うちへ帰ると良い感じで眠くて布団に潜り込む。
アラームに起こされる朝。
もう少し寝ていたいが仕方ない。
着替えて出勤するもやはり今日からは暇で早めに帰宅できた。
飯を食ってゆっくり風呂に入りそれから先生のお宅へ。
「こんにちは」
「あ、いらっしゃい。早く用意して」
「はい」
昨日の初釜に来られなかった方の為に茶事形式で、ということだった。そうだった。
すっかり忘れてゆっくり来てしまった。
去年やったように支度をして、生徒さんを待つ。
つんつん、と背をつつかれて振り返ると先生が俺の口になんか入れた。
あ、お干菓子。
うまい。
頭をなでて茶室に戻って行かれた。暫くして生徒さんがいらっしゃってお稽古開始。
お菓子を出したり濃茶を点て出したりと先生の指示に従う。
炭の手前を拝見するのも楽しい。
今日はこれで、と声がかかったのは4時ごろ。
皆さんが帰られてから俺へのお稽古。
忘れているところが沢山あり、手厳しく直された。
「あさっても今日と同じだから忘れないで頂戴、水屋。もう指示しなくても動けるでしょ」
「う、はい…」
「わからなきゃ教えてはあげるけど」
「お願いします」
「さ、仕舞って頂戴。ご飯の支度手伝ってくるわ」
「はい。お稽古ありがとうございました」
先生と挨拶を交わして仕舞いに掛かる。
「あ、そうだ、久さん。今度の日曜なんだけど」
「はい?」
「お芝居行く約束しちゃったのよ~ごめんなさい」
「あ、お友達ですか?」
「そうなの。だからその、土曜日も…ごめんね」
「あぁ。いいですよ、かまいません。今日少し長めに良いですか?」
「それでいいなら」
ほっとした表情でそそくさと台所へ行った。
ま、たまにはね。お友達とも遊びに行きたいだろうし。
しょうがない。
片付け終えて台所に顔を出せば孝弘さんを呼んできてと仰る。
はいはい、と離れに行くとメシか? と先に聞かれた。
「もうそろそろご飯が炊けるそうですよ」
「ん」
のそのそと後をついてくる。
今日のメシはなんだろう、楽しみだ。
「律ー、ご飯よー」
「はーい」
先生の声が聞こえる。
家でご飯を取りたがる男子大学生はやっぱり珍しい。
食卓の上はいつものように和食だ。
一汁三菜以上かならず作るのは仕事を持つ女性としてはすばらしい。
美味い。
飯を食ったら後は半衿をつけたり足袋をつくろったり。
夜が更けて風呂に入り共に布団に潜り込む。
気恥ずかしそうなのはいつまでたっても変わらない。
ゆっくりと楽しみ気持ちよくさせて。あくびが聞こえる時間になった。
胸に手を這わせつつ寝かしつける。
「あなた、本当におっぱい好きよね…」
「やわらかくて好きなんだけど……腹のほうが良い?」
「お腹はやめて」
「じゃあここは?」
恥丘のふくらみや尻を触る。
「こら、もう。寝なさいよ」
「もうちょっと駄目? したくなった」
「ばか、もう、ん、こら」
「可愛いな。ね、好きだよ」
「やだ、恥ずかしい」
もう一度だけ、と抱いて。
し終わって眠たげなのをなでているうちに寝息。
今度は胸を触っていても眠気が勝ってしまったようだ。
気持ち良さそうな寝息に愛しくなる。
俺だけのものにしたくなっていつも困るんだよな。
キスマーク一つ、つけられないんだから。
溜息を落として寝ることにした。おやすみなさい。