが」
「あら」
「ほら、そこのホテルとか。入りたくなりますから」
「あらあら、ダメよ」
「アレだから?」
「それにお昼間よ。人に見られても困るわ…」
「まぁね、わかってますけど。あ、今度SMホテル連れて行きたいな」
「SMホテル?」
「普通のラブホとは違って面白いですよ。誰かに見られたら社会見学ってことで」
「見られるの前提なの?」
「前提で言い訳を作っとくとばれたときに慌てなくていいからね」
「…私にも何か嘘ついてそうねえ」
「今のところはありません」
「あらこれからつく予定あるの?」
「ないですよ」
あちらもこちらも生理中だからどうしても絡み絡まれになる。
うちについて先生がトイレに行く。
手を洗ってると背中に重みと温かみ。
「眠い?」
「うん」
「おうち、電話するから少し寝ましょうか」
「そうしてくれる?」
「ええ。着替えてらっしゃい」
背中が軽くなって温かみが離れていく。
追いたくなるが電話が先。
八重子先生は2コールで出てくれた。
事情をお話しする。
明日はお稽古もないから泊まりたいというなら泊めても良いと仰る。
ありがたく受けて、でも実際どうするかは先生次第かな。
電話を切って俺も寝巻に着替えトイレへ。
ベッドに先生ともぐりこむ。
温かくて重い先生の身体が心地よい。
俺も先生もすぐ眠りに引き込まれて行く。
ふと目がさめると美味しそうな匂い。
先に先生が起きたようだ。
時計を見れば七時半。
もしかしたらもっと早く起きてて焦れて自分のだけ作って食ってる?
のっそりと部屋から出る。まぶしい。
「うるさかったかしら」
「いや…俺の分もあるんですか」
「あるわよ。起きなかったら冷蔵庫入れようと思ってたけど。今食べる?」
「あなたは食べたんですか」
「うん、さっきご馳走さましたところよ」
「俺、起きませんでした?」
くすくす笑ってる。
「しがみついてるの剥がしたのに起きなかったわよ、起きててわざとか疑ったわ~」
ありゃ。
座るように言われて座ってるとご飯とおかずが出てきた。お味噌汁も。
「帰ろうかしらと思ったんだけどお腹すいちゃったのよね」
「あ。八重子先生が明日お稽古ないから泊まってもいいって仰ってましたよ」
「あら、どうしよう…」
「お好きなように」
飯がうまい。
ちょっと迷っているようだ。
「泊まりますか?」
「そうするわ。でも…」
「しませんよ」
ほっとした顔をする。
「されたいって言うなら別ですが」
ニヤッと笑うと顔を赤くしてる。
「もうっ。そんなわけないじゃない!」
「おやそうですか」
「すぐからかうんだから」
きゅっと鼻をつままれた。
じゃれあいもそれなりに楽しい。
はは、と笑ってごちそうさまをする。
食器を洗ってお片付け。
先生はテレビを見はじめた。
「ねぇ、コーヒー入れて頂戴」
「こんな時間から飲んだら眠れなくなりますよ」
「だってお茶っ葉切らしてるんでしょ」
「買ってきます」
「いいわよ」
「俺も飲みたいから」
「そう? どこ行くの?」
「とりあえずコンビニへ行こうかと」
「じゃプリンもお願い」
「はい」
着替えてちょっと買物へ。
緑茶緑茶、と。
あった。
あんまり見ないメーカーだ。おいしいのかなぁ。
静岡茶らしい。
プリンと共に買って帰る。
先生にお渡しすると既にお湯を沸かしていたようで急須にとって入れている。
着替えて戻れば既に湯飲みに。
プリンは冷凍庫に入れたらしい。凍らせたのを食べるのも好きなようだ。
少しぬるくなったのを見計らい飲む。
あ、それなりにうまい。

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