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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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朝が来た。
先生はいつものように寝過ごして今日は八重子先生も遅かった。
俺もちょっと眠い。
律君が朝食後遊びに出るというので三人で二度寝と決め込んだ。
お昼の材料もあることだし。
先生を懐に抱いて日の高いうちに先生のお宅で寝るのは何か変な感じだけど。
昼前に俺だけ起きて支度をする。
作るだけ作って孝弘さんの部屋に運び、それから八重子先生の部屋を覗く。
まだ良く寝てらっしゃる。
自然に起きるまで良いだろう。
暇なので庭で煙草を吸いつつ宿へ問い合わせを掛ける。
幸いと言うかなんというか、良いほうの部屋に移れるとのことで。
そのうち八重子先生が起きてきた。
「あぁよく寝た」
「お昼、出来てますがどうされますか?」
「いただくよ、ありがと」
おかずを出してご飯をよそい、持ち出す。
食べてるところを悪いけど聞いてみた。
やっぱり即答でOKが出て宿へ部屋の確保を依頼することになった。
電車も二人席に変更をする。
「お稽古休ませすぎではないですか?」
「まだまだ私が元気な内はね、楽しんだらいいんだよ」
暫くして先生も起きてきたので俺の分とともにご飯を持ち出した。
「あんたまだだったの?」
「先生起きてからにしようと思いまして」
「待たなくて良いのに」
「さ、食べましょうよ、熱いから気をつけて」
味噌汁温めなおしたから。
俺の分はぬるいうちにとって有る。
少し遅めのお昼を頂いてるところに環さんが来た。
「なぁに、こんな時間に食べてるの?」
「いらっしゃい」
「お昼食べたの? まだだったら」
「食べたわよ、とっくに」
先に八重子先生が食べ終わってたので台所に運びがてら環さんにお茶を入れてきた。
「で、今日はどうしたの」
ちらっと環さんが俺を見る。
同席では言いにくい話のようなので手早くご飯を食べ、台所に片付けに立つ。
席を外した途端何か先生方と話されてるようだ。
これは戻りづらい。
幸い煙草も懐にあるので庭に出てまた一服つけることにした。
縁側で吸っていると孝弘さんも出てきて二人で日向ぼっこ。
何かおかしい。
「おい、今度またあの羊羹買ってきてくれんか」
「はいはい、羊羹ですね」
うまかったらしい。
暫くぼんやり煙草を吸って、孝弘さんと話していると帰られた様子。
火の始末をして居間に戻るとちょっと先生がしょんぼりしている。
気散じに、と買い物に連れ出した。
お夕飯の買物と、日用品の買出しだ。
トイレットペーパーは律君も買ってきてはくれるが生理用品は流石にね。
洗剤なども選んで。
そうこうするうち少しは気が晴れてきたようだ
「あ、そうそう。連れてってくれるの?」
「はい、八重子先生から許可でました。温泉ありますよ」
「あらーほんと? 嬉しいわ」
「ただそんなに期待しないでくださいよ。仕事で行く予定だったんで」
「いいの、いいの」
すっかり機嫌が直ったようだ。良かった。
沢山の買物をして積み込み、車を走らせる。
「ね、あっちの家行ってもいいわよ」
「夜するのは嫌ですか」
「だって朝起きれないんだもの」
「OK、じゃ参りましょう」
連れて行って暖房を入れ一服してから脱がせた。
「寒…うぅ、お布団もまだ冷たいわねぇ」
「すぐに暑くなりますよ」
まずはキスして。
サブイボが出ていて滑らかではない肌を丁寧に撫でていく。
つん、と乳首が立っていてつい齧った。
「痛いわ…」
甘噛甘噛、問題ない。
暫く両乳首を弄ってるとサブイボも落ち着いたようだ。
布団も先生も俺の体温で温まってきた。
でもまだ背中が冷えてるな。
手を隙間に押し込んで温める。俺の手は暖かいからね。
目がとろんとしてきた。
「寝そうになってるでしょ」
「あ、ごめんなさい、つい」
「優しく、と思うとすぐ寝ちゃうよね、先生。やっぱり激しいのが良いのかな」
「だ、だめよ。帰らなきゃいけないもの…」
「だよね」
寝ない程度に優しく、やや声が出る程度に抱いて布団が暑くなった。
「お風呂入るわ、汗かいちゃった」
「洗ってあげよう」
「ダメ、そう言ってまたする気でしょ。そろそろお夕飯の支度しないといけないのよ?」
「へーい…」
頬を両手で挟まれてキスされた。
先生は俺の長着を羽織って着替えを持って風呂に入る。
えらいよなー。
俺ならそのまま裸で入って裸で出るぞ。
さてちょっと物足りなくはあるが俺も着直さなくてはなぁ。
もぞもぞと布団から出て下着を替えて手早く襦袢を着る。
長着は先生が脱衣所に持っていったんだっけ。
取りに行くと先生が風呂から上がってきた。
うーん、綺麗だ。
ふっと先生が笑って浴衣を羽織る。
「ね、先生、もう一度だけ」
「だめって言ってるでしょ。着替えるから待ってて」
ちぇっ。
長着をまとって待てば着替え終えた先生が帰ろう、と仰る。
仕方なく共に先生のおうちへ戻ると八重子先生にふて腐れた顔していると指摘された。
苦笑しつつ夕飯の支度をする。
先生は湯冷めしちゃ行けないから居間でゆっくりして貰い、下拵えが終わって呼ぶ。
後は味付けだけだからお任せして俺は居間のコタツに足を突っ込んだ。
「うぅーぬくい」
「明後日のお稽古は来るのかい?」
「あ、はい。水曜から行く予定です」
だから明日帰宅したら荷造りしておかねばならん。
明後日もこっち泊まるし。
「久さん、取りに来て頂戴」
「あ、はーい」
ぬくぬくしてたら呼ばれてしまった。
お盆に載せて運んで。
律君も孝弘さんも匂いに釣られて出てきた。
「んー、おいしそう」
「でしょ? 一昨日テレビでやってたのよ」
なるほど、これがさっきのあれか。
何を作らされてるのか良くわかってなかった。
食うと実際うまい。
綺麗さっぱり無くなってご馳走様をしてお片付け。
それから風呂に入って、まったりして戸締り火の用心、寝間に移動した。
休みって早いよな、時間経つの。
あくびを連発する先生を懐に抱いて寝て気づけばもう朝だ。
今日は流石に先生も早起きで朝食を二人でこしらえ、皆で食べる。
昼までにあちこちを片付けた。
お昼ごはんは八重子先生作。三人だからと丼物。
食べた後先生に荷造りのこと、出発時間とうちに来る時間の話を詰めた。
「結構移動時間かかるのねぇ」
新幹線で京都まで、そこから乗り換えはしだてで宮津。そっからはレンタカーだ。
9時半にうちを出て3時半にチェックインの予定をしている。
但馬空港直結の飛行機でも飛んでたら良いんだが。
「乗り遅れると京都からレンタカーで3時間ですからねー」
「電車のほうが楽よねぇ」
「一応特急ですし、トイレついてますしね。車内販売はありませんが」
「ないの? お昼どうするの」
「乗換えが15分程度ですし、新幹線で買って特急で食べましょう」
ホームが端から端の移動ゆえに危険を冒したくはない。
俺だけなら6分有ればいけるけど。
「あ、でもちょっと待って」
電話を掛ける。
まだ予約できるかと聞いたら今日までとのこと。
一旦電話を切り、先生とタブレットで弁当一覧を見る。
先生は結局400kcal台弁当、俺は仙台黒毛和牛弁当とチキンサンドを頼んだ。
新横浜で車内販売の人経由での受け取りになる。
「お肉の弁当に更にチキンサンドねぇ…」
そういいつつ俺の腹肉を抓む。
「何で太らないのかしらね」
「それなりに動いてますから」
「いいわよねぇ」
「あっ」
「どうなさいました?」
「お茶室掃除するの忘れてたよ」
「しときました」
「え、いつ?」
「当日中に。いつも先生仰ってますから」
「なら良かった。うっかりしてたわ」
「偉いわねぇ」
先生が髪を混ぜ繰り返す。
「セットが乱れるー」
くすくす笑ってセットなんてしてないくせにー、と撫で付けてくれた。
「何で七三ですか」
「なんとなく? うふふ」
夕方になってそろそろ、と別れ、帰宅した。
旅行の荷物を作る。
寒いかもしれないので荷物が大きくなる。
…先に宿に送るか、仕事用の上着とか。予備あるし。
天気予報を確認する。特に荒れそうな気配はない。
送ろう、うん。
荷物を作り、クロネコに持ち込んだ。
そうすると持っていく荷物は少なくなり、先生の荷物を持って歩くことが出来る。
用意を終えて食事に出た。
もう時間は遅いから軽めに焼肉を食べに行って、それから寝た。
おやすみなさい。

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