忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

373

朝。メールが入ってる。
また寝ぼけてるのかも知れない。
明日顔出したらそんなメール送ったかしら、なんていうのかな。
来て欲しいなら仕事が終わった頃にもう一度メールを、と返事をする。
メールが来なければただの寝ぼけだろう。
暇な月曜。
ざっくり仕事をしてメールを待つ。
正午を過ぎても来ないところを見るとやっぱり寝ぼけたようだ。
今晩から雨らしいので非常食を買い込む。
そして寝る。
耳元に置いた携帯に起こされた。
先生からメール。
美味しそうなお夕飯。
もうそんな時間か。
空は…曇っているが大丈夫だろう。
近所で天ざるを食べた。
そうメールしたら怒られてしまった
暑いからって冷たい物食うと怒られるんだよなぁ。
たまに反発心を覚えるが心配してくれているのはわかっているから何もいえない。
あ。雨が落ちてきた。
寝よう。
寝ているうちにメールでまた起こされた。
なんだなんだ?
あ、先生の所はひどい雨らしい。
ということで俺を心配してくれたようだ。
幸いこちらはそうでもなく、先生のほうはどうかとメールを返す。
雨漏りもなくなんとかなったとのことで安心した。
あの家も古いから。
暫くメールを交わして先生も落ち着いたようだ。
明日もお稽古に来なさいね、と書かれて勿論です、と返す。
おやすみなさいと挨拶をしてメールが終った。
翌朝、仕事を終えかけていると先生から電話が。珍しい。
急な用でこっちに出てきたけど財布にそんなに入ってなくて帰れん?
お稽古までに帰りたいから律君は無理、なるほど。
すぐに来られるかって、ええと。
保留にして社長に帰って良いか聞く。OK出た。
電話を取ってすぐって着替えてからで良いのか?と言うとだめって言う。
しょうがない、この格好でお迎えに行くか。
急いで車に乗り込む。
指定の場所について後部座席へ先生を乗せた。
「ごめんね、ありがと」
「このままおうちまで飛ばします。シートベルトしてくださいよ」
「え?」
ちょっと普段よりはスピードを上げて先生のお宅へ。
20分ほど短縮できた。
「お母さんの運転みたいだったわ…」
どきどきしてたらしい。
先生を降ろしてから車庫入れをして戻る。
長靴を脱いで端にそろえ、替えの靴下を履いてから。
居間に顔を出す。
早速に先生はお昼ご飯を食べようとしている。
「あ、あなたもいるわよね」
八重子先生がその前にシャワー浴びて着替えておいで、と言う。
「そうします、後でご飯ください」
「悪いわねぇ急がして」
ふっと笑ってシャワーを浴びる。
生臭さを落として風呂から出ると、着替えの浴衣が置いてあった。
さっと纏い、居間へ出て食卓に着く。
先生は水屋の支度を始めているようだ。
八重子先生がご飯をよそってくれた。
さらにおかずが足りないと思ってかふきの葉の佃煮を出してくださる。
うまい。
美味しく残ったおかずを全部頂いてごちそうさま。
「洗い物は私がするからあんた着替えといで」
「あ、はい」
部屋へ行って単衣の着物を着る。
今日の気温は25~26度って所だろう、丁度良いね。
着替え終わると丁度生徒さんがいらっしゃったようだ。
茶室に急ぐ。
「こんにちは」
「こんはちはー」
生徒さんと先生が玄関の長靴に注目してしまった。
二人とも大人だからスルーしてお稽古開始。
うーん、先生の支度したのはやりやすい。
見習おう。
身を入れてお稽古に従っていたら気づけばもう最後の生徒さん。
送り出して先生は俺のお稽古を始められた。
今日は前回叱ったからか、ちゃんと先生の顔で厳しくお稽古をつけてくださる。
いくつも駄目だしをされて気がそれたら叱られた。
稽古が辛くなる前に時間切れ。
八重子先生がご飯、と呼びに来た。
水屋を片付け終えると頭をなでられた。
「何です?」
「ん、よく頑張りました」
にっと笑ってお夕飯。
あ、すき煮。
どうやら食卓ですき焼きの鍋を囲むのは暑くていやと言うことらしい。
肉の量は分け隔てなく。
さらに俺のおかずにきゃらぶきがついた。
あとは人参のお味噌汁。
甘くてうまい。
あまり喋ることもなく食べてたら先生に笑われた。
「おかわりあるよ」
すき煮はまだあるらしい。
他の人がいらないなら貰おう。
様子を見ておかわりをお願いした。
更に先生が冷蔵庫からおひたし持って来た。
「食べなさい、お肉ばっかりじゃ駄目よ」
はい。
しっかり食べて満腹満腹。
その後、片付けをして居間へ行く。
先生が手招いた。
なんだろ。
横に座ったら引き倒されて先生の膝枕。
あ、気持ち良い。
けどどうしたんだろう。
…耳かきね。
はいはい。
「…あら?」
「どうしたんだい?」
「山沢さんの耳、綺麗なのよ。面白くないわー」
「なんですか、それ」
「だってするんだったら沢山あるほうがやりがいがあるじゃない」
「あー確かにそうかも」
耳かきを置いて俺の髪をくしゃくしゃとかき混ぜて。
「律君にしたら良いじゃないですか」
「恥ずかしがってさせてくれないのよ」
「じゃ八重子先生の」
「お母さんもあまり溜まらないのよねぇ」
そのまま手が俺の首筋、胸へと動く。
揉みたくなったらしい。
「あ、そうそう」
ころん、と横に転がされて先生が立ち上がった。
「あなたこんなの食べる?」
あ、これうまいやつだ。
「結構好きです」
「もてあましてたのよ、食べて頂戴」
「孝弘さんは食べないんですか」
「苦手みたいなの」
へー、意外だな。
八重子先生がわざわざ紅茶作ってくれた。
うん、濃い。うまい。
ぺろりと三つほど食べたのを見て先生が溜息一つ。
「よくこんなの食べれるわねえ」
「ほんとにねぇ」
「あと10年もしたら受け付けなくなるかもしれませんけどね」
紅茶を飲み終わり、台所に持って行く。
先生はお風呂入ってくる、とのこと。
居間に戻ってくつろいでると先生と入れ替わりに律君がお風呂に行った。
ちら、と先生の乳が見えて凝視しそうになる。
八重子先生のいる前は駄目だ。
ぐっと我慢して、火の元や戸締りを確かめに行く。
律君がお風呂から上がったのをキリに部屋へ連れ込んだ。

拍手[0回]

PR