忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

h20

サイドテーブルにとりあえず置いといて、続き続き。
指を入れて中を探る。
声の沢山出るポイントを捕らえて責める。
お腹がひくひく動いて必死に息を吸って喘ぐ。
少し悲鳴のような、普段聞けないような声が出て逝った。
足首の縄を外す。
涙と少し鼻水。吸ってやろうとしたが足首に使った手拭を奪われた。
息が荒いのが落ち着くまで待つ。
っと、ティッシュ頂戴、と言うので渡した。
洟をかんで捨てて、少し咳をして、俺の飲み差しのペットボトルのお茶を飲む。
少しして落ち着いたようだ。
ベッドに伏せて大きく一息つき、こちらをちらっと見て手招きする。
横に行くと首を絞められた。
え…何を。
突然のことに身動きもとれず呆然としていると苦しくなってきて先生の手を掴む。
ほんの少し時間を置いて放してくれた。
「けほっ…なんで?」
「これくらい苦しかったんだから…。はい、お茶」
一口飲んで蓋を閉める。
「何をするのかと思った。殺したいくらいうらまれたかと」
「殺したりなんかしないわよ、ばかね」
息が落ち着くとそろそろ寝ましょ、といわれる。
先生は寝巻きを着てトイレに行った。
枕元にもう一本お茶を用意して先生が戻ったので俺もトイレに。
ふと洗面所の鏡を見ると首に指のあと。
明日残ってたら襟巻きするしかないなぁ。
ベッドに潜り込んで先生の背中を撫でると、あふ、とあくびが聞こえる。
「もう一度、って言ったらどうします?」
「え?」
目をあわせ見つめる。
先生は目をそらせて少し赤くなった。
「身体、持たないわ」
そういって俺の懐に顔を埋めた。
可愛いなぁ可愛い、やっぱりもう一度したくなる。
顔をあげさせてキス。
耳を舐め、齧る。
「だめ?」
そっと寝巻きの上から胸を揉む。
太腿の上から手を這わす。
手を潜り込ませて突起に少し指を掛けるといい声が出る。
ちょっと声が出る程度になぶって楽しむ。
暫く焦らせば諦めたのか、中に入れてとおねだりされ、中の良い所をなぶる。
今回はちゃんと息も出来るよう見図りつつ逝かせた。
汚れた股間を舐め取り、先生が落ち着いたので懐に寄せて寝た。
夜中目が覚めるとベッドの中にいない。
リビングに出てみるとテレビ見てた。
横に座るともたれられた。
ひんやりとしている。
「風邪引きますよ。あと電気つけたらどうです? 見るなら」
「ちょっと見たくなっただけだから」
「どうせ明日休みなんですし、ちゃんと見たらいいじゃないですか」
「そう?」
うん、といって羽織るものを取りに立つ。
電気をつけてヒーターの温度を上げた。
羽織らせてお茶を渡す。
ペットボトルだけど。
「すごいわねぇ」
「スキー行きましょうか。もう今年は遅いかな」
「私は滑れないからいいわ…あなたは滑れるの?」
「いや、俺も滑れませんけど」
「だったら温かいところで見てるだけがいいわよ」
フィギュアが終ったら寝る、と言ってそのまま俺にもたれてテレビを見ている。
「エキシビションは楽しそうよねえ」
「メダルや順位関係ないから表情も柔らかいし、自由でいいですよね」
…ちょっとまて、テレビ何時まで?
番組表を見ると朝4時まで。
俺が途中で寝てしまいそうだな。
先生は綺麗なものを見るのが好きだから、こういうものも好きなんだな。
俺はそういう先生を見ているのが好きだけど。
暫く見ているうちに腹が減る。
そういえば昨日は常備菜で軽く食っただけだったか。
冷蔵庫には何もない。
「先生、ちょっとコンビニ行ってきますが何か欲しいものあります?」
「どうしたの?」
「ちょっと腹減りました」
くすくす笑ってる。
「こんな時間に食べたら太るわよ?」
「いつもあと1時間ほどで朝食ってます」
「あら、そういえばそうね。じゃ…プリン食べたいわ」
「プリンですね」
ささっと着替えて買物に出ようとする。
呼び止められてマフラーを渡された。
「首、痕になってるわ」
ふっと笑って首に巻き、コンビニへ買いに出た。
なに買おうかな。
パンを2つ選んで缶コーヒーを取り、プリンを4種類選んで帰った。
戻って先生の前に出す。
「どれにします?」
「なぁに?こんなに買ってきたの?」
選ぶ楽しさってあるよね。
一つ選んで食べ始めた。
「おいし…」
横でパンを食べているとそんなに沢山食べるの?と仰る。
多いかな?
コーヒー飲みつつ食べ終わって、手を洗って歯を磨いて戻る。
先生はプリンを食べ終えてテレビに夢中だ。
「ねぇ、牛乳有る?」
「ありますよ」
「カフェオレ飲みたいわ」
はいはい、作ってきましょ。
牛乳を温め、コーヒーを淹れてカフェオレを作る。
しかし最近の牛乳ってロングライフなんだな。
昨日買ったこれなんて常温で5月18日までとかいてある。
「お砂糖は?」
「一つ入れて頂戴」
入れて混ぜてとかしてから渡す。
マグカップを両手でもって美味しそうに飲んでいて可愛いな。
あくびをしながらテレビを見ている。
眠いより見たい気持ちが勝ってるようだ。
「素敵よねえ」
よくわからんけどきれいは綺麗だな。
3時半ごろ、眠くて仕方がなくなったようで俺にもたれてあくびを連発している。
「もう寝たらどうですか」
「だってあとちょっとなのに」
しょうがないな、寝ちゃったらベッドまで連れて行こう。
うつらうつらとしだして、番組が終る。
「さ、寝ましょう」
「ん…お手水行ってから…」
ふらふらよろよろとトイレに行って…あれ?戻ってこない、寝てるんじゃないだろうな。
トイレの前まで行けば出てきた。
「あぁ、寝てるのかと思いましたよ」
「ごめんね、ちょっと大きいほう」
頬染めてそんなことを。
それが可愛くてふっと笑ったらぺち、と額を叩かれた。
抱えあげてベッドにつれて入る。
すぐに寝息。
さて、何時まで寝るつもりだろう。昼に起こせばいいのか?
俺ももう少し寝ようかな。
ならばとトイレに行って電気を消しストーブの温度を下げてからベッドへ戻った。
先生の寝息を聞いて一緒に寝る。
昼前、目が覚めて食事の買物に出た。
買物から戻っても先生は良く寝ている。
ハムエッグとトースト、サラダとコーヒーでいいかなぁ。
用意するのはもう少し待つか。
先生が起きてからにしよう。
小一時間ほど暇つぶしにテレビを見ていると起きてきた。
さて、用意しますかね。
「先生、ベーコンかハムかどっちがいいですか」
「ベーコンがいいわ。あら、お昼作るならするわよ?」
「あーじゃ俺サラダの野菜洗いますんでお願いしますね」
寝巻の上に割烹着を着て、ベーコンエッグとハムエッグを焼いてくれてる間に
野菜を洗って適当にちぎる。
人参は切った。
ドレッシングは…コールスローのがあったな。
食卓に出して、パンを焼く。
「先生、パンは食パンかフランスパンどっちがいいです?」
「んー?食パンでいいわよ」
食パンね。
ベーコンがいい匂いだ。
「あ、何枚?」
「薄いの?薄いなら2枚頂戴」
分厚いので先生は1枚、俺は3枚。
2枚ずつ焼いてバターを塗り、お皿に。
先生もハムエッグとベーコンエッグを食卓に出している。
コーヒーを入れて、お砂糖を用意した。
「いただきます」
おお、俺の分は卵が二つだ。
透明のボウルにぶっこんだサラダだが、先生がもっと食えもっと食えとせっつく。
サラダも沢山食べてごちそうさまをする。
ふと先生がこっちを見て笑う。
「どうしました?」
「髭そらないとダメよ? 生えてるわ」
洗面所の鏡で確認する。最近先生抱きたくて仕方なかったからか。
男性ホルモン優位になってるなぁ。
髭をそって戻るとゆっくりと先生がコーヒー飲んでる。
洗い物をしてお片付け。
先生はコーヒーを飲みきって普段着に着替えようとする。
その腕を取って抱きしめた。
「あら、まだしたいの?」
「昼間っからなんてうちじゃないと出来ないでしょ?」
「そうだけど」
「だから着替えないでそのまま、そのまま」
横に座らせる。
「あなたねぇ…私の年、わかってるの? 結構疲れるのよ?」
「でしょうね、あんなに暴れてちゃ」
「わかっててするの?」
「だめですか?」
「月に一度くらいにしてくれる? じゃないともたないわ」
「うーん、出来るだけ希望に沿いますが。たまに暴走しそうです」
「暴走する前に言って頂戴…」
「ってええと、うちでするのを月1ですよね?まさか普段を月1じゃないですよね」
ブッと先生がふきだしてお腹押さえて笑ってる。
「なんですか、もう」
「普段はいいわよ、普段は」
笑いすぎて喉を鳴らしながら言われた。
「良かった、あれもなしで月に一度だけとか無理です」
「あら、私がもっと年を取ったらそういうかもしれないわよ」
「その頃には私の性欲が落ち着いてるかもしれませんし…疲れない方法考えるかな」
「そうじゃないと二人ともが辛くなるわよー?」
「でももうちょっと俺はあなたを乱れさせたいな」
「あら…」
「刺したり叩いたり、とまではしませんが」
「え…」
先生がぶるっと震えた。
引き寄せて懐に。
「怖いですか?」
「…怖いわ」
「なに、外で縛ったりする程度ですよ」
「そんなの、無理よ…」
「あなたに危害は加えさせません」
「他の人に見られちゃうの?」
「見られたらどうしよう、くらいがいいと思いますが」
くちゅり、と先生の股間に手をやると濡れている。
「想像しちゃいましたね?」
あぁ、と喘ぐ。
昨日片付けようと思って忘れていた縄を取り手首を軽く。
そのまま胸縄をかけて行く。
「あっだめ、そんなの」
簡単な、相手がされてくれる気がなくてもかけられる程度の縄を。
「ほら…足開いて」
いやいやをしている。
「いつも俺がしていることしかしないから、安心したらいい」
「でも…」
くいっと顎に手を掛けてキスをする。
「それとも。もっとハードなのをご希望かな?」
「いや…怖い…」
寝巻の上から乳首を摘んで弄る。
「してみたい、の間違いでしょう?」
あそこがいつもより濡れている。
中に指を入れて楽しむ。
「いやよ、しない」
「こんなに濡らして…体は正直ですよ」
「だめ、だめだめ…」
中をゆっくり混ぜて少しずつあげてやる。
きゅっと腰が浮いて指を食い締める。
逝ったようだ。
そのまま続けて中を刺激する。
きゅっと突起を捻ると緩くなっていた中が締まる。
「ベランダに出てしようか」
お、もっと濡れた。
「あぅ、いやぁ…」
ククッ、と笑いながら言葉で弄り、身体のほうはゆっくりと逝かせた。
荒い息が整いだす。
縄をほどき、手の痺れはないか、ちゃんと動くか確かめた。
先生は私の懐にもたれて顔を赤く染めて何もいえないで居る。
息も落ち着いたみたいだ。
顔をあげさせてキスをする。
「もう無理…いわないで」
胡坐をかいた膝の上に乗せ、背中を撫でた。
「でも気持ちよかったでしょ?」
顔を俺の首筋に伏せて何もいわない。
でも耳まで赤いところからして恥ずかしがってるだけのようだ。
「本当ならこっちも」
とお尻の穴をつつく。きゃっと声を上げてその手を掴まれた。
「楽しみたいんですけどね、つつくだけにしてあげますよ」
「つつくのも嫌よ、恥ずかしいわよ」
恥ずかしいからやりたいわけで。
「アレを入れるのは許してあげる、と言ってるんですよ?ふふっ」
「入れるところじゃないでしょっ」
ちょいちょいっとビデオを操作してアナルファックのシーンを探す。
あったこれだ。
「先生、テレビ見て」
視線が動いた。再生する。
ガッツリ入って出し入れさてるのを見て、嘘…と呟いてる。
「最近は普通のカップルにもお尻でする人が結構居るんですよね」
「えぇ? 病気になったりしないの? 汚いわよ」
ビデオを止めてテレビを消す。
「男はちゃんとコンドームしてますから」
「でも」
「女は浣腸したりね」
「浣腸なんて酷い便秘のときにするものでしょ? お腹痛くなるじゃない」
「ぬるま湯使うんですよ。体温と同じくらいの。一時期コーヒー洗腸とかあったでしょ」
「ああ、なんか前にテレビでしてたわね」
「生理食塩水のぬるま湯なら痛くなく、酷い便秘の人もやわらかいのが出るというので、
 お年寄りとか、普通にお医者さんでもやったりするようですよ」
「そうなの?」
「何度かやればお湯だけ出ます。それからするんですよ。
 そういうシーンもありますが見ます? ってスカトロは苦手でしたっけね」
「見たくないわよ…」
「まぁ、指、入れるくらいなら浣腸しなくても別に。ちょっと汚れるけど」
「汚れるって…」
「手袋とか指サックとかしたりね。なければあそこを触る指とは別の指だけ使う」
あ、顔赤い。
前に入れたときのことを思い出しちゃったようだ。
「結構な性感帯なんですよ。排便すると気持ちいいでしょ? あれが続くわけで」
「でも嫌よ」
「はいはい、こればっかりは中々ね。入れないであげましょう」
可愛いなぁ、うんうん。
「あ、そういえば刺すって? なぁに?」
うん?
「ほら、刺すとか叩くとかって言ってたじゃない。私にはしないって」
ああそれか。
膝から先生をおろしベッドの下から雑誌を取り出す。
もう一度先生を膝に抱え上げ、雑誌を見せた。
「ほら、これ」
乳房に注射針が放射状に刺さっている写真や、乳首を貫通させている写真、
棒ほど太いものを左右の乳首に貫通させている写真。
それから陰唇を貫通させている写真などを見せる。
先生は酷く震えてる。
「怖いでしょ?」
「……こんなこと、したいの? 怖いわ。やめて」
「しませんよ。あなたの肌を傷つけるようなこと。勿体無い」
そういいながら乳首を玩ぶ。
「ここにね、針を。刺すんですけどね。
 注射針じゃなく待ち針なんかだと結構皮膚の弾力に負けてね」
「うぅ…怖いわ…」
「じりじりと刺していくとね、痛がる表情とか恐怖に震えるのとかが見れてね。
 すっごく楽しいんですよねえ」
「やだ…」
「針、指をついたことあるでしょ? あれってたまたまだから刺さるんですよ。
 刺そうと思うと中々針先が入らないんですよね。
 だから刺される人はじりじりと刺されるわけ。エイヤッと刺せば一瞬ですが」
「久さんって本当に酷いわよね…私いじめて楽しんでるでしょ…?」
「それが俺の性癖ですからね。諦めてください」
「ばか」
「あなたが怖がってるの、可愛くて好きだな」
本当に可愛くて。もう一度抱きたくなってきた。
「もう一度しても良い?」
そういいながら乳首を弄っていた手を股間に下ろしていく。
「もうっ、そんなの良いとか言う前にしてるくせに…。
 するならベッドでして。ここはいやよ」
「ここでされてたんだからいいじゃないか」
「やだ、だめよ…」
そのまま弄って更に一回逝かせた。
膝の上で啼かれると何度でもしたくなってしまう。
先生がそのまま寝られなくて俺にしがみつくしかないからどうしてもね。
でもこれ以上は流石に先生の体力がやばい。
ぐったりしてるのを抱えあげてベッドへ。
「お昼寝、一緒にしましょ」
と俺も引き込まれた。
「ちょっと待って、俺も脱ぐから」
部屋着とはいえ脱がねば寝にくい。
寝巻きを取ろうとしたがそのまま引っ張り込まれた。
下帯一つで先生を抱きしめてお昼寝だ。
夕方、目が覚めると先生が風呂から出たところだった。
「あら起きたの? お風呂借りたわよ。あなたも入ってきたら?」
「ん。メシどうします?」
「そうねえ」
「去年行ったあのホテルのフレンチとかどうですか」
「いいわね。お着物借りていいかしら」
「どうぞ、適当に漁ってください」
のそのそと風呂に入り、ざぶざぶと洗う。
拭いてタオルを頭にかぶって出てくると、はい、と下帯を渡された。
下帯をつけて浴衣を引っ掛けてぼんやり座り込む。
そのタオルで頭をわしゃわしゃと拭かれた。
「早く乾かさないと風邪引くわよ。ドライヤー終ったから早く乾かしてきなさい」
その前に、とフレンチの店に予約を入れる。
髪を乾かして暑い、と部屋に戻れば先生がお茶飲んでた。
飲みかけのぬるいのを貰って、それから着替える。
先生も着替えて化粧をしている。
パチン、と音が聞こえた。
「山沢さん、用意できた?」
「はい、いいですよ」
「お手水行った?」
「いやまだですけど」
「行かなきゃダメよ」
「子供じゃないんですから。先生、先どうぞ」
先を譲ってる間に先生が着てきた着物を畳んでバッグに。
車のトランクに入れた。
先生がトイレを出たので交代で入ってそれからホテルへ車で。
フレンチは流石にそれなりに美味しくて。
先生も満足そうだ。
食後、車に乗せてそのまま先生のお宅へ走らせる。
「あら? どうして?」
「うちに連れて帰ったらまたしたくなっちゃいますもん。もうしんどいでしょ?」
先生はくすくす笑ってる。
「やあねぇ、もう。本当に底なしなんだから」
「だってあなたを好きすぎて」
信号待ちでキスをした。
「このままどこかホテルに入りたいくらいにね」
「だめよ」
先生がくすくすと笑ってるのが耳に心地よい。
安全運転で先生のお宅まで。
トランクからバッグを出して渡す。
「上がってお茶飲んでいきなさいよ」
「帰りたくなくなっちゃいますよ」
「明日お仕事なのに?」
「ええ」
「おや、山沢さんじゃないの、こんばんは。絹、送ってきてもらったの?」
「お茶飲んでいきなさいって言ってるのに帰るって言うのよ」
「あんた、首、どうしたんだい?赤くなってるよ」
「あー、ははは…まぁちょっと。明日仕事ありますんでもう帰りますね」
「はいはい、気をつけてね」
「じゃ明後日ね」
「失礼します」
別れて帰宅。自分から帰らせてもさびしいものはさびしいなぁ。
戻って着替えてすぐに寝た。
翌日仕事をこなし昼寝。
先生もきっと今日は一日中あくびしているんだろう。
八重子先生にはばれてるだろうな。
夕方、買物に出て一人鍋。
一人暮らしには慣れているけど先生が帰ってしまった後は何かわびしい。
さて、久々に動画の整理をしないと。
DVDに動画を焼き、パソコンから消して行く。
ふと、こんなこともしてみたい、などと思いつつ見てしまう。
きっと嫌がるだろうけど。
結局ペニバンも使いたがらないし。
なんだかんだ意見通すよね。
そういえば乳首のリング、いつからつけてくれてないんだろう。
ある程度焼き終えて、一旦終了だ。
おやすみなさい。
火曜日、仕事を終えお稽古に行く。
そのまま水屋を手伝い、お稽古を終らせ夕飯をいただいた。
ゆったりと喋って風呂に入ったりでなんだかんだ寝る時間だ。
今日は別に抱かなくても大丈夫。
たっぷり抱いたから。
布団に入れて背を撫でる。
やわらかいなあ。
「ねぇ、今日はしないの?」
「ん?俺は別に今日は大丈夫ですよ」
「そう? 私は…してほしいわ」
え?
「なぁに?」
「や、あなたからそういうとか思ってなかったので」
「私だってそういうときくらいあるわよ?
 いつもはほら、言わなくてもあなたしてくれるから…」
あーたしかに。言わせる暇もなく抱いてるか。
「ね、いいでしょ?」
「勿論。だけどこの間、あれほどしたのに」
「だからよ…」
……ああ、なるほど、しばらくは感触残ってたりするもんなあ。
「どうしてほしい?」
「優しくに決まってるでしょ? うちなんだから」
「恥ずかしいからって怒らんで下さいよ。激しくとかするはずないでしょう、ここで」
真っ赤になって怒ったようなそぶりでその実、凄く恥ずかしがってるんだよね。
そうだ、あれだ。年をとったときのために考えてた遣り方で一丁行ってみようかな。
キスをして、なでて。ほのかにほのかに感じるように。
一気に、じゃなく。
あ、なんか幸せそうな顔してる。
ゆっくりゆっくりとなでて、先生のそろそろ、というタイミングを逃さず入れる。
中もゆっくりと、一気になんてせずにじっくり。
いつもの俺ならじれて一気に揚げてしまうけれど。
今日はまだ大丈夫。
先生が逝った。
気持ち良さそうだ。
これならどうだろうか。
時計を見れば2時間もたっていて、いつもに比べると時間を取ったなぁ。
結構俺が疲れる。
ま、それくらいのほうがいいのかな。
うつらうつらと先生がしだした。
俺の懐に顔を埋めて、すぐに寝息。
つられて寝てしまいそうになる。
よし、感想は明日だ、寝よう。
朝、起きる。
先生は布団にいない。
あれ?
寝過ごしたかな、と時計を見る。
そうでもない。
身づくろいして台所に行くと既にお味噌汁の匂い。
「おはようございます」
「おはよう」
「早かったですね」
「なんだか目覚めが良かったのよねーうふふ」
それはよかった。
「お手伝いすることありますか?」
「お膳拭いてお父さん起こしてきてくれる?」
「はい」
布巾を絞って食卓へ。拭いてお箸などを出す。
それから離れに行き、孝弘さんにそろそろ朝食と呼びかけた。
っと律君もいた。
「あれ?」
「司ちゃん遅くに来て僕の部屋で寝ちゃって」
「ああ、それでお父さんの部屋に避難?」
「他の部屋だと寒くて。夏はいいけど」
「八重子先生の部屋には行かないんだね、やっぱり男の子だなぁ」
「いやおばあちゃん朝早いですし」
そっちか。
居間に戻ると司ちゃんが配膳を手伝っている。
「おはよう、山沢さん」
「司さん、おはようございます」
「おばあちゃんも起こしてきてくれるー?」
台所から指示が飛ぶ。
はいはい、と。
珍しく遅いようだ。
八重子先生の部屋の前で声を掛けると良い所にきたと招じ入れられた。
どうやら髪とボタンが絡んで四苦八苦してたらしい。
ほどいてやっと八重子先生が着替えを再開できた。
帯をちょっと手伝って居間に連れ立つ。
「おはよう」
「ああ、おばぁちゃん、今日は遅かったわねえ」
「髪がねぇボタンに絡まってね。山沢さん来てくれて助かったよ」
「あらー」
座って先生にハイとご飯を渡されていただく。
今日は茗荷とナスの味噌汁、だ。
ちゃんと俺のは具なし。
と思ってたら麩が入ってた。嬉しいなあ。
にこにこと朝食をいただいて律君と司ちゃんは大学へ。
洗い物を片付けて戻ると孝弘さんも外出してしまったらしい。
八重子先生がトイレに立った。
「ねえ、昨日みたいなのだったらもっと年取っても大丈夫だと思うわ」
「え?ああ、昨夜のことですか」
「うん、あれなら。朝起きられるしいいわ」
「良かった、じゃ何年かたったら徐々に切り替えましょう」
「そうね」
ふふっと先生も笑って、俺も笑う。
いつまでこういう生活が出来るだろうか。
さてと、庭掃除でもしましょうか。
庭の枯葉や枝を始末して纏める。
先生が廊下の土埃を掃き落として、俺は靴脱ぎ石を掃く。
庭を掃き清め、居間に戻る。
八重子先生が丼物を作り、軽くお昼をいただいた。
お茶室の拭き掃除を手伝ってお買物へ。
「あなた何食べたい?」
「うーん。あ、昨日シャケ持ってきてますしチャンチャン焼きとかどうです?」
「あら、いいわね。じゃお野菜かいましょ。後は筑前煮作ろうかしら」
「あー筑前煮好きです」
にこっと先生が笑って野菜を選んで行く。
会計して店を出た。
「あっそうそう、トイレットペーパー忘れるところだったわ」
戻って二つ購入する。
「あら飯島さん。旦那さん? お元気そうじゃない」
「あ、いえこの方はお教室の生徒さんですの」
「あらあらそれは失礼しました、てっきり」
とトイレットペーパを見てる。
先生もそれに気づいた。
そりゃね、普通生徒さんとは買いに来ないよね。
生理用品入った袋も提げてるわけだけど。
携帯が鳴った、取ると客からだ。
書く物を、と手振りで示すとボールペンと懐紙を下さる。
ササッと控えてお返しした。
電話の間に適当にお知り合いと別れたようだ。
「また噂になっちゃうかしら」
「何度か立ち上がっては消えてますし。そろそろ噂する人も少ないとは思いますが」
「だといいわねえ」
パパッとクラクション。
「絹ー」
っと八重子先生だ。助手席に孝弘さん。どうしたんだろう。
なにやら孝弘さんを車で回収することになったそうで、その途中で俺らを見たと。
そういって後ろに乗せてくださった。
しかし運転席に八重子先生、助手席に孝弘さん、後部に先生と俺じゃ傍から見るとね。
まるで親世代と子世帯の夫婦が乗ってるようで何かおかしい。
かといって俺が運転して先生を助手席にするのも。
孝弘さんを助手席に座らせて俺が運転するのがいいのかなぁ。
そうこうしてる間に到着。
荷降ししてお夕飯の用意だ。
野菜を洗って先生に渡せばおかずになって行く。
ことことと良い匂い。
おいしそうだな、早く食べたい。
しばらくして食卓を片付けできたものから配膳する。
先生は律君の分を除けている。
「お父さん、お夕飯ですよ」
「ん」
ご飯をよそってもらってお夕飯をいただく。
やっぱりうまいなー。
食後、一服して先生と別れる。
「じゃまた次のお稽古日に」
「はい、いらっしゃいね」
にこっと笑って別れた。
さて翌日、仕事はやはり暇で。
時間も余るからと和菓子屋で羊羹2棹を購入する。
それから風呂に入ったり着替えたりして先生のお宅へ。
「こんにちは。早く終ったんでこれ、買ってきましたよ。孝弘さんお好きでしょ?」
と羊羹を八重子先生に渡す。
「あら、ここの結構美味しいのよね。三国屋さんのお菓子も美味しいけど」
先生が嬉しそうだ。
「ね、お昼の生徒さんにお出ししてもいいかしら」
「どうぞ。余って干からびるよりゃいいですもんね」
「うちは余らせたりしないわよ?全部お父さんが食べちゃうから」
そりゃそうだ。
お稽古のときに生徒さんにも出されて、残り1棹は孝弘さんのものに。
律君が勿体無いなんていってる。
笑って本日は辞去した。
翌日の仕事はちょっと忙しく疲れて帰宅。
昼と夜のお弁当を買って、昼を食べる。
明日のために昼寝をしておこう。
夕方起きて食事。
ちょっと散歩に出る。最近歩いてないからなあ。
ぶらぶらと銀座を歩く。
銀座の女たちの出勤時刻か。
最近の銀座の女の着付けが今一つなんだよな、ぐっとこない。
どうも自分で仕立てない、自分に合った着物を作ってない世代が増えたからだそうだが。
自分で仕立てられるとここは詰めてここは抜いてここを広く、なんて。
体をより美しく見せる仕立てをしたりしてたらしい。
自分で縫わないまでもそんな注文を出して作っていたとか。
今はと言うと標準割り出しで作っちゃうんだそうな。
っと良い着物に目が留まる。
うーん、こんなの欲しい。
って値段が凄いな、130万か。
苦笑してふとその横の太物に目移りする。
会津木綿か。
普段着を作るのにいいな。
いくつか見せてもらって3反購入した。
仕立てはどうされます?と言われたが木綿だし普段着だし。
自分で縫うからと引き取ってきた。
しかし安い。
良い練習になるな、特に裁ち方の。
帰って手を洗ってまずは1枚目を見積もって印をつけて裁つ。
袖を縫い終わって一旦終了。
先生のお宅のへら台は折りたたみ式だったな。
うちにあるのは1枚もの。
いわゆる裁ち台で、足が取り外せるものだ。
見た目ただの板だけど。
普段はナイロンをかけて納戸においてあるが、先生はあるのも知らなかったらしい。
納戸に入るの嫌がってたからだろう。
さてと、そろそろ寝ようか。
針の数を調べて、よし合った。
片付けておやすみなさい。
翌朝、出社。
忙しいというかややこしい半日を過ごし帰宅、すぐ風呂、着替えて先生のお宅へ。
慌しくお宅に飛び込めばぎりぎりセーフ。
先生がくすくす笑ってる。
落ち着いてからでいいわよ、と居間に残されて暫く深呼吸。
用意を整えて水屋に入る。
今の生徒さんの用意は先生がされてお稽古が始まってしまってた。
ギリアウトだったようだ。
失敗失敗。
次の方の用意をして客の席に控えることにした。
正客の稽古だ。
次の生徒さんが来られた。
先生に挨拶、今の生徒さんが終られればすぐにお点前に入れるよう支度なさっている。
お点前を終られたので正客の座を譲る。
次の方の用意、後は次客として。
そんな感じでお稽古は進み皆さん帰られてから俺のお稽古。
「そろそろ真の行、と思うけれど円草をちゃんと覚えたらね」
「はい」
中々スムーズに動かないんだよね。
「許状はもう来てるのよ。だから早く覚えなさいね」
「あ、来てるんですか」
「夏前に引次式したいからそれまでにね」
「うー、頑張ります」
お稽古が終わり水屋を片付ける。
今日の晩御飯は何かなー。
いーいにおいだ。
孝弘さんがメシに執着する理由のひとつは絶対うまいからだろう。
美味しくご飯をいただいて、ゆったりとした時間。
ふと気づくと先生がうつらうつらとしている。
俺にもたれて。
律君をちらりと見る。気にしてないようだ。
暫くこのままでいいか。
孝弘さんと律君が風呂から出て、八重子先生が風呂に。
良く寝てるなぁ。
しばらくして八重子先生が上がってきた。
そろそろ起こして寝かせたら、と言う。
呼んでも起きないので脱がして布団にと言うことに。
ごそごそと帯を解き、着物を脱がせて長襦袢にした。
「もうそのままでいいよ、布団入れてきてやってくれるかい。着物は畳んどくから」
部屋に抱えて入り、布団に押し込む。
居間に戻ると風呂入っといで、とのことで風呂をいただく。
すっかりあったまって出てきた。
「最近どうなんだい?」
「どう、といいますと?」
「絹にされたりしてないかい?」
「ああ、あの2回程度でその後は特には」
「それならいいけどねえ」
炬燵でお茶を頂きながら八重子先生とお話しする。
今週の土曜の夜は先生方はお芝居に行くので家にいない、とか。
んじゃ泊まらず帰りましょう。
「さてそろそろ寝ようかね。戸締りしてきてくれるかい?私は火の始末見てくるから」
雨戸を確認し玄関の戸締りを確かめ、お勝手へ。
八重子先生が火消しつぼの中身を確かめたりガスの元を閉めている。
よし、戸締りの確認完了。
「じゃおやすみなさい」
「おやすみなさい」
部屋に入って先生の寝ている布団にもぐりこむ。
今日は出来ないけど先生の甘い匂いに包まれて気分良く寝た。
朝、目が覚めると先生が先に起きてた。
俺の頭を撫でている。
「おはよう」
「おはよーございます」
まだねむい。
先生は昨日俺が布団入る前に一度トイレに行ったらしい。
眠かったのは生理だそう。
結局出来ないのは一緒だったようだ。
まだ起きる時間には間があると思っていると先生が俺の胸を舐めた。
「なんでなめる?」
「なんとなく?」
疑問符で返されてしまった。
ぺたぺたと身体を触られているが。まぁいいか。
そういう時だってあるよな。
ぴたっと手が止まった。
「そろそろ起きないといけないわねえ」
「ん、そんな時間ですか」
「寒くて。お布団から出たくないわ、でも起きないと」
「俺はお布団より…」
「だめよ」
「はーい」
仕方ないのではなれて布団から出る。
「あ、そうそう、土曜なんだけど」
「お芝居でしょ?昨日八重子先生に聞きましたよ」
「うん、悪いけど。一週間開いちゃうけど大丈夫?」
「火曜日にまぁちょっと我慢してもらうかも?」
「あら、あんまり無茶はしないで頂戴ね」
ふふっと笑いながら身支度をして台所へ。
先生は化粧をするから俺よりほんの少し遅れて。
手早く用意して食事、律君は大学へ。
八重子先生はお友達のところへ。
「お掃除手伝いましょうか?」
「あぁ…それよりお洗濯干してくれる? ちょっと軽い貧血みたい」
「了解、そこで寝といてください」
洗濯機から出して一度畳み、物干しに干して行く。
律君の下着や孝弘さんの下着、八重子先生の下着や先生方の腰巻なども。
はたはたと洗濯物がなびく。
先生は帯だけ解いて横になっている。
「茶室、掃除してきますね」
「ん、おねがい」
窓を開け放ち上から下へ掃除をする。
こんなものかな?と思って居間へ行くと斐さんがいた。
いつの間に。
「こんにちは」
「悪いわねぇ、絹のすることさせちゃって」
「姉さんは茶室はわからないもの、仕方ないわよ。ね、山沢さん」
「じゃなくて洗濯物よ」
「相身互いじゃないですか。具合が悪いときは」
「あら、今時聞かない言葉ねぇ」
「最近は個人主義ですもんね」
ぬるくなった先生のお茶を俺の湯飲みに移動して熱いお茶を煎れる。
「え? ぬるいの捨てたらいいのに」
斐さんは俺が猫舌と知らないんだった。
「この子凄い猫なのよね。濃茶のお正客すると口つけずに隣へ渡すのよ」
「あらあら、じゃお薄はどうしてるの?」
「点てる人がお湯をぬるくして点てるの、それもお稽古よ」
「そうなの?」
「熱いのが好き、濃い目が好きお客様は色々だからそれに合わせるのが本来だもの」
「へぇ。そんなものなのねえ」
「家にお客様きたらその人の好きなもの出すじゃない?」
「ああ、そういうこと」
「そうよー。呼ぶ人が決まってると合わせるの。
 あ、山沢さん。チョコあられ取ってきてくれる?」
ほいほい。
冷蔵庫に入った雛あられのチョコがけを取って居間に戻る。
「お皿」
はい。
気がつきませんでした。
お皿にあけて、お茶のお菓子に。
「やーねー、絹ちゃん。あんた」
「なぁに?」
「旦那を尻に敷いてる奥さんみたいに見えるわよ」
ぶっ。思わず笑ってしまったじゃないか。
「あらー、そう?」
「ただいまー、あぁ寒かった」
「おかえり」
「おかえりなさい」
外は昼前なのに寒いようだ。
「お母さん、おかえり、待ってたのよ」
「あら斐、どうしたんだい」
「それがねぇ…」
身内の話になりそうなので居間から自室へ。
半襟を付け替えたり足袋をつくろったり。
しばらくして先生が部屋に来た。
「布団敷いてくれる?」
「だるい?」
「うん、そうなの」
布団を敷いてる間に先生は寝巻きに着替えた。
敷き終わったところへ横になる。
「そろそろ更年期かしらねぇ…」
「ああ、早い人は35からって言いますしね。
 でもそれならあなたが良いようにしていかないといけませんねぇ、夜」
「夜って?」
「女性ホルモンの量が減るからですよね、更年期」
「そうよ」
「減ると分泌も減るんですよね。
 潤いがないのに無理にしたりして膣炎になったりしやすい。だから」
あ、顔赤くしてる。
「してる途中に乾くようならやり方改めないと辛いだけでしょ?」
「ばか…」
あー、枕に顔を伏せちゃった。
ふふっと笑いつつ、繕い物を続ける。
しばらくして寝息が聞こえ出した。
裁縫箱を片付けて居間へ。
お昼ごはんはどうしようかな。
「絹は?」
「お休み中です」
「お昼どうしようかねえ。あの子の分。ま、いいわ、おなかすいたらなんか作るでしょ。
 あんたら何食べたい?丼でいいのかい?」
「あー、はいなんでも」
「そうねぇ、お肉有るなら開化丼食べたいわ」
「…開化丼?」
「苦手?」
「いや聞きなれないので。何が入ってるんですか?」
「お肉と玉葱をとじたものよ」
「ああ、なんだ他人丼ですか、好物です」
「他人丼なんて初めて聞くわねえ」
「結構色々名前変わりますよね。中身とか。
 私はどこかでカツ丼頼んでソースカツ丼だったのはショックでした」
「それはショックかも」
なんて話しつつ八重子先生とお台所へ。
一緒に作って3人でいただく。
「孝弘さんはいいんですか?」
「私帰ってくるときに出かけてくるって出てっちゃったわよ」
ありゃ。
ふと外を見れば雨雲。
「洗濯物内干しにしましょうか、雨降りそうな気がします」
「ん?あー本当だね、取り込んでくれるかい?」
斐さんと八重子先生が内干しすべくロープなど用意してる。
大物から取っては渡し、取っては渡し。
部屋が多いっていいなぁ。
最後に下着類。
持って入った途端雨が落ちてきた。
セーーーフッ!
八重子先生が少し恥ずかしげなのはやはり下着は他人に触られるのは嫌なんだろう。
俺も先生に下着洗われたりとか嫌だからなあ。
おこたでゆっくりして、さてそろそろお暇しようか。
先生の様子を部屋に伺いに行く。
いい感じに寝息。
寝顔も気持ち良さそうな。
可愛いなぁ。
さてと。
先日お貸しした着物を持って帰ろうと思ってたがあいにくの天気だ。
置いて帰ろう。
手荷物だけ持って八重子先生と斐さんに辞去を伝える。
気をつけてお帰り、と見送られて帰宅した。
うちへ帰る頃には本降りで。八重子先生に持たされた傘が役に立った。
寒いなぁ。
帰宅してニュースや天気予報を見れば今週から来週は真冬の気温か。
また仕舞った服を出さねばならんのか。
面倒くさい。
明日着る物を用意して、軽く飯を食って寝た。
翌朝やっぱり寒い。
客も少なめ。そりゃ寒いしな、来たくないよな。
買う量は多目。明日絶対入荷がないとにらんでだろう。
配達の依頼は沢山ある。
っと先生からメール。
昨日寝たまま見送りもしなかったことの侘びが書いてある。
可愛いなー、ほんわかとなって気にしてないことを返事して仕事に励んだ。
さっさと終らせてお稽古行くぜ!
てきぱきと仕事を終えて先生のお宅へ。
「こんにちは、寒いですねー」
「寒いわよねぇ、いらっしゃい。ちょっとおこたに入ってからにしたら?」
「有難うございます。うぅ」
炬燵に入れてもらって少し温まる。
落ち着いてふっと息をついて水屋の支度を。
今日は…やっぱり何人か、キャンセルの連絡があるとか。
「山沢さんをしごくいい機会だわ」
なんて先生が楽しそうにしている。怖い。
指示をいただいて生徒さんの分と自分のお稽古の用意を整える。
生徒さんが居るときは中級までしか出来ないから。
復習セットだそうで5種目させられた。
忘れてるいろいろを叱られつつ。
生徒さん方が帰られたので続いては円草。
ちょっとは叱られる回数が減ってきた。
「さ、そろそろ片付けましょ」
「はい」
二人で水屋を片付けた。
「お夕飯食べて帰るわよね、あ、でも冷え込まないうちのほうがいいのかしら」
「それともこれからうち来ます?」
にやっと笑っていえばペシッとはたかれた。
「アレ、終ったんでしょ?」
「終ったけど…だめよ。あなたの家だと身体が持たないわよ」
可愛いねえ。
ふふっと笑って許してあげることにしたが。さて飯ねぇ。
空を見る。
雪雲は出てないな。
「お夕飯いただいて帰ろうかな」
「そうしなさいよ、どうせコンビニ弁当でしょ?」
台所へ行くと八重子先生いわく司ちゃんも来てるとのこと。
飯の用意を手伝って、一緒にいただく。
寒いから温かいものにした、と。
厚揚げうまいなー。
ご馳走様をして、片付けようとしたらあんたはもう帰りなさい、と言われた。
今日来たときの格好じゃ夜は寒いから、と。
「あっそうそう、駅まで一緒に行くわ。買い忘れたものがあるのよ」
「今日必要なのかい?」
「明日の朝、要るのよ。今の内に行かないと」
先生がぱたぱたとコートやショールをとってきて、一緒に駅へ。
「寒いですねえ」
「うん…あのね、明日朝から人が来るのよ。だから」
「あー、そりゃうちには来れませんね」
「じゃなくて、いやそうだけど。そのお客さんのために必要なものがあったの」
「ああ! そりゃ失礼しました」
思わず笑ってしまった。
「笑わないの」
きゅっと頬をつねられたが笑えてしまうものは仕方ない。
駅前について名残惜しいが…また明後日ね。と頭を撫でられて別れた。
帰宅してすぐに寝る。
家の中が寒い。布団最高…。
途中夢で目が覚めたりして朝。布団から出たくない。
寒い。
うへぇと思いつつ出勤すれば入荷少なく。
風が強いから仕方ないね。
こっちは雪にならないだけいい。
少し忙しく仕事をして、終って帰宅。
昼遊びに行こうじゃないか。
梅見だ。
亀戸から浅草へ抜けて戻るか、平日だからすいてるだろう。
そう決めてふらりと出る。
バスで亀戸まで。
うん、やっぱりすいている。
そして満開だ。
梅はやっぱりいいね。
東は亀戸湯島台っていうし。
それなりに満足してまたバスへ。浅草へ出る。
さてついでだから足袋を買って帰ることにしよう。
足袋と、ついでに羽織紐にいいのがあって買ってしまった。
衝動買いだ…。
どこかでお茶飲んで帰ろうかな。
っとスタバ発見。
さくらチョコラテwithストロベリーフレーバーとベーコンとほうれん草のキッシュ。
言うのに噛んだ…。
先生とこういう店入らないからなぁ。
うん、甘い。コーヒーベースじゃなかった。
なんとか飲みきって身体も温まったことだし、と帰宅。
ストーブをつけて暫く離れられん。
少し温まってから先日の着物を縫う作業をする。
夕飯をはさんで身頃を縫い終えた。
と言うことで片付けておやすみなさい。
明日は…お稽古だけか。さびしいな。
先生の泣き声聞きたいなぁ。
悲鳴とか。
八重子先生にはこんなこといえないぞ。いくらなんでも。
まさか相談とかしてないだろうな。先生。
などと思いつつ熟睡。

拍手[0回]

PR