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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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朝、起きて仕事をするが、みな何かぼんやりとしているのは寝苦しかったんだろう。
はかどらない仕事をこなして帰るとご飯の匂い。
「ただいま、で、お稽古は?」
「お帰りなさい。生徒さん夏ばてみたいで二人だけだからお母さんが見てくれるって」
ピッとクーラーをつける。
「良くこんな暑い部屋にいますね」
「うん、そろそろ扇風機、と思ったんだけど」
「扇風機はありませんよ」
服を脱ぎ手を洗って先生を脱がす。
「ちょ、ちょっとまって、なんで脱がすの」
「抱きたいから」
「お昼ご飯、食べてから。ねぇ、だめよ」
抵抗されつつもそのまま全部脱がせてベッドかここか、と聞く。
諦めたようだ。
ベッドに連れて行ってたっぷりと楽しむ。
クーラーを効かせているからどんなに激しくても軽く汗をかく程度。
終った後、布団をかけてやる。
じゃないと風邪引いちゃうよね。
「おなかすいた…」
ぽそっと文句の上に呟かれてなんだか笑ってしまった。
クーラーを緩めて先生を起こす。
浴衣を背中に掛けて台所からお盆に載せて食事を持っていく。
お箸とスプーンで手ずから食べさせてあげると恥ずかしがっている。
「あなたのために作ったのに…」
「ちゃんといただきますよ。まぁでも先に食べてくださいよ」
全部食べてご馳走様、と言う。
おかわりいりませんか?と聞いたがもう良いらしい。
台所に食器を返し、自分の分を平らげた。
それから先生の横に戻る。
「お腹、こなれたらもう一度しましょうね」
「ええっ、まだしたいの?」
「したいんですよねぇ」
「旅行中ずっとしてたのに?」
「一昨日すぐ寝ちゃったじゃないですか」
「そうだけど…」
「しかし八重子先生、俺に先生を甘やかしすぎるって言うけど。
 ご自身も十分先生を甘やかしてますよね」
ぷっと先生が笑う。
「そういえばそうね、そうよね」
「で、実際何しに来たんですか?」
「衣替え」
「しないって言ってるでしょう」
「するわよ」
「出来ないようにしちゃおうかな。こうやって」
キス。
コツン、と額にこぶしを当てられた。
「ばか…、普段着じゃなくて、お稽古とか、お出かけの着物あるでしょ」
「あぁなんだ、そういうのですか」
ぶるっと先生が震えた。
クーラーきつかったかな。
「お手水連れてってくれない?」
そっちか。
抱えあげてトイレに連れてって裾をまくって座らせる。
そのまま見てたら嫌がられた。
「どうせ一人じゃ出れないんだし。子育ての時と同じと思えばどうです」
それでも恥ずかしそうで可愛い。
思わず肩を抱いてしまう。
先生は我慢が切れたようで…した。
「ヘンタイなんだから…」
あ、なじられた。
拭くのもやっちゃったぜ。
流して担ぎ上げてベッドに戻る。
で、舐めたら踵で肩を蹴られた。
流石に腹が立ったようだ。
ベッドから降りて部屋を出る。台所片付けよう、うん。
洗い物を終えて先生のそばへ行く。
「ごめんなさい…蹴っちゃって」
あ、当たり前じゃないんだ。
蹴られて当然だと思ってたからなー。
「そろそろ起きれますか?」
そろり、と先生がベッドから身を起こす。
手を添えてゆっくり立たせてリビングへ連れ出した。
「はい、お茶」
「ありがと。ねぇ…ああいうの、私、無理だわよ」
「やっぱり無理?」
「うん」
「ふぅん…またいでかけるプレイとか」
「無理よ、そんなの」
「かけるほうがSなんですけどね、普通」
「出るところ見られるのなんて恥ずかしくてダメよ」
「そういうとこが可愛くて、そういうことをさせてみたくなる」
「蹴るわよ」
「蹴ろうと思っては蹴れないでしょ?」
げしげしと座ったまま足先で蹴ってきた。
「お行儀悪いですよ、先生」
更に強く蹴られた。
「可愛いなー」
顎に手を当て持ち上げてキスする。
そのまま押し倒した。
「ダメよ、箪笥、整理するんだから」
「ま、そういわず…うっ」
先生に乳首捻り上げられた。
地味に痛い。
「退きなさい」
「はーい…」
上から退くと先生はぺしっと俺の頭を叩いた。
「さっさと整理、するわよ。明日もお稽古なんだから」
身を起こして浴衣の乱れを直し、手を洗って和室へはいる。
樟脳の匂いにまみれつつ、たとう紙を開けて中を見ては夏物、相物と入れ替えた。
なんだかんだ夕方近くまで掛かったので先生を誘ってホテルディナーとする。
ちょっと久しぶり。
「暑ーい…」
「暑いですね…梅雨前だってのに」
先生は日傘をさした上で日陰を通って、俺も日傘の下に入れようとする。
「そんなことしてるとあなたが焼けますから、俺は良いですよ」
「早めに対策した方が良いわよ」
「ちょっとくらい焼けたほうが男らしいじゃないですか」
「男じゃないでしょ」
「ま、今度、今度」
扇子を日よけにホテルへ入る。
先生の遠慮で一番高い奴の一つ下のコース。
「おいしいわ~」
昼に怒ってたのとはまったく違って幸せそうだ。
最後のデザートも美味しく頂いて、先生はその足で帰ると言い出した。
「え? どうしてですか」
「だってあなたの部屋戻ったら帰るの嫌になるもの」
胸に響くなぁ。嬉しい。
「明日お昼に一緒に帰るほうが楽じゃない。電車乗らなくて良いんだから」
「そっちですか」
がっくりしつつ会計を済ませて駅まで送る。
まだ日が高いから送らなくて良いようだ。
「じゃ、また明日いらっしゃい」
「はい、ではまた明日」
別れの挨拶を交わし、電車を見送って帰宅した。
後は寝るばかり。おやすみなさい。

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