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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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「さて。歩けますか?」
首を振る。
仕方ないな。担ぐか。
先生に手を掛けるとビクッとしている。あ、怖がってるな、これは。
担いでベッドにおろした。使った道具を片付けねば。
手を離すと袖をつかまれた。ん?
「あの、いかないで…」
「怖いんでしょう?」
…しばし無言。
手が離れた。
部屋を立ち去り先ほどの道具を洗う。
ざっと拭いて洗濯機の上に並べる。
そのまま仕舞って乾かなくてカビが生えても嫌だ。
よく手を洗ってから、台所の洗い物の続きをする。
眠くなってきた。
うーん、まあ寝てもいい時間だが。
書置きを作って、明日帰りたければ帰ってよい旨、鍵、電車賃などを出しておく。
こんなものか。
部屋に入ってベッドに腰掛けると先生がびくびくしている。
苦笑して逆側、先生に触れないように布団に潜り込み、すぐに電気を消した。
「おやすみなさい」
「おやすみ…なさい」
先生の返事が返ってきて、私はさっさと寝た。

起床時間。
ベッドから出ようとすると、もう?と先生が聞いてきた。
言葉少なに返事をしてとっとと出勤をした。
会社から帰りたくないなあ。なんて。
帰宅してみると鍵が開いて、おいしそうな匂い。
あ、れ? 帰らなかったのか。
「おかえりなさい」
「…ただいま。どうしたんです?帰らなかったんですか?」
「その…昨日はごめんなさい。怖くなっちゃって。
 もうすぐご飯できるからお風呂入ってきて貰えるかしら」
はいはい、とりあえず浴びてこよう。
洗面所で脱ぐ、なにか違和感。
洗濯機の上にタオルが掛けてある。
…ああ。
昨日の道具の上にタオル(笑)
風呂から上がって浴衣を身にまとい、台所に顔を出す。
粗方できているようなので食卓を整えて、出来ている物から出して行く。
うまそうだ。
昨日の残りは朝食べてしまったらしい。
野菜類は朝方買い物に行ったそうだ。
ご飯をよそってお茶を持って先生が来た。
まずはご飯をいただいてから、ということのようだ。

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