休み明け、出勤は天気もよく入荷もそれなりでお客もそれなり。
まぁまぁ売り上げて帰宅した。
うーん、秋。
散歩しようかな。
途中思いついてカフェ&バーの店に顔を出した。
「お、久しぶりだねぇ? いつもの?」
「うん」
生姜酒。
生姜蜂蜜をジンジャーワインとスピリッツ、ジンジャーエールで割ったもの。
なので結構度数は高い。
普通はジンジャーワイン&ジンジャーエールらしいが。
友人はこれに更に生姜の摩り下ろしを入れてた。
一口舐めるように飲む、
辛くて、甘く、強い。
飲んでる間に日替わりの肉定食が出てきて食いつつ飲む。
うまいな。
今日の焼肉は醤油系だが、これは柑橘を感じる。
「わかる? みかん」
みかんをタレに使うとは考え付かなかった。
レモンやスダチはわかるけど。
「あれ、山ちゃん久しぶりだねー」
「お、中川じゃん。お前こないだ彼女と別れたって聞いたぞ? マジか?」
「マジよマジ。他の奴と結婚するから別れて!だぜー」
「きっついなぁそれ。二股かぁ」
「いや見合いだってよ。アイツの親に反対されててさぁ」
「あー。お前すぐ仕事やめるからな」
「うるせー」
「こないだは現場で監督殴ったって言ってたろ」
「示談示談、んなの」
「金のある奴はこれだから」
ケケッと中川が笑って奴も定食を食い始めた。
「うめー。おーい、ビールくれや」
生中飲みつつ煙草を一服。
「相変わらずだなぁ」
「だってうまいじゃん?」
「うまいけどさ」
「お前タバコは?」
「やめた。女が吸わないから」
「あ、女出来たんだ?」
「でも他所の嫁さんだから。同棲できなくてさ」
「不倫?」
「そうなる」
「他所の嫁さん血まみれにしてんのか」
「いや、まぁなんつーか今回は違うんだよな。良い女過ぎて出来ない」
「へーお前がねぇ。大事にしろよ」
「してるよ、多分」
食い終えておかわりを頼んで暫く飲んで惚気を聞かせた。
「クッソ俺も早く次探さねえとな」
「頑張れよー」
そろそろハロワへ行く、と言うのでお開きにして別れる。
あれ、あいつビール飲んでたよな。
大丈夫かな。
ゆったりと良い天気の中歩いて帰宅した。
うーん、良い気持ちに眠い。
寝巻きに着替えてベッドにもぐりこみ、昼寝を決め込む。
夕方、先生からのメールで目が覚めた。
あーうまそうな飯だ。
俺は、と言うと何も買ってなくて外に出る気にもなれず。
おかかとご飯で食って再度布団に潜り込む。
先生には内緒、内緒。
おやすみなさい。