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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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486

翌朝、出勤して仕事をする。
暇である。
しょうがない。
社長に出張の時に先生を同伴することを言うと小遣いを貰った。
流石にすべて二人分となるとこの給料でも痛いっちゃ痛いから助かる。
仕事を終え一旦帰宅し風呂に入って先生のお宅に向かった。
お稽古を手伝い、食事を頂いて先生を連れ、うちへ戻る。
先生は少し疲れた表情なので即就寝。
俺は朝食の買物をしてから先生の横に潜りこんだ。
そんなわけで出張当日だ。
先生が簡単な朝ご飯を作ってくれ、食べた後支度をする。
俺は洋服、先生は着物。
「支度、よろしいですか?」
「いいわよー」
「じゃ行きましょうか」
9時半過ぎに家を出て順調に新幹線に乗り京都へ。
寝てるように言ってあったので早々に寝息を立てている。
新横浜を過ぎて車内販売がきた。
支払って弁当を受け取り、バッグから保冷バッグを出し、弁当を入れた。
新幹線の中は暖かいからね。
少し大きいしかさばるがしっかり保冷できるバッグだ。
いわゆる業務用だから柄とかなくて無骨だけど。
後は京都まで電車に揺られて。
先生を手前で起こして乗り換え準備。
降りたら先生の手を引いて足早に山陰線方面へ移動した。
電車は既に到着していたが、時計を確かめれば指定の車両までホームを移動可能だ。
自販機でお茶を購入して指定の車両に乗車し席を確かめて座る。
ふー、と先生が息をつくとドアが閉まった。
「乗り換え出来たわね。なんとか」
「あとはまた駅まで長いので落ち着いたら飯にしましょうね」
宮津までディーゼルが唸る。
弁当を出し先生に預けて保冷バッグを畳んで仕舞った。
ちゃんとひんやりしている。
温かいお茶と共に暖かい車内で食う分には問題ない。
欲を言えば熱々のものを食いたいが。
駅弁を食い尽くしたら先生は車窓風景を楽しんでいる。
俺は続いてサンドイッチを食う。
食べ終わった頃、トイレに行かれた。
戻ってきてすっかり目が冴えたようである。
俺がちょっと眠そうなのを察したのか、肩を引き寄せられた。
「ねぇ。起きてるから寝ても良いわよ」
「ありがとう」
ほんの少し寝ることにして、先生の体温と匂いを楽しむ。
夜には軽めにだが抱いてしまおう。
どうせ寝坊をしても食事の支度をする必要はないから。
揺り起こされて気づけば次は宮津とのことだ。
下車準備をする。
先生にもコートを着せ、俺も上着を着た。
到着、下車。
「さむーい…やっぱり日本海側ねぇ」
「まだ日があるから暖かいですよ。日が落ちると冷えますから早く行きませんとね」
レンタカーを借りに行く。
真っ赤な車体に先生がこれが良いという。
デミオか、まぁいい。
割と剛性あるらしいし4WDみたいだし。雪も降ってないし。
ナビに宿をセットして先生を後部座席に、荷物をバケットに積み込む。
助手席に座れないのはいつも不満らしいけど。
初めて乗る車だから安全運転に勤める。
先生は俺が眠くならないように色々話しかけてくれる。
1時間ちょっと走らせて宿につくとやっと気が楽になった。
大事な人を乗せて長い時間運転はやはりしたくない。
部屋に通される。予想していたより良い部屋で先生も嬉しそうだ。
荷物も届いていたのでさっと片付ける。
早速お風呂に行きたい、と仰るので一緒に行った。
今日は着物じゃないから脱衣所で間違えられても平気だし。
掛湯をして湯に入る。
「うぅー」
「気持ち良~ぃ」
「ぬくいですねぇ」
のんびりと、出張と言うことを忘れそうになる。
湯から上がると先生が洗ってあげる、と持ってきたボディタオルを。
泡を沢山立てて撫でるように洗ってくれた。
俺もお返しに洗って差し上げる。
先生の滑らかな肌が好きだから雑になんて出来ない。
綺麗に濯いだら再度湯に浸かる。
とん、と先生がもたれて来た。
乳が湯の浮力で上向きになっている。若いときはきっと…。
いやまて、ずっと着物生活なら若くても垂れてたか。
「なぁに?」
「なんでもない」
流石に今聞くのはどうかと思う。
「そろそろ上がりましょ」
「はい」
着替えて部屋に戻りくつろぐ。
「ねぇ、あなた明日、朝早いの?」
「あはは、昼からですよ」
「そう。なら良いけど」
「ご飯食べたら寝ちゃうのかしら、って」
「旅に来てそれは顰蹙ですね」
くすっと先生が笑う。
「今日は疲れたでしょ、だから眠くなっちゃったんじゃないかと思ったのよ」
「そうだなぁ。あなた以外となら寝ちゃうかもしれませんね、ほっといて」
だけど恋人と一緒にいて、触り放題なのになんで寝たくなろうか。
「おいで」
呼んで懐に抱く。
「食事まではこうしていたいな」
「そうね…」


昨日久さんと一緒におうちへ行って、先に寝ててと言われて布団に入った。
楽しみで寝付けないかと思ったけど気づけば朝で、久さんが横で寝息を立てている。
朝御飯、作ってあげなきゃ。
でも冷蔵庫に何があるのかしら。
お手洗いを済ませ、冷蔵庫を覗き込むと意外と色々入っていた。
あら? もしかして昨日買いに行ってたのかしら。
助かっちゃったわ。さ、作りましょ作りましょ。
ご飯を炊いてお味噌汁の具を切って。
おかずは…んー…これにしましょ。
手早く作り終えると久さんが起きてきた。
「あー腹減った、うまそう」
「こら、おなかすいたって言いなさいよ」
ほんと男の子みたいなんだから。
めしーと言うので叱りつつ配膳させて朝ご飯を食べる。
嬉しそうよね。
こちらも嬉しくなって。
食べ終わってから身づくろいをしていざ旅行へ。
新幹線では眠くなったら寝て、と言われて寝てしまい、そろそろ降りるよ、と起された。
荷物は全部久さんが持ってくれて手を引かれて乗り換えの電車へ。
電車が動いてすぐ。公園が見える。
「ここ、俺の通ってた学校の裏。であっち。俺の元職場。んでこの下、俺の前の家です」
「あらー。ほんとすぐそこなのね」
何か荷物が多いような、と思ったらお弁当。私に預けて入れ物を仕舞ってる。
「さていただきましょうか」
「冷たいのね」
「車内暖かいから悪くなるよりは、と。ほい、温かいお茶」
山沢さんなりに気を使ってるみたい。
私はお野菜たっぷりのお弁当を頂いて久さんはお肉。
おいしそうだけど私なら胃が重くなりそう。
こっちにして置いてよかったわ。
久さんが食べ終わったと思えばサンドイッチも食べ始めた。
見ているだけで胃が重くなりそうで窓の外を見る。
風景がうちのあたりとは違うわねぇ。
そろそろお手洗い行きたいかも。
久さんがガサガサと片付けだしたので捨てついでにお手洗いへ行った。
…新幹線で行っておけば良かったわ。
ちょっと後悔しつつ席に戻ると久さんが眠そう。
肩を抱いてもたれさせ、寝かせた。
こうしてると他の人からはどう見えるのかしら。
親子やツバメと言うには久さんは若くない。
旦那さんと言うには若い。恋人かしら。不倫カップル?
気持ち良さそうに寝息を立てる久さんを見ているとイタズラしたくなるけれど。
時折山間に町が開ける車窓を楽しみに。
ゆっくり時間が過ぎて次は宮津、とのアナウンス。
久さんを揺り起こし目を覚まさせた。
大きなあくびをして荷物を下ろし、私にコートを渡してくれた。
手早く着ると山沢さんはジャンバー姿。
最近着物姿しか見てなかったから違和感があるわねぇ。
洋服といえば衿のあるものばかりだったもの。
荷物を全部持ってくれて駅に降りる。
電車内との温度差に身をすくめた。
車を借りるから、とレンタカーショップに行くと色々並んでる。
「赤いのが良いわ、あれ可愛いじゃない」
久さんが性能など聞いている。私にはさっぱりわからないけれど大丈夫みたい。
助手席に乗ろうとしたらあなたはこっち、と後部座席。
それも久さんの後ろに座らされる。
「いつもここよねぇ」
「一番そこが安全なんです。シートベルトもしてくださいね」
「あなたの運転で怖いって思ったことないわよ」
「いいからいいから」
納得はしてないけどみっともないから諦めた。
いつもより久さんは緊張して運転しているようだけど。
眠くならないよう適度に話しかけていたらついた。
お部屋に通されると素敵な部屋。
「あ、結構良いな。ランクアップは頼んであったけど心配だったんだ」
「嬉しいわ。ね、お風呂はどうなのかしら」
「はいはい、行きましょう行きましょう」
着替えを手にとって二人連れ。
脱衣所も綺麗で嬉しいわね。
久さんを洗ってあげたら代わりに私も洗ってもらってゆったりお湯に浸かる。
丁寧に洗ってくれるから任せていられる。
お風呂から出て部屋でくつろぐ。
ご飯までもう少し、少し久さんは眠そうにしている。
食べたら寝たら? と言ったけど勿体無いから起きてるって言うの。可愛いわよね。
暫く抱っこされてたんだけどそろそろ時間ね。
ちょっと身づくろいをして。ここは部屋食らしいから。
山沢さんも敢えてちゃんと離れてくれている。
運ばれてくる食事は豪華でおいしそう。
「かには明日頼んでありますからね」
「そうなの?」
「まだ解禁してませんもので…すいませんねえ、他の産地のものならあるんですよ」
仲居さんがすまなさそうにしている。
「だから明日。良い奴頼んでありますからねー」
「で、久さんはやっぱりお肉なのね」
「あはは、これ丹後牛なんですよ。聞いたことないでしょ?」
「ないわねぇ」
「もともと農耕用ですが改良して肉牛になったんですよ。
 中央第二市場を通すと京都肉ってブランドになりますが」
「京都でお肉ってイメージないわねぇ」
「米のイメージもないでしょ。海のイメージもないし」
「ないわー」
「京都の人は東京の米のイメージもありませんけどね」
「そうでしょうねぇ」
おいしい、おいしいと食べていると久さんが微笑んでいる。
「太っちゃうわね」
「運動しませんとね」
うふふ、と笑い返してデザートもおいしい。
満腹で幸せ。
お酒も頂いたし。
「ねぇ、これだけ山があるんだから鹿や猪もいるの?」
「いますいます。食いたいなら昼に食いますか?」
「ううん、折角海の近くだからお魚が良いわ」
だって両方うちのあたりにもいるって話だもの。
仲居さんが片付けに来てテーブルを綺麗にして行った。
上げ据え膳、やっぱり良いわよね♪
お酒だけ残してあって久さんが注いでくれる。
ん、おいしい。
返杯。
もう少し飲みたいのに取り上げられちゃった。
「お風呂、入るんでしょう? ならこの辺にしましょう」
沢山飲んではいると良くないんだそう。
脱衣かごに浴衣を脱いで落とし、久さんと二人で部屋の露天に浸かる。
やんわりと久さんに抱き締められて、手が胸を揉み、股間に伸びてくる。
乳首をこじられるとお腹に不快ではない響き。
早く下にも触れてほしいけれどじらされる。
久さんはいつもそう。私から求めるのを待っている。ずるい。
「そろそろのぼせるね、出ようか」
湯船から出されてバスタオルで拭かれた。
そのまま指が股間を這う。
「あ、だめ、ここじゃ…」
まだ外だもの、聞こえちゃうわ。
「たまにはいいだろう?」
耳元で言われてゾクゾクする。
「ほら、随分と濡れてるじゃないか」
恥ずかしい…。
音を立てて弄られてからだが熱くなる。
「して欲しいんだろ」
思わずいやいやをする。
「正直じゃないなぁ」
久さんが笑って一番敏感なところを刺激してきた。
「そ、そこだめ、声出ちゃ、あっ、うぅっ」
キスされて声を封じられて頭が真っ白になる。
体が痙攣して後はされるがままになった。
久さんのいやらしい問いにうっかり答えては、なぶられて。
私のすべてをむさぼられているような、そんな気がするのよね。
足の指の一本一本まで舐められたり。
「嫌がる顔、良いね。ここはくすぐったい?」
くすぐったいけど感じてしまう。
でもお尻の穴をいじるのだけはやめてほしい。
いつかここにも太いのを、なんていうけど無理よ。
指だけでもこんなに入ってる感じがするのに…。
「あれ? 便秘?」
ばっと顔に血が上った。
「ほら、これ」
「きゃっ中で動かさないでっ」
あ、お手洗い行きたくなってきちゃった。
そう言うと指を抜いてくれて離してくれた。
慌ててお手洗いに入ると久々に出てスッキリ。
手を洗うと既に久さんは浴衣を着て座敷に座ってお酒を飲んでいる。
私も浴衣を着て傍に座った。
「出た?」
「あ、うん…」
「そりゃ良かった。今度便秘になったら言うといい」
「何言ってんのよ…」
恥ずかしいじゃない。
「出させてあげるよ?」
久さんなら確かにいろんな事知ってそうだけど…。
「浣腸とかって言うんでしょ、自分でするわよ」
イチジクくらいしたことあるもの。
「ま、それでも出なけりゃね。出るようにしてあげますよ」
恥ずかしがってたらコップを渡された。
ん、おいしい。
けどお酒じゃなくお水だった。
「風呂の後は血が濃くなるって言いません?」
コップを置いたら杯を渡されて注いでくれる。
いくつか飲んで眠くなりもたれかかった。
「疲れたみたいですね。そろそろ寝ますか?」
「うん…」
抱き上げて布団に入れてくれる。
腰、大丈夫なのかしら。
私から身を離した。すっと温かみが消えて寂しくなる。
あ、お膳を片付けてるみたいね。
そんなのいいのに。
暫くして私の横にもぐりこんできた。
ひんやりしている。
「うぅあったけー」
「行火じゃないわよ」
笑いながら抱き締めてあげて撫でてあげる。
お休みのキスを交わして睡魔に身をゆだねた。

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