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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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翌朝は普通に出勤したところ暇だった。
なので合間合間、社長に旅行の話を聞かれた。
京都土産に定番の八橋がよかった? といえばあんなのいらん! と言われたが。
今回は新定番の京ばあむを3つ買ってきた。
抹茶と豆乳のバームクーヘン。
オッサンと若い兄ちゃんばかりだから和菓子は喜ばれない。
適当に切り分けて俺も一切れ食べた。
うまいね。
仕事が終わって飯を食い、風呂に入って着替えて先生のお宅へ向かった。
「あら、いらっしゃい」
「お邪魔します」
「昨日お土産届いたわよー、あんたも食べる?」
「後でいただきます、今満腹ですから」
「そう? じゃ二つだけ出すわ」
「バームクーヘン、昨日孝弘さんといただいたよ」
「どうでした?」
「意外とおいしいもんだね」
「そりゃ良かったです」
「それと利休バッグ、良いね、あれ」
「あぁ、それは先生のお見立てです。数奇屋袋と悩んだんですけど」
会話を交わしていると宅急便、先生がはーいと言って俺に取りに出るよう言った。
あ、旅行の荷物。
受け取りにサインして引き上げる。
八重子先生が開けて始末してくれるそうで俺は水屋へ入った。
ボストンはね、自分で持って帰ったから。
後は着物と下着しか入ってない。
先生の荷物もそんなものだ。
整えてお待ちする。
すぐに先生、生徒さんが来られて稽古を開始した。
すいすいとお稽古は進みあっという間の夕方、皆さんが帰られた。
それから俺にも稽古をつけてもらってから水屋の始末をする。
いつもどおり。
夕食をいただき、洗い物を持って帰った。
翌日は普通に仕事をして帰宅して…すぐに寝た。
なにか疲れてたようだ。
さて土曜は忙しく、さすが行楽シーズンではある。
おいしそうな天然の鯛1枚とマグロを連れて帰ることにして仕事終了。
帰宅して風呂に入ってから先生のお宅へ。
八重子先生に渡すと喜ばれた。
いつものお稽古の後、鯛は俺が造った。
薄造りにして塩ごま油で食べていただく。
先生も八重子先生も嬉しそうだ。
律君は中トロをうまそうに食べてる。
若いから脂っこくても大丈夫なんだろうね。
食後のおやつに、と土産の中からラングドシャを先生から貰う。
濃茶のラングドシャの間にホワイトチョコ。
マールブランシュの茶の菓だ。
これうまいんだよね。
団欒していると律君が戻ってきた。
「お風呂あいたよ」
「じゃ入ってこようかね」
八重子先生が入りに行って律君が座る。
「はい、あんたも食べるでしょ」
「あ、ありがと。凄い色だね、これ」
「おいしいのよー」
「へぇ…あ、ほんとだ」
テレビを見つつまったりと。
「あ、そうそう」
「ん?」
「久さん、お風呂あいたら先に入っててちょうだい。半衿つけるの忘れてたわ」
「はい」
「どこか行くの?」
「明後日朝からお稽古なのよね」
「月曜?」
「そうよ、支部のお稽古日」
「あぁ花月するんでしたっけ」
「二人貴人且座か仙遊あたりじゃないかしらね」
「うーん。難しそうですね」
さっと立ってお針道具と襦袢、半衿を持って戻られた。
広げてつけ始められる。
お針をする女性って良いな。
見とれてると八重子先生が上がってきた。
「先入りなさい」
「あ、でももう終りそうでは」
「もうちょっとだけど。お湯冷めちゃうわ。早く入んなさいよ」
「んー、はい」
見てたかったんだけどなぁ。
のっそりと起きて風呂場へ向かう。
脱衣かごに脱いで落としてタオル片手に風呂。
風呂は入ってきているからざっと汗を流し股間を濯ぐ。
さて、湯に浸かろうとしたら先生が扉の外で縫い出る気配。
思わず開けると、小さくきゃっと言った。
「今更、隠しますかね?」
「もぅっ、吃驚するじゃないの」
脱ぐのを眺めてるとちょっと恥ずかしそうだ。
「すぐ入るからお湯につかってなさい」
ぴしゃんっと戸を閉められた。残念。
湯が熱いんだよね。
そろりとまたぐとカラリと戸が開いた。
「あら、…ごめんなさい」
丁度股間見られたようだ。
別に良いけどさ。
「…ねぇ。あなたも白髪あるのね」
「ん? ありますよ。先生のはそろそろ切ってあげましょう」
あ、赤くなった。
洗い場に戻って先生を洗う。
さわり心地がよい。
念入りに磨き上げて一緒に湯船へ。
「はぁ…気持ち良い…」
「お疲れ様でした」
頭を撫でてキスをする。
「そこまでよ」
「ですよね」
暖まって風呂から出てまずは先生の水気を拭き取って自分を拭く。
浴衣を引っ掛けようとしたら腕つかまれた。
「こら、背中まだ濡れてるじゃないの」
さっと拭かれて浴衣を着せられた。
「暑い…」
「だめよ、ほら、崩さないの」
暖房の入った居間に戻るのはちょっと辛いので涼みがてら台所へ行き、お酒を取ってきた。
どうせ暑いなら飲みたくなって。
「ん? 飲むの?」
「どうぞ」
先生に杯とらせてついで、八重子先生にも。
俺はコップで。
「おいしいわねー」
「そうだねぇ」
八重子先生は3杯ほどで眠くなったからと部屋に帰られた。
先生にお注ぎしてもう少しゆったりとしくつろぐ。
ドラマが終ったので先生が鍵掛けてくるわ、と立った。
んじゃ俺は酒を片付けてついでに火の始末だね。
確かめていると先生が戻ってきて先に部屋にいると仰る。
まぁ女だから色々やることがあるんだろう。
茶室の炭も確かめたら寝間に入る。
暗い部屋にランプの明かりはやっぱり良いね。
布団を敷いて待つ。
手入れが終った先生が布団に入って添い寝をする。
今日はそんなにしたそうでもないので撫でているうちに先生は寝た。

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