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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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406

翌日は稽古もないし仕事が終わり次第京都へ立った。
何って祇園祭関係の茶菓子を一通り買う気でだ。
先生は昼寝をしたかったようだがお稽古があるから眠くても頑張ってるらしい。
デパートの地下でがっさりと沢山購入した。
明日の夕方までとの事なので余裕だ。
東京へ引き返して車に乗り換え先生のお宅へ行く途中メールが来た。
夕食の写真とともに食べたら寝ると。
俺の胸で寝たい、なんてメールに書いてきたので消すよう指示して。
嬉しいけどさ、一応不倫だし見られて困るメールは駄目だよね。
メールがやんだ。
拗ねちゃったかな?
5分ほどして到着し玄関を開ける。
ガラガラッ。
「お今晩はーお邪魔します」
「はーい…えっ山沢さん…どうして? えっ?」
「これどうぞ、祇園祭の菓子です」
「いいの?こんなに」
「アソートしてみました、今おやつにされるもよし、明日お稽古に使うもよし」
「あら山沢さんじゃないの。どうしたの」
「京都の祇園祭にちなんだ菓子、買って来ました」
「おばあちゃん、ほらこんなに沢山よ」
「凄いわねぇ。あらあんたお夕飯は食べたの?」
「帰ってから食おうかと」
「食べて行きなさいよ。あと出来たらで良いんだけど…」
「ありがとうございます。なんでしょうか」
「一緒に寝てやってくれる?」
「ああ、はい」
先生が俺の分としてパスタを用意してくれた。
鮭とネギのしょうゆバター。それと八重子先生の煮物。
おいしい。
ご馳走様をするころには先生の上体が揺れている。
「後片付けはしておくから。寝かせてやって」
「はーい」
満腹のまま先生を部屋につれて入り懐に抱いて少し寝た。
5時間たっぷり寝て先生の横から脱出し着替えてそっと玄関から出た。
外から鍵を閉めて帰宅する。
車で来て正解。
電車だと1時間半早く出なきゃいけない。
家に帰って1時間半なんて寝た気もしないし。
そのまま出勤し仕事。
朝から暑い、たまらん。
やる気なく暇な火曜日で客も定休日が多い。
だらだらと仕事を終え先生のお宅へ向かった。
「いらっしゃい、あなた昨日いつのまに帰ったの?」
「こんにちは、12時くらいですよ。よく寝ておいででしたよ」
鞄を置いて水屋を整え、待つ。
生徒さんも来られて御菓子は…うん、昨日の。
楽しそうだ、先生も生徒さんも。
お稽古が終った後、俺にはチーズケーキをくれた。
濃くてうまい。
「ご飯前だけど、おいしいですね」
「あ、そうだったわね。一つだけね。あとはご飯済んでから」
頭をなでられてしまった。
夕飯に期待しつつ食卓を片付ける。
今日はぶりの照り焼きがメインにカボチャの煮物や切り干し大根、お味噌汁。
それと揚げの炊いたんに蕗が入ってる鉢。
俺へはぶりの変わりに鶏の照り焼き。
八重子先生の作る飯はおいしい。
おいしくいただいてご馳走様をして洗い物にかかる。
先生が台所に来て俺の背に手を置いて甘えてきた。
「もうちょっと待って。眠いんですか?」
「わかる?」
「手、あったかいですし」
「ごめんね…出来ないの…」
「眠いなら仕方ないかな」
片付け終えて居間に先生を置き、布団を敷いて戻った。
「寝ますか?」
「うん。じゃおばあちゃん、お先に」
「おやすみー」
「あんたも早く寝なさいよ、おやすみ」
「おやすみなさい」
部屋で着物を脱いで着替え髪も解いた先生はやはり色っぽくて。
抱いちゃ駄目とはやはり辛いね。
懐に抱いて背中をなでると入っていた力が抜けてすぐに寝息を立てる。
熟睡し始めたら居間へ行ってお茶でも飲もうかな。
流石に今寝たら朝日が昇る前に起きてしまう。
とか思いつつも先生の体の感触や寝息、匂いに意識が飛んでいつしか寝てしまった。

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