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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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女性らしく細いのに丸くて、やわらかくて。
しっとりなめらかな肌。
一週間も手放すのかと思うと惜しい。
だけど…このままの関係で死ぬまでいられるわけじゃない。
いつか別れがくるんだから、心積もりは必要だよな。
考えたくないなぁ…。
寝顔を見つつ、いつしか寝てしまった。
翌朝、二人とも定時に起きて朝御飯の支度を整える。
朝食後律君を送り出しひと段落。
主婦って忙しいんだなあと思うね、なんだかんだ。
八重子先生がお茶を入れて下さりありがたくいただく。
明日から一週間出張の話をするとやっぱり心配されてしまった。
そんなにしそうですか、浮気。
というか娘が心配というやつだな。
「せめて一ヶ月あたりからその心配してくださいよ…
 さすがに一週間くらい大丈夫です。それに…防止対策されましたから」
「また噛まれたのかい? 絹…あんた噛むのはどうかと思うよ」
「いや、いいんです、したいようにして貰って」
「あんたマゾじゃあるまいし」
「ないですけど…気が済むなら。
 ところで勤労感謝の日、土曜日ですがお稽古はありますか?
 なければ絹先生と根津行きたいと思ってますが…どうでしょうか」
「根津?」
「井戸茶碗の展示ですって。行きたいの、いいでしょ?お母さん」
「まあどうせ連休だと生徒さんもお休みの方が多いからね、行っといで」
「ありがとうございます」
さてお話が終わったので絹先生はお洗濯、私は掃除と分業だ。
各々の部屋には立ち入らないことにしているのでメインは廊下や庭掃除だけど。
家が広いというのは掃除が大変である。
いつも先生方で手入れされてるというのが凄いよな。
早よ嫁さん貰え律君。
茶室の畳の拭き掃除も終えて、お昼ご飯。
孝弘さんが昼前から外へ行ってるので簡単に丼、他人丼うまい。
こういうのが出てくるのがお客様扱いされてない感じで何か嬉しい。
「山沢さんって結構食べるわよねえ」
「あぁ、うまいからですね。
 一人で家で食ってるとうまくないもので。お造りと酒で終わったりしますよ」
「なんだい、その酒飲みみたいなの。体壊すよ」
「やっぱり日本酒なの?」
「んー、ブランデーも飲みますが。大体京都は伏見の酒飲んでます」
「お取り寄せしてるのねー」
「ま、そんなには飲みませんけどね」
一服して掃除再開、指示貰ってあちこちと。
八重子先生はお友達が来ているらしく絹先生がお茶を出したりしている。
戻ってきてごめんね、という。
「そんなに困った顔しなくてもいいですよ、怪しまれるよりはいいです」
「そう?」
「そのかわり出張から帰ったときにね?」
「あら、もぅやあねえ」
「もう少ししたら俺も居間へ戻りますから、どうぞ」
頭を撫でられてしまった。
掃除を終えて一旦部屋に戻り、着物を調えた。

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