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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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翌朝。
先生からメールが来ていた。
今日は先生はお出かけするらしい。
うちに来ても八重子先生しかいない、と書いて寄越した。
誰と?とメールを返して出勤。
仕事は少し荷物が動いてやや忙しくメールが返ってきてるのにに気づくのが遅れた。
お茶仲間の女性とのこと。
んん、ならいいか。
楽しんできて、とメールを返して仕事仕事。
仕事を終え帰宅途次。
先生から相手の方と撮った写メが来た。
良い人が出来たのか、と責めたからかな…。
その後は特段メールも来ず夕方までジムへ行ったり夕飯の買出しに出たり。
家で野菜炒めを作って食い始めると電話がかかってきた。
ご飯食べた?と聞かれていま食ってるというと残念そうな声だ。
「お友達と食べに行かないんですか」
『だってあちらも家庭あるもの』
「いまどこです?」
『代々木よ』
「んー…和食?」
『どちらでも良いわよ』
「電話返します、一旦切らせてください」
『はーい』
電話を切っていくつか心当たりにかける。
予約が取れた。和食。
先生に掛けなおしてどこかそのあたりの喫茶店で待っててもらうことにした。
二口食べた炒め物は冷蔵庫へ戻して、着替えて身なりを整えた。
急いで向かう。
到着すると先生はついでに買物をしたと言う。
「待たせちゃいましたね、すいません」
「いいわよ、急に呼んだんだもの」
「こっちです」
先導して連れて行く。
「予約した山沢です」
「いらっしゃいませ。どうぞこちらです」
ご予約のお二人様、と通されて食事にありつく。
ああ腹減った。
食前に梅酒をいただいた。
「あら、おいしい」
にこっと先生が笑ってつい見とれる。
次々と運ばれる料理に先生は嬉しそうだ。
飯食いに連れて行くの、これだから好きなんだよな。
おいしくいただいて、先生にちょっとだけお酒も飲ませて。
店を出た。
駅まで歩く。
「ねぇ…帰りたくないわ」
「お稽古がなかったらね、明日。帰さないって言うんだけど。八重子先生に叱られる」
「すぐそう言うのね。私よりお母さんに叱られる方が嫌なの?」
きゅ、とつねられた。
「わかってる癖に。あなたが叱られるのがいやなんですよ、俺はね」
「そんなのでお母さんは叱らないわよ…」
「ほんっと甘やかされてますよね。まぁでもね、明日も会えますから我慢してください」
「しょうがないわねぇ」
先生がやっと諦めてくれて別れた。
電車に揺られて帰宅する。
可愛いよなぁ、帰りたくないなんて。
帰宅後暫くして先生から帰着メールを貰った。
おやすみ、と返事をして寝る。

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