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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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よく寝ている先生を置いて朝の支度。
出勤して仕事をこなす。
休み明けはあまり売れない。暇だ。
やや、眠くはある。
のんびりと仕事を終え帰宅してすぐ先生を送りがてらお稽古へ。
先生のお宅で風呂と飯をいただき、お稽古開始。
下界とは違い涼しく、お稽古するにもちょうどよい気候とあって満員御礼だ。
先生も機嫌よくお稽古をつけられている。
順々に生徒さんが入れ替わり立ち代り。
全員送り出して先生が一旦柱にもたれた。
「あぁ疲れた。ちょっと休憩ね」
その間に台子を出した。
「ん、それするの?」
「していただきたいです、忘れそう」
「忘れるのは駄目ねぇ」
準備が終ったころ、先生がしゃんとされた。
「お稽古、お願いします」
「はい」
厳し目のお稽古が進み、何度か怒られる。
「そんなことじゃ駄目よ、次の許状申請できないわ」
「はい、もう一度お願いしてもいいですか」
時計を見て、許可が出る。
再チャレンジは流石に間違いはなく。
「これがいつしてもちゃんと出来たら次、教えてあげるわ」
「はい」
やっぱり最近エロにばかり気が行ってたからな。
「あんたら、そろそろご飯だから片付けなさい」
「あ、はい」
「それと…開から何か連絡あった?」
「兄さんから? なかったわよ」
「ないですね」
「連絡がつかないらしいんだよ」
「またですか…どこか遠方にいて帰れないだけでは?」
「だと良いんだけどねぇ」
「前があるから心配でしょうが二・三日待ってみてはどうでしょう」
「そうねぇ…」
大変に心配そうだ。
取敢えずはと水屋を片付け、沈んだ表情で先生方が夕飯を取る。
洗い物を片付け帰ろうとすると、連絡あったら教えて、と言われた。
そっと抱き締めてなでる。
「連絡あり次第すぐに」
「お願い、ね」
「じゃ、また土曜日」
「はい」
別れて帰宅する。
一応家の着信履歴も見たが連絡はないようだ。
良い年した男が家族に心配かけるんじゃないよ。
金曜が過ぎ土曜にお稽古に伺ったがまだ連絡がつかないようだ。
「一応警察に届けを出したんだけど…」
「女ならまだしも男じゃねぇ、調べてはくれないみたいだよ」
「まぁ駆け落ちとか自分から失踪とか多いですからね」
それでも先生はお稽古のときになるとちゃんと気を入れ替えてしっかりと先生をする。
そういう所、えらい。
お稽古が終った後、テレビを見ていると御嶽山噴火とあり驚く。
先生方はふーん、と言う感じだが多分この辺噴煙来るよ?
いつもの団欒の時間だが表情は冴えず。
夜は同衾するも俺の懐にいるだけでお願い、と言われた。
そんな心痛抱えてる時にしたいとか言わないぞ。さすがに。
寝付けないようで溜息が何度も聞こえる。
それでもいつの間にか寝息に変わった。
それを聞いてから眠りにつく。

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