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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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翌日仕事を終え先生のお宅へ向かう。
いつもよりはゆっくりでは有るが。
既に生徒さんも着てお稽古が進んでるようだ。
暫くして業者が来た。
応対し、簡単につくとのことであとは工事契約書にサインが必要。
どちらかお手すきかな?と水屋を伺う。
先生が手が空いたところで、説明してサインをいただいた。
工事は水曜10時からと決定して業者が帰る。
さて、そんじゃ俺も帰るとするか。
暇を告げて帰宅する。
晩飯はどうしようか…途中でうまそうな匂いに引き寄せられ、つい焼肉に手を出した。
先生と一緒じゃ滅多には食えないというのもある。
たまに脂っこいもの食べたいからね。
しっかり食って帰り、早めに寝た。
翌日、鯨が入荷し、皆がうまいと言うので先生のお宅へも持っていくことにした。
台所にいた八重子先生に渡すと微妙な顔。
「刺身でどうぞ」
水屋の用意も整い、生徒さんも来られたのでお稽古をする。
先生は心配事があるのに、それを毛ほども見せず、凄い。
見習いたいものだ。
俺へのお稽古も済ませ、夕飯。
鯨、と聞いてみんな恐る恐る手を出した。
「あ、意外とおいしいね」
「堅くないねぇ」
「給食のイメージしかなかったわ」
そんなこんなで全部なくなり、洗い物を終え居間に戻った。
先生は少し溜息をつきつつ俺にもたれてくる。
…色っぽい。
いや、つけこんではいかん。
孝弘さんは通常通りだがこの人は何があっても普段どおりの気がするからなぁ。
今日も先生はしたくなさそうで俺は諦めて寝かしつけた。
しょうがないよね。
朝、してないけど起きられないのはきっと寝付けなかったからだろう。
やはり朝飯を俺が作って先生を起こす。
「…要らない。もうちょっと寝かせて」
「はい。お腹空いたら言ってくださいね」
「うん」
二度寝する先生の頭を撫でて、食卓に着く。
律君もあちこち声を掛けて探しているそうだ。
早く見つかれば良いのに。
10時になり、工事の人が来た。
手早く作業されてガス漏れなども確認しての動作チェック。
OK。問題なし。
昼には先生が起きてきて、スパゲティを食べる。
カレースパゲティ。
俺が前に作ったのがおいしかったとかで。
冷凍庫に有ったカレーで作られた。
あー…ポークカレーだ。
お二方とも家事も何もする気が起きないらしいので出来る事はやってあげた。
台所をしていると背中にもたれてくる。
ドキッとしたが触りに来たわけではないようだ。
開さんが心配すぎて誰かにくっついていたい、そんなところだろう。
あ、そうだ。
台所を片付け終え、先生に乾燥機の使い方を教えた。
「台風来ますしそれまでに一度使ってみると良いですよ」
カレンダーを見て顔を曇らせた。
「あなたねえ、今日仏滅じゃないの。なんでこんな日に設置するの」
「ああ、今日は成ですから。良い日なんです」
見合いや婚礼、新規事業、開店。種まきから普請造作、引越に良い日で、更に結納大吉。
揉め事をするにはよくない日ではあるが。
「成?」
「ほら、ここにかいてあるでしょう」
日めくりカレンダーの小さく書いてある字を示す。
「次の日曜なんて友引に建ですからいい日ですよね。土いじりと蔵開き以外には」
「そうなの?」
「建は大吉です。あれ? 暦注って見ません? 神宮暦とか」
「年末に売ってるのよね? おばあちゃんがどこかに仕舞ってた様な気がするけど」
「気にする人はそれを見て予定立てたりしますよ」
「そんなの気にしてたら生活できないわよ」
「でしょうねえ」
あはは、と笑って明日か日曜に使ってみることを勧めた。
それから先生と買物に出て夕飯の買物を済ます。
「暑いわねえ」
「残暑ですね」
「衣更えしたのにまた単衣着てるのよ、襦袢」
あ、本当だ。
抱いてないから気づかなかったけど、振りから覗いてる。
色々買って帰って、先生と下拵えをする。
気づいてないようだけど、溜息多い。
ちょっと辛気だな。
先生を居間に帰して俺が作ることにした。
今日は律君遅いのかな。
そろそろ食事が出来そうなんだけど帰ってこない。
「先食べたらどうです?」
「ん、そうねぇ。どうしたのかしら」
「友達と騒いだりしてるんじゃないですか。携帯持ってないから連絡が遅れてるとか」
「あの子も携帯持ったら良いのにねぇ」
怖がりだからなー。
食事を終え、俺は帰宅して就寝。

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