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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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74

夜。
先生が来た。
「何しに来たんですか、こんな時間に」
「…その。ごめんなさい」
「とりあえず上がってください。卑怯ですね、終電もない時間に来るとは」
ビクビクしているな。
「何をそんなに怯えているんです?昼の余裕はどうしたんですか?」
八つ当たりして居る自覚はある。
深呼吸一つ。
「着替えて、寝てください。俺はこっちで寝ますから」
和室に入り襖を閉めて畳に布団を敷き転がる。
しばらくして、襖が開いた。
「あの、山沢さん…お昼はごめんなさい。私…」
「もういいですからベッド使ってください」
「山沢さん…」
「寄るな!」
先生が私に近づいてきて…思わず。
「ご、ごめんなさいっ…」
「ああ、もう、あなたが布団で寝るなら私がベッドで寝ますから」
「…そんなこと、いわないで。お願い…」
「それ以上近寄ったら酷い事しますよ」
怯えた顔だ。もう近寄らないだろう。
!!
先生が抱きついてきた。
「酷くしてもいいから…許して」
くっ、と嘲りの笑みが浮かぶ。
「簡単にそんなこと言うものじゃない。
 あなたは私の酷さを知らないからそんなことを言うんだ」
「しらないわ…でも、このままじゃ、いや…」
「隷属、させますよ?」
「なんでもいいから…」
…あ、多分意味わからずに言ってるな。
醒めてきた。
再度深呼吸。
「とりあえず今日は寝なさい。もう遅い。
 明日朝、部屋に辞書があるから隷属の意味調べてから、この話の続きをしてください」
動こうとしない。
ったく。ひっくり返して布団に押し込めて立つ。
慌てて起きて取りすがられた。
「抱いてくれない、の?」
「あんたなあ!いい加減にしろよ!」
胸倉を掴んで布団に投げつける。
「寝ろ!」
言い捨てて寝室に入る。鍵をかけて。
ああ、もう腹が立つ、自分に!

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