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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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「お邪魔するわよ…。え、あの、帰るわね」
先生がきたと思ったら慌てて逃げ出そうとする。
「待ちなさい」
「無理、無理だからあんなの」
がっちり抱きとめれば震えている。
怯えて…一気に虐めたくなった。
抱え上げ、画面が良く見えるところで座らせる。
耳をふさぎ、目を閉じようとするので腕を拘束させてもらった。
鞭の風切り音、肌を打つ音、そして泣き叫ぶ声。
怖いらしく俺の胸に顔を押し付けている。
可愛くて思わずキスをするとちょっと目を開けた。
積極的に舌を絡めてくるのはそっちに集中して聞こえなくするつもりかな。
逃げようとしなくなったので頭をなでてあげた。
動画が途切れディスクが出てきたので腕の拘束も外し、唇を離す。
先生の目が潤んで色っぽい。
「どうしたんです? 今日」
「あ…講習会、朝だったの…それで」
ついでに来ちゃったわけか。
「なるほど」
「ねぇ…どうしてこんなの、見てたの?」
「ん? ああパソコンに随分たまったから整理がてら」
「無理よ?」
「怖い?」
「当然じゃないの…」
そういいつつ脱ぎ始めた。なぜ脱ぐ。
「着替える?」
はっとした様子。
「あ…するんじゃないの、ね? あらやだ、ほほほ」
「いや、いいです、脱いで脱いで」
どうせだからしちゃいましょう。
気恥ずかしそうに脱いで、俺に擦り寄ってきた。
股間をまさぐれば濡れている。
「…怖いのに濡れてたのかな?」
「違うわよ…」
だろうね。
ひとしきり抱いたあと指を入れたままピシャッと尻を叩く。
「きゃっ、何?」
赤く手形をついたところをなぞればくすぐったそうだ。
「ふふ、色白だからしっかり赤くなってますよ」
一動作、一言ごとに食い締めて、指を動かしていないのに感じてるようだ。
尻の穴をなでたり、わき腹を舐めたり。
「お願い、なぶらないで…」
遊ばれてるの、わかったらしい。
何度かお願いを繰り返すまで焦らせてから逝かせた。
ぐったりしている先生の後始末をしてそれから家に送る用意をした。
夕方着替えさせ、車に乗せて先生のお宅へ。
後部座席でうとうとしているようだ。
少しゆっくり目に走らせ、お宅へ到着。
先生を起こした。
大あくび二つ。
「あら、お帰り。山沢さんとこ寄ってきたの?」
「ついでにと思って」
「こんにちは。今日も泊まって良いですか?」
「いいけどご飯の支度してないからなんか買ってらっしゃい」
「俺の分だけですか、それとも」
「あんたの分だけで良いよ」
「んじゃ先生、俺ちょっと買物してきます」
「んー、あ、プリン買ってきて頂戴」
「ラジャ」
と敬礼して見せたら笑ってる。
 ショルダーループのついたシャツ着ていたからそんなことをしてみたくなった。
ちょっと肉屋によってヒレとイチボとランプを100gずつ。
付け合せにブロッコリーとアスパラを、コンビニでプリンを買って戻った。
台所へ行って焼いてると八重子先生が呆れ顔。
「良くそんなに食べようと思うねぇ」
「いります?}
「いや、いいよ」
ブロッコリーも湯がいてアスパラと炒め、皿に乗せて出した。
「じゃそろそろいただこうかねぇ」
先生が食卓に肘をついて居眠りしてた。
「起きて、ほら、ご飯食べましょうよ」
「あ、うん」
「律君と孝弘さん呼んできますね」
ぱたぱたと部屋へ行って呼ぶ。
「夕飯できたよ、律君」
「あれ? 今日お稽古…」
「なかったよ」
そのまま離れへ行って孝弘さんを回収して食卓についた。
炊き立てのご飯とお味噌汁がうまそうだ。
俺の味噌汁のみ麩。
と言うことは何か俺の嫌いな具らしい。
食べてると先生がおひたしを沢山小鉢に入れて俺にくれた。
「またお肉ばっかり食べようとして。駄目よ」
へへ、と笑っておひたしや他のおかずもいただいた。
満腹満腹。
後片付けを引き受けて台所へ。
先生が朝の講習会の話を八重子先生にしている。
花月をやったらしい。且座。
うーん、難しいよなー、アレ。
コーヒーを入れて戻るとプリン持ってきて、と言われた。
はいはい、と5つ持って戻る。
「お好きなのどうぞ」
甘いものは別腹らしい。
「んー、おいしー」
極とか書いてあるやつにしたようだ。
「あ、そうだ。明日展示会あったわよね。おばあちゃんどうする?」
「そうだね、たまには行ってみようか、三人で」
しばしの団欒。
順繰りに風呂に入る。
んー、気持ち良いなー。
先生の二の腕とかお腹を洗いつつ揉む。
どうも先生は恥ずかしいようだけど。
ピンッと人差し指で先生の乳首をはじいた。
「ひっ、何、もうっ」
ぺしっと額を叩かれた。
顔に泡がついたの見て先生が笑ってる。
「ほら。足洗うからどいて」
「洗ってあげる」
前に座り込んで足の指いっぺん一本丁寧に洗ってると先生も気持ち良さそうだ。
「流しますよ」
「あ、はい」
ざばり、ざばりと泡を丁寧に落としてあげた。
最後に股間を濯ぐ。
少しぬめってたからね。
「ん…だめ」
「したくなった?」
「ばか、こんなところで」
体を丁寧に拭き上げてやって浴衣を着せた。
少し恥ずかしげにしているのが可愛い。
俺もざっくり拭いて羽織った。
「胸、見えてるじゃない」
「暑いし良いじゃないですか、八重子先生しかいないし」
「しょうがないわねぇ」
居間に入ってくつろぐ。
随分と夜は涼しくなってきて暫くして緩めた衿を整えた。
先生にも引っ張りを着せて秋の夜の長話。
「じゃそろそろ」
八重子先生が声を掛けて戸締りや火の元を確かめ部屋に入った。
寝るための身じまいを先生がしている。
後ろから覆いかぶさると凭れてきた。
「どうしたの?」
「お尻。お昼の叩いた痕まだついてたよ」
「やだ…もう。痛かったのよ?」
「痛くしたんだよ。もっとしたかったけどね。あんまり痕が残ったら困るだろ」
「痛いの、やだわ」
「でも濡れてた」
耳まで赤くしている。
「痛くてそうなったんじゃないわよ…」
「そう?」
きゅっと乳首を捻る。
「あぅ…痛い…」
暫く乳首を弄り回し、荒い息を楽しむ。
「そろそろぶち込まれたくなったんじゃないか?」
「あ、いや、だめ…恥ずかしい…」
「足ィ開けよ」
おそるおそると膝が緩み、俺は手をもぐりこませた。
たっぷり濡れてる。
相変わらず胸だけでこんなになるんだよな。
突起に指を掛けると声を出しそうになったらしい。
「お願い、声、出ちゃう…ねぇ、ぁっ…」
俺の腕に爪を立ててあえかに喘ぐ、その色っぽさに俺は益々昂ぶる。
快感を嫌いつつもねだるようになったその体を静かに、けれど激しく求めた。
先生が疲れきって寝た頃、俺は煙草を吸いたくなり庭へ出た。
ガラム。流石にこの煙草は屋内で吸う気にならない。
パチパチ、と音をさせながら甘い香りと味を楽しみ口を漱いでから戻った。
「ん…誰?」
「起こしましたか、すいません」
「あぁ…匂いが違うから誰かと思ったわ…丁子?」
「はい。甘いでしょう?」
「うん」
そのまま寝息に変わったようだ。
かわいいなぁと思いつつ俺も寝た。
朝、やっぱり先生は起きれず朝飯の支度を整えてると八重子先生が起きてきた。
「おはよ。今日はお昼食べたらいこうかねぇ」
「あ、おはようございます。展示会?」
「そうそう。夕飯は孝弘さんも律もでかけるそうだからどこかで食べて帰ろうかね」
「いいですねー、どこ行きます?」
「ほら、ええとなんだっけ、前にあんたが営業で行った所」
「ああ、あのホテル。じゃ予約しましょう」
朝食を作って先生以外で食べてから、ホテルに電話した。
「天麩羅ならあいてるそうです」
「うん、それで良いよ」
「じゃ三人、ハイ。6時で」
八重子先生と律君が後ろで喋ってる。
でかけるからちゃんと鍵を持って出るように、とか。
「遅くなるの?」
「お夕飯食べてから帰るからね、それなりにね」
「ふーん、お母さんも?」
「そうだよ」
電話を切ってそろそろ先生を起こそう、と思い席を立つ。
寝間に入ると気持ちよさげな寝息を立ててるので何か悪いな、と思ったものの。
「先生、そろそろ起きましょう? もう10時過ぎましたよ」
「んん…」
「起きないと抱いちゃいますよー」
耳元で囁くと目が覚めたようだ。
「はい、おはよう。起きれますか?」
「朝から変なこといわないで頂戴よ…おはよう」
「ふふ、俺はいつでもあなたを抱きたいんですけどね」
そう言うと赤面している。
「お昼食べたら展示会行きますからね、そろそろ支度した方が良いんじゃないですか?」
「あ、そ、そうね。支度、しないと」
「夕飯はホテルで天麩羅ですよ。そのつもりでどうぞ」
「はい」
にっと笑って居間へ戻る。
「絹は起きた?」
「はい、まだ眠そうでしたけど」
「そういや昨日お母さん、お稽古なかったんだよね? 山沢さんなんで来たの?」
「ん? ああ講習会の帰りに寄られてね。疲れたって仰るから車で連れて」
疲れさせたのはあんただろ、と言う目で八重子先生が見ている気がする。
小一時間して洗顔や着替えを済ませた先生が居間に出てきた。
「おはよう」
「あ、おはよう」
「もうすぐお昼だよ」
「遅かったですね」
「うん、出かける支度もしてたものだから」
「お昼何にしましょうね、何か軽いものの方が良いのかな」
「そうだねぇ」
お昼の支度をして食べて一服、律君達が先に出て行った。
「さてあたしたちもそろそろ出ようかね」
「そうですね」
用意をして鍵などかけて。
俺の車の後部座席に載せて会場へ行った。
ここか、とまずは先生方を下ろし駐車場へ入れ、入り口へ向かう。
「お待たせしました」
「こっちみたいよ」
付き従って入る。
入り口付近に良さそうな帯。うーん、いいね。
68万か。
先生がほしいというなら、と言うところだな。
いくつか見ているうちに先生が俺を呼ぶ。
「これどうかしら」
「良いですね。顔移りが」
「そうだね、それいいねぇ」
「もういくつかございますよ」
肩に当てていくがやはり最初のが一番良い。
それに合う帯も見繕っていくつか合わせてすぐに決まった。
八重子先生もあの大島にしようかこの結城にしようかと悩んでおられる。
俺のを見立ててくれる、と先生が仰ったが男物は女物より少ないからなぁ。
と、思ったら女物からチョイス。
女幅で確かに良いが。
御召にすることにした。
「お正月におろしたらいいわ」
「はい」
八重子先生も決まったようだ。
じゃ会計表をお持ちします、とのことで隅の椅子へ。
「先生の分、俺に払わせてください」
「いいのかい? じゃそうしてもらいなさいよ」
「えぇっ? 駄目よそんなの」
「まぁまぁ」
会計が出来て即金で八重子先生とあわせて支払った。
「なんだか悪いわ」
その後三人でホテルへ行き、天麩羅のコース。
うーん、うまい。幸せ。
先生は締めにお鮨を、俺は茶漬けを。
かき揚げおいしいなぁ。
ご馳走様をして支払ってホテルを出て帰宅。
車の中であくびを連発してた八重子先生はさっさと着替えて寝てしまわれた。
先生も少し眠たげだ。
「もう寝ちゃいますか?」
「だめ、お父さんのお夜食しないと…」
「俺、するから。寝たら良いよ」
「そう? じゃ悪いけど」
着物を脱いで吊るし、汚れチェックしている。
んー、綺麗だなぁ。
見とれそうになったが夜食の支度。
炊飯器…中身ないな。
ご飯炊いておこう。
あとおかずになるものを作り起きして。
前掛けを外し台所から戻ると先生は髪留めを外してくつろいでいる。
「はい、お茶」
「寝ないんですか」
「これ飲んだら寝るわ」
ふっと笑って軽くキス。
はにかむ先生は可愛いくて。
お茶を飲み終えた先生が部屋にひけて暫くするとご飯が炊けた。
混ぜて蒸らす。
「はらへった」
「あ、お帰りなさい。丁度炊けましたよ」
お茶碗で3杯とおかずを食い荒らして孝弘さんも離れへ戻ったようだ。
俺も台所を片付けて先生の寝る横にもぐりこんだ。
ぬくい。
おやすみなさい。
明け方、少ししたくなってしまって軽く抱いて叱られた。
二度寝して少し寝坊したものの、許容範囲のうち。
昨日作ったものもあり、朝食は間に合った。
先生を起こして食卓を囲む。
「律、昨日何時に帰ってきたの?」
「12時半くらいかな。鍵かかってた」
「ごめん、つい」
「あ、いえ。おばあちゃんが持って出ろって言ってたから」
「孝弘さんの夜食片付けてついうっかり鍵かけちゃったんだよね、ごめんね」
「おかわり」
相変わらずよく食うな。
食事を終えて今日は八重子先生と律君はまたお出かけ。
先生と孝弘さんは特に用もなく。
その辺でごろごろする孝弘さんに先生がタオルケットを渡している。
でも先生もまだ眠たげだ。
「あんたもうちょっと寝てきたら?」
「んー、そうね、そうするわ。久さん、お昼お願いね」
「はい」
八重子先生がちょっと驚いた顔している。
どうしたんだろう。
「あー、えーと。ちょっと着替えるの手伝ってくれるかい?」
「はいはい、部屋ですか?」
ついていって八重子先生の手伝いをする。
「さっき、あの子あんたのこと…下の名前で呼んだだろ。驚いたよ」
「ああ、たまに呼ばれますよ」
「そうなの?」
「ええ、眠い時とか、甘えたい時は割と」
うーん、という顔をされてしまった。
俺は別にどっちで呼ばれてもも良いんだけどね。
帯を締める手伝いをして、それから八重子先生がお出かけされた。
洗濯物を干し、茶室の掃除をして一服。
さて、お昼はなに作ろうかな。
あ。鮭、あったな。冷蔵庫を漁るときのこもある。
チャンチャン焼きにしよう。
それとつけあわせに里芋でジャーマンポテトでも作るか。
ご飯を炊いておかずを整えてから先生を起こした。
「お昼、食べませんか」
「ん、もうそんな時間?」
「はい。早く起きないと孝弘さんが全部食べちゃいますよ?」
「あら、それは困るわね」
先生はお布団から這い出して着替え、その間に俺は布団を片付けた。
食卓に戻ると早くも半分くらいおかずが消えてる。
「おかわり」
「はいはい」
よそって渡す。先生の分と俺の分も。
「いただきます」
「あら。里芋。イカと炊こうと思ってたのに…」
「う、あとで買ってきます」
「いいわ、他にも買うもの有るから一緒に行くわよ」
「まんじゅう」
「あらお父さん、お饅頭切らしてました?」
「じゃお昼食べたらすぐ行きます?」
「そうね、そうしましょ」
おかずはちゃんと全部消えた。
一服した後先生とお買物。
お夕飯の分やらトイレットペーパーやら。
俺が肉を買わないのでどうしたのか聞かれた。
「や、今日は夕飯いただかずに帰りますよ」
「えぇ? どうして? 何か嫌な事あった?」
「あ、いえいえ、ではなくて明日休み明けで早出するので」
「そう…残念だわぁ」
「また明日寄せていただきますから。よろしく」
「はい」
戻ってから暫くして、洗濯物のことを思い出された。
「あら? 干してくれたの?」
「ええ、まだ乾いてないですかね」
「まだよねぇ、涼しいもの」
まったりと休みを満喫して、そして別れた。
帰宅、部屋が涼しい。
すぐに布団に潜ると疲れてたようだ、すぐに寝た。
そうしていつもの日々を送り、日曜日。帰る前に提案した。
「明日の夜からうちに来ませんか」
先生はそろそろ生理前、性欲が上がっているようだしここらで一度沢山責めたい。
「え、あ、考えておくわ」
指で先生の唇に触れる。
「っ…」
顔を赤らめて、可愛い。
「じゃ、また明日」
こく、と先生が頷き、別れた。
さて明日うちに来るのかなぁ。来ない可能性もあるよね。
来なきゃ火曜に俺がまた行くだけだ。
帰宅して寝て、翌朝出勤したが明日も休みと言うことでそれなりに荷が動く。
と言うことで少々疲れて家へ戻る。
さすがに今日は稽古日だから朝からは来ないはず、と思ってはいたが。
ひんやりした無人の部屋はむなしく、着替えて飯を食いに出た。
天玉丼を食べて温まり、帰宅する。
床暖を入れた。
温まり、腹も膨れて眠くなった。
来るか来ないかわからん、寝よう。
熟睡して良い匂いで目が覚めた。
ご飯と、味噌汁の匂い。
ぼんやりしてたら先生が起こしに来た。
「あら、起きてたの? ごはんよ」
引き寄せてキスする。
「こら、もうっ。だめよ」
コツン、と額を叩かれて食卓に着く。
先生の作る夕飯を久しぶりに頂く。うまい。
身にしみる気がする。
幸せ。
「今日はお稽古どうでした?」
「連休の間でしょ、お休みの方が結構多くて。お母さんと二人でお夕飯作っちゃったわよ」
「そんなに少なかったんですか」
「そうなのよ。連休って考え物ね」
「俺はあなたと一緒にいられるから連休、好きですけどね」
「あら」
頬染めて可愛い。たまらん。
ご馳走様をして洗い物をする。
「ねぇ終ったらお濃茶点ててくれない?」
「俺じゃおいしくないんじゃ…」
「良いの」
「はいはい、じゃ良い抹茶使いましょう。昨日送ってきたので」
苦笑して新しい缶を開ける。
お家元好み、という物だ。
湯を沸かし茶筅通しをしてから立てる。二人分。
練り練りと練ってだまがないようにした。
茶筅は別の茶碗につけ置き。
飲んだあとそのまま一戦に及んだ時を考えて。
「どうぞ」
先生飲んで、どこのか聞いてきた。
雲門の昔、と答えるとなるほどと言う顔をされた。
「点てるの、下手でもそれなりにおいしいと思いまして」
「一個だけ送ってもらったの?」
「ええ。京都にいた頃注文したらここの人が配達してくれましてね。それからかな」
もう二口飲まれて俺に渡された。
少しぬるくなって飲み易い。
幸いだまもなかった。
「着替えてくるから漱いでおいてね」
「はい」
和室に先生が行った間に洗う。
さて、今日はどうしてやろうかな。
座布団に座ってくつろいでると寝巻きに着替えて俺の横へ座った。
そっともたれてくるのも可愛いわけだが。
先生の家だと寝間じゃないのにこんなこと出来ないからな。
「ね、先生。今日はアレ使って良いかな」
「…どれ?」
「どれだと思いました?」
「縄とか痛いのとか熱いのとかなら嫌よ?」
「そっちでも良いですが今回はペニバンですね」
「仕方ないわね…。痛くしないで頂戴よ」
渋々、と言う表情だ。
多分痛くない、と思うけど。今回は。
新作なんだよね。
特注品。俺と先生のための。
お腹がこなれるまで先生を撫でてまったりと過ごす。
先生からキスしてきた。
「ねぇ、するならしましょ…」
どうやら焦らされてるような感覚だったようだ。
「着替えるからベッドで待っててくれるかな」
眉間に皺、どうした。
「いいじゃない、このままで…」
「ん? ここでいいの?」
「それは、いやだけど…ん、ぁ、ここで、するの?」
「待てないならね」
ちょっと玩んでると、荒い息の中から待つから、と聞こえてきた。
「ふふ、じゃ待ってて」
ベッドに下ろして部屋を出る。
スウェット上下だったのを寝巻に着替え、ペニバンを装着した。
「ただいま。お待ちかね?」
顔を赤くしている。
キスすると抱きつかれてベッドに引き込まれた。
やっぱり時期だね、土曜は彼岸の入り、ということでしなかったのも有るかもしれないが。
俺も楽しみ、先生も楽しませつつ軽く逝かせてそろそろいいかな。
コンドームをつけてゆっくりと押し当てる。
少し入れては出し、なじませるように動くと先生の声が少し漏れる。
「どう? 痛くない?」
「ん、大丈夫…」
ほぐれてきたのでぐうっと奥まで。
当たる感触と共に太腿が先生の尻肉にぶつかる。
「んっ」
「大丈夫?」
頷くのでゆっくりと腰を使う。
気持ち良さそうだ。
暫くするとなじんできて少し激しくする。
声が高くなってきた。逝くようだ。
足が絡まり、ぶるりと身を震わせる。
弛緩。
息が整うまでそのまま待った。
「な、に…どうして?」
「そんなに気持ちよかった?」
「すごかったわ…」
「そりゃあよかった、金を掛けた甲斐あるなぁ」
「どういう事?」
「あなたの形にあわせて作ったんですよね、こいつ」
「えっ…やだ、そんな…」
「あ、いやあなたの名前渡したわけじゃないよ? 形とかサイズとかオーダーしただけ」
動くと気持ち良いらしく、喋ってるだけでも感じるようだ。
そりゃ一年かけてどこが良いとかきっちり当たるようにしてあるからな。
地味に気持ちよくなるから却って動かないほうが辛そうだ。
もう一度腰を動かすと軽く奥に当たる感触があり、腰を押し付けると先生が啼く。
先をこすりつけるような動きをすると簡単に逝った。
「なんで…これっ」
軽く出し入れして再度逝かせる。
辛そうだから一旦休憩を入れよう。
抜いた時の喘ぎ声も可愛い。
ぽっかり開いた所から白濁した粘液、本気でよかったようだ。
勿論ペニバンにもたっぷりと汁がついている。
先生に見せ付けると恥ずかしそうだ。
一旦ゴムを取った。
「触ってごらん」
透明のぷるんぷるんとした素材。
芯はある。だけどどの体位でも痛くないように作ってある。
ディルドとの違いはリアルじゃないことだ。
装着するベルトもきっちり俺に合わせて作ってあり、擦れて痛い事もない。
先生は恐る恐るだが触って、その感触が面白いようだ。
ぷらんぷらんと振って遊んでる。
「舐めてみる?」
「えっ、そんなの恥ずかしいわよ」
「いいから舐めてみなよ。ほら、ソフトクリーム舐めるみたいにさ」
おずおずと舌を這わし始める。
いいねぇ、初々しい。
ある程度唾液で潤ってきたので頬張るように言った。
「歯を立てずに。そう」
うぅ…ぞくぞくする。征服感。たまらん。
ちら、と上目遣いに見る。可愛い。
押し込もうかと思ったが最初に嫌な思いをさせては次が困る。
疲れてきたようだから解放してあげた。
「入れたくなった?」
パッと先生の耳が赤くなる。
「後ろから入れるから膝を突いて」
補助しつつ後背位を取る。
今度は前戯は要らない。
膝が崩れ落ちるまで十分に啼かせて楽しんだ。
二人とも汗だくだ。でも俺も風呂につれて入る体力がない。
そういうわけでペニバンを外して横に転がり先生の背をなでる。
荒い息が徐々に落ち着いたものと変わり、ついに寝息に変わった。
おやすみなさい。
朝方目覚めて、先生がトイレと風呂をねだる。
立てない、か?
「風呂でしたらどうです」
「嫌よ、ばか…朝から」
「あ、いや面倒くさくないかと思っただけで。他意はありま…す」
「あるんじゃないの、ばかっ」
乳首抓まれた。
痛いっちゅうに。
苦笑して、トイレに行きたそうな先生を抱きあげた。
裸のまま下ろして座らせる。
顔を赤くして恥ずかしがりつつ、小水。
「拭いてあげましょうか」
「いらない…見ないで」
流してから抱き上げ、風呂へ。
膝の上に乗せてシャワーをかけつつ、体のあちこちをなぶると気持ち良さそうだ。
風呂場の中は声が響いて恥ずかしそう。
そんな姿が可愛らしくてついつい逝かせるまでしてしまった。
ぐったりした先生が体勢を入れ替えようとした時、俺の股間に手が当たった。
「ん? あら、こんなになってる…」
「はいはい、俺のは触らなくて良いから」
「いいじゃない」
俺の肩に手を掛けてキスしてきた。
「Hだな、あなた」
「昨日のってあなたに入れたら…」
「却下」
「だめかしら?」
「駄目ですよ。サイズにも問題大有りですし」
「じゃ久さん用に作ったら」
「却下、あなたのボディサイズ採寸とか誰がさせるか」
「採寸? 久さんあなた他の人に触らせたの?」
「イテテッ、爪を立てるな、そこは駄目だって、痛いって」
「どうなの?」
「しょうがないだろ、セミオーダーだと擦れたり当たったりするんだから」
「他の人に触らせたなんて…お仕置きよね」
ギリッと爪で抓まれて唸った。
乳首にも歯を立てられて血が出たがそれを見て嬉しそう。
やっぱS入ってるよなっ。
血がついたままキスしてきて、鉄臭い。
反撃、開始。
股間に伸びてる方の脇をくすぐったり乳首を弄ったりして手を外させた。
そのまま2回逝かせて完全に脱力した先生を洗ってベッドに転がす。
多分また寝るだろう。
俺は居間で噛まれたところの手当てをして軽く物を食って添い寝した。
10時前、先生にトイレに起こされて連れて行く。
最中に先生のお腹がなって先生は苦笑い。
居間に連れ出て寝巻を纏わせた。
「昼にはまだ早いですね、何か軽いものでも」
「クロワッサン食べたいわ。パン屋さん近くにあったわよね。スープも欲しいわ」
「了解、買ってきます」
着替えて急いで買って帰った。
クロワッサン二つとアップルパイ。
カボチャの冷製スープと枝豆の冷製スープ。
ぺろりと食べ終わってゆったりとする。
先生も俺に体を預け、のんびりとテレビを見て休みを満喫している感。
「お昼、何食べようかしら」
「どこか行きますか? 立てるようなら」
「そうねえ」
先生の体の温かみを楽しんでいたら思い出した。
「あ、ちょっと寝転んでて。やることあった」
「はいはい」
クッションを枕にテレビを見てる先生に一応とばかりにケットを掛け、部屋にはいる。
昨日の道具を洗わなきゃいけない。
洗面所に持っていき、暫く湯につける。
ほとびさせねば取れないからなぁ。
つけ置いてる間に納戸からあるものを持って先生の横へ。
「先生」
「ん? なにこれなんなのよ…」
引いてる引いてる。
太さ9.5センチ、長さ43センチだもんなぁ。
「最新のくだらない道具シリーズです。どうです?」
「ここまでなるとジョークグッズなのねってわかるわ」
「ふふふ、だと思うでしょうが実用品です」
「無理でしょ」
「頭が入る人がいるんだから。こんなのも入る奴っているんでしょうよ」
「…でなんでこんなの買ったの」
「昨日のアレ、買った時に一目ぼれしました」
「しまってきなさいよ」
「いやぁあなたとそれ、似合わなさ過ぎて面白い」
「ばかっ、もうっ」
「昨日みたいに舐めて見てよ」
「いやよ…」
思い出したか赤面してる。
と、チャイムが鳴った。
出てみると晶ちゃん。
「ちょっと待って、鍵開けるから」
ぱたぱたと玄関にいき、鍵を開けた。
「やぁこんにちは」
「ごめんなさい、おばさんに用があって。おばあちゃんに電話したらここ教えてくれたの」
「はいはい、ちょっと後ろ向いて待っててくれるかな」
「え、あ、はい」
後ろを向いたその間に先生からアレを受け取り慌てて納戸に投げ込んだ。
「いいよ、どうぞ」
危ない危ない、流石にアレを持つ先生は人様には見せてはいけない。
「おばさんこんにちは」
先生が慌てて身を起こそうとしている。
手伝って背を支え、後ろにクッションなどで固定した。
「どうしたの? こっちに来るなんて」
「それが…」
「どぞ、コーヒーだけど」
席を離れたほうが良さそうなので洗面所でアレを洗うことにする。
暫くして居間から呼ぶ声。
軽く漱ぎ、風呂後に置いて戻る。
「どうしました」
あ、トイレね、はいはい。
抱え上げるのを見て晶ちゃんが変な顔してる。
先生も恥ずかしそうだ。
「昨日から先生は腰痛でね」
納得してくれた。
トイレの中で先生がしてる最中にキスする。
目の縁を紅くして可愛らしい。
拭き終えたので立たせて裾を調え、抱え上げた。
「はい、お待たせ」
座らせてあげてお話再開。
俺も洗面所に戻って手入れ再開。
念入りに手入れをする。やっぱりデリケートな部分に入れるものだからね。
埃の出ない布で水分を取って後は乾燥させたらケースに仕舞おう。
次の出番はいつかわからない。仕方ないけど。
風呂場乾燥をかけ、扉を閉めておいた。
先生たちのコーヒーのおかわりを作り、自分の分も持って戻った。
暫くおしゃべりを聞ききつつコーヒーのうまみを楽しむ。
「そういえば山沢さん、そんな格好するんですね」
…そうか、たしかに先生の家ではこんな格好はしてない。
「あら、普段こんな格好よね、いつも」
「そうですね、うちだとこうなっちゃいますね」
「ずっと着物だと思ってた」
「先生じゃあるまいし」
「たまにミリタリーファッション? って言うの? そういう格好もしてるわよね」
「見せましたっけ」
「うん、3回くらい見たように思うわ」
「へー格好良さそう」
「格好良かったわよー」
「あ、そろそろ大学行かなきゃ。午後から教授に頼まれもんしてるんですよね」
「あら、そうなの? 頑張ってね」
「じゃおばあちゃんにもよろしく」
「はい、気をつけてね。山沢さん送ってってあげてくれる?」
「いや、いいっすよ。一人で行けますから」
「そう?」
「気をつけて。この辺危ないからね」
ばいばい、と送り出した。
「あ、そうだ。お昼どうします?」
「ちょっと手を貸してくれる?」
はい。
そっと立って歩かれた。
「これなら大丈夫と思うわ。どこか予約取れそう?」
「何が良い?」
「懐石とか和食が良いわ」
「了解」
心当たりに電話してみてOKが取れた。
先生の補助をして洗顔や着替えをさせる。
化粧している間に俺も着替えた。
ただし今日は中性的な洋服に。
トイレ随伴の可能性があるからいかにも男性では困る。
車へ先生を抱えて乗せ、お店まで。
そこからは先生は手を引いてもらったら歩ける、と言うのでエスコートした。
裾を整えつつ座らせ、俺も席についた。
「お酒飲まれます?」
「やめておくわ。歩けないの困るもの」
「じゃ何しましょう」
「ウーロン茶で」
二つ頼んで料理が来る。
八寸と食前酒。
「このくらいならいただくわ」
「俺のも飲んで。車だから」
「あ、そうだったわね」
くいっと飲まれてからいただく。
流子や鮭手毬、これは柿の見立てかな。
子持ち鮎、時期のものだね。
筋子。
ちょっとずつでおいしい。
鱧松の土瓶蒸。
「おいしいわぁ」
「ですねー」
お出汁がおいしくて最後の一滴までいただいた。
次はなんだ?
お造りだ。
マグロは先生に差し上げ、からすみの薄いのを鯛で巻いて食う。
意外とうまい。
甘酢につけて生姜で食う、これもうまい。
俺はごま油に浸して塩で食うのが好きだけどこういうのもうまいね。
次にはずいきの白和え。
「あらこれおいしいわね、今度作ろうかしら」
「楽しみ増えたな」
うふふ、と先生がにこやかだ。
カマスの焼いたの。
うまいなぁ、やっぱり。
それから俺の一番好きなもの。
これはお願いして中身は甘鯛だ。
おこわと甘鯛にあんかけ。
「うまい、無作法だけど…」
器のあんをすべて飲み干してしまった。先生が笑ってるけどうまいんだから仕方ない。
秋刀魚の揚げたのをみぞれ、味は土佐酢かな?
いつもは秋刀魚を嫌う俺だけど食ったらうまかった。
「お腹一杯ねぇ」
「ご飯はいるかな」
しめじごはんもおいしい。
「あら、お味噌汁…あなたの作るのみたいね。白味噌よね」
「そうですね」
おい、〆に抹茶出てきたぞ。デザートで。
アイスクリームとあんこが抹茶に浮かんでる。
先生のところにあんこは移動させた。
結局先生のほうが俺より沢山食べるという結果になってしまった。
昼飯だから良いとしよう。
尚、メニューは夜のメニューだったが。
大変機嫌のよい先生を車に乗せ、連れ帰る。
家に帰ってすぐトイレに連れて行った。
歩けても裾を捲り上げる動作はまだ辛いらしい。
今回はトイレから追い出された。
きっと大きいほうに違いない。
いつか見てる前でさせてやろう。
暫くして壁を伝って戻ってきた先生にお茶を入れ、膝の上に座らせた
もたれて居心地良さそうにしてる
俺もまったりと先生の足をなでる。
気持ち良いんだよなぁ肌の感触。
すね毛が薄くて滑らかで。
シルクの保湿・美肌効果もあるだろうが。
「さっき…焦ったわね、あんなの持ってるときに晶ちゃん来たから」
「ああ。ほんと鍵開ける前に隠せばよかったですね、すいません」
少しずつ、手を上にずらし太腿をなでる。
「着替えさせてくれる?」
「はい、じゃ立てますか?」
よいしょっと俺の肩に手を掛けて立ち上がろうとして見事にこけた。
俺の上に。
面倒くさくなって座らせ、帯を解く。
紐を解いて長襦袢とまとめて脱がせた。
はい、と寝巻を背中からかけて着物を掛けに行く。
戻ると浴衣を着もせずに困り顔。
一人じゃ着れなかったか。
ん、色っぽいね。そのまま首筋を舐めた。
左手で肌襦袢の紐をほどく。
汗で肌に張り付いた肌襦袢を剥がし、胸を露わにする。
柔らかい乳房を弄り、乳首を転がすと立ってきた。
もう片方の乳首は舌で。
髪をくしゃくしゃにされる。
一時間ほど先生を啼かせて寝巻を着せた。
「ちょっと寝ましょうねー」
ベッドに入れて添い寝する。
とはいえ俺に乳を弄られているから先生は中々寝られなかったようだが。
お腹がすかなかったようで先生が起きたのは夜の9時を過ぎた頃。
「何か食べられるもの、ないかしら?」
「あぁ起きた? 欲しいのはご飯? 甘いもの?」
「ご飯。お茶漬けでも良いわ」
「んーリゾットとか食べます?」
「作ってくれるの?」
「簡単バージョンでよければ。和風かトマトどっちが良い?」
「そうね、トマトが良いわ」
「んじゃもうちょっとごろごろしてて」
冷蔵庫からしめじと玉葱を出して刻み、ツナと炒める。
水、出汁、トマト缶に塩を足して炊いた。
昔は米を炒めることに違和感があったんだけど。
しっかり白くなるまで炒めたら意外とうまかった。
15分ほどして先生が台所に出てきて水を汲んで飲み、俺の手元を覗き込む。
「味見して良い?」
「どうぞ」
少し塩胡椒を足された。
「チーズ入れるけど良いの?」
「あ…ま、いいわ」
火が通ったので盛り付けして出した。
俺はそれに更にポークソテー。
「いる?」
「一切れ頂戴」
「もっと食ったら良いのに」
「太るわよ」
「この時間に食べる自体やばいでしょうに」
「だからよ、一切れで良いの」
笑いつつ一切れを先生に。
食べてる内に先生は段々とリゾットの味の濃さがつらくなってきたようだ。
「お腹、ある程度膨れたならやめたらどうです?」
「ん、でも…」
「食わんなら下さい」
「じゃ食べて」
残ったのを平らげ、洗い物に立つ。
「ねぇ明日どこか行かない?」
「何か行きたいところあるんですか」
「根津、どうかしら」
「金継ですか。いいですね」
「違うわよ、秋の取り合わせ。見たいの」
「あぁ。なるほどね。そうそう、次の連休は何か予定入ってます?」
「今の所まだ入ってないわよ」
「それなら京都、どうです? 来ませんか。茶道資料館とか大西とか」
「あらー、いいわね。お母さんに言ってみるわ」
お茶を入れて先生に出す。
「一度あなたの家、行ってみたいわ」
「あっちのマンション? 散らかってるだけですよ」
「片付けてあげるわよ」
「いやぁ、先生見たら帰っちゃうかも」
「そんなに酷いの?」
「えぇまぁ。汚くても死にゃしない、なんて」
べしっと額を叩かれた。
「掃除しなさいよ」
お腹も膨れて落ち着いた先生は歯を磨きに立った。
湯飲みを洗って手を拭いて、洗面所に行く。
歯を磨く先生を後ろから抱いて、胸に手を這わすと腕を叩かれた。
怒ってる、かな。これは。
結局は口をすすぐから離せ、と言うことのようだ。
離してあげてしばし待ち、俺も歯を磨く。
「触るの好きねぇ、でも駄目よ。あなただって嫌でしょ?」
そういいつつ俺の乳を揉んできた。
先生だって触るの好きだよな。
口をすすいでからベッドに連れ込み、丹念に抱く。
先生は幸せそうな顔をして寝始め、俺も眠気を感じて寝た。
朝、ふと目を覚ますと先生がいない。
台所かと思ったら風呂を使っているようだ。
俺も一緒にと思って脱ぎ、入る。
「あ、おはよう。起きたの?」
「おはよう。洗ってあげますね」
「もう洗っちゃったわよ。出るとこ」
「何だ、残念」
浴びてたシャワーを止めてタオルで水気を拭い、先生が出た。
しょうがない、俺もさっさと洗って出るか。
ざっと軽く洗って出ると先生はドライヤーを使っていて、既に浴衣を纏っている。
「暑くない?」
「ちょっと暑いかも…」
スイッチを入れ、通気を図る。
風呂場乾燥もかねて。
俺は冷めるまで裸でごろごろしていたら先生が戻ってきた。
「襲うわよ?」
そんな冗談を言われて着替えた。
「何か買って来ようと思いますが」
「ちょっと待ってね」
先生が冷蔵庫の中を覗き込んでる。
何か作ってくれる気かな?
「そうね、朝御飯は昨日と同じようにでいいかしらね。お昼の材料買ってきてくれる?」
「パンは何が良いです?」
「おいしそうなの。お願いね」
「はーい」
デニッシュを3種、安納芋と和栗、アーモンド。
チェリーのボストックがあったのでそれも。
どれか一つくらい先生が食べるのあるだろう。
スープは今日は人参とグリーンピース。
持って帰ると先生が妙な顔をした。
「人参、ポタージュになるのねぇ…」
「ごぼうがなるくらいですからね」
絶句してる。
「おいしいのかしら」
「さあ…一度買ってみましょうか?」
「そうね、今度お願い」
結局先生は和栗をチョイス。
女の人は芋栗南京って言うよね。
本当は芝居浄瑠璃芋蛸南京だけど。
グリーンピースのスープは先生が、人参は俺がいただいた。
その後、先生が俺の買ってきたものを点検して献立を理解したようで下拵えしはじめた。
昼前、先生が早めのお昼にしよう、ということでご飯を炊いて食べ、支度する。
根津へ。
先生は秋草の付け下げ、胴抜きの着物。
残念ながら単衣の秋らしい模様のは先生には似合わなかった。
でもこれは映える。
俺は紬で羽織をつけて。
先生にとっては丁度良い気温だったようだ。
じっくりと取り合わせを観覧され、それから金継や絵などを見てまわられた。
俺は先生から説明を受けお勉強。
「あら、飯嶋さん。こんにちは」
「あらあら、お久しぶり」
「こちら旦那さん? こんにちは」
「ちがうのよ、これうちの弟子で今日はお勉強」
「宜しく、山沢といいます」
「三輪です、飯嶋さんとはいつも勉強会でご一緒してるの」
「渋谷の方でお教室されてるのよ」
先生方の行くような勉強会はそういう方沢山いらっしゃるんだろうな。
「今度この子も勉強会に連れて行こうと思うんだけど中々ねえ」
「連れてらっしゃいよ」
「お仕事してるから日が合わないのよね」
「それは残念ねえ」
場所を移してカフェでコーヒーをいただきつつおしゃべり。
「お茶会ももっと連れて行かないと、と思ってるんだけど」
「難しいわよ、お仕事してる方は。日曜は休養日だし」
「それじゃいけないのよね」
「あなた山沢さんでしたっけ、一度お茶会いらっしゃいよ。大寄せで良いから」
「そうですねぇ」
女の長話が終って先生と庭園を楽しむ。
折角のデートなのに他人がいるのはつまらない。
美術館を出てタクシーを拾う。
車中の人となった途端、頭を撫でられた。
「ん?」
「我慢してたでしょ?」
「顔に出てました?」
「三輪さんにはわかってなかったと思うから良いわ」
「ならよかった」
そのあと家に着くまでずっと俺の手を握っていて、少し照れくさい。
ふと気づく。
「あ、今日のうちに帰るんですよね?」
「明日一緒に帰るわよ」
「朝稽古、良いんですか?」
「生徒さん、朝来ないのよね…最近」
「あなたがサボるからじゃないですか。みんなきっとあなた目当てなんですよ」
「そんなことないわよ」
「少なくとも俺はそうです。だから今日は夕飯食べたら」
「帰れって言うの?」
「送ります。お稽古は休まないで下さい。じゃないと旅行、言い出しにくい」
いじけてるみたいだ。
「わかった、今日だけですよ。ちゃんと次からは休まないで」
「休んじゃ駄目?」
「八重子先生の負担、やっぱり大きいでしょう?」
「あ…そうよね」
どうやら失念していたようだ。
「一応、一年目は大目に見るとは言っていただけましたけど。もう一年、過ぎましたから」
「叱られちゃうかしら」
「かもしれませんよ」
ちょっと脅したころ、家についた。
先生は少ししたらご飯食べに出ましょ、と言う。
どこが良いか聞くとステーキハウス。
予約を入れてる間に先生は着替えられた。
油はねしても気兼ねのない物に。
ステーキはおいしく、先生はワインも飲まれた。
満腹、満足。
帰宅して寝巻に着替えてくつろぐ。
「あなた明日早いんでしょ?」
「ええ、休み明けですから」
「眠くならない? ホットミルクいるかしら」
「ふふ、そんなのいいからおいで」
引き寄せてゆぅるりと先生の体をなでる。
「う、私のほうが眠くなっちゃうわ」
「それで良いんだよ。あなたの寝息が一番の子守唄だ」
静かに先生の呼吸が遅くなるのを聞きつつ、耳元で囁く。
「好きだよ、絹。ずっと手元に置きたいくらい」
先生はびくっとして呼吸が少し速くなった。
「寝なさい、お休み」
また呼吸が落ち着くまで撫でて。
寝息に変わった後ベッドにもぐりこんだ。
おやすみなさい。
よく寝ている先生を置いて朝の支度。
出勤して仕事をこなす。
休み明けはあまり売れない。暇だ。
やや、眠くはある。
のんびりと仕事を終え帰宅してすぐ先生を送りがてらお稽古へ。
先生のお宅で風呂と飯をいただき、お稽古開始。
下界とは違い涼しく、お稽古するにもちょうどよい気候とあって満員御礼だ。
先生も機嫌よくお稽古をつけられている。
順々に生徒さんが入れ替わり立ち代り。
全員送り出して先生が一旦柱にもたれた。
「あぁ疲れた。ちょっと休憩ね」
その間に台子を出した。
「ん、それするの?」
「していただきたいです、忘れそう」
「忘れるのは駄目ねぇ」
準備が終ったころ、先生がしゃんとされた。
「お稽古、お願いします」
「はい」
厳し目のお稽古が進み、何度か怒られる。
「そんなことじゃ駄目よ、次の許状申請できないわ」
「はい、もう一度お願いしてもいいですか」
時計を見て、許可が出る。
再チャレンジは流石に間違いはなく。
「これがいつしてもちゃんと出来たら次、教えてあげるわ」
「はい」
やっぱり最近エロにばかり気が行ってたからな。
「あんたら、そろそろご飯だから片付けなさい」
「あ、はい」
「それと…開から何か連絡あった?」
「兄さんから? なかったわよ」
「ないですね」
「連絡がつかないらしいんだよ」
「またですか…どこか遠方にいて帰れないだけでは?」
「だと良いんだけどねぇ」
「前があるから心配でしょうが二・三日待ってみてはどうでしょう」
「そうねぇ…」
大変に心配そうだ。
取敢えずはと水屋を片付け、沈んだ表情で先生方が夕飯を取る。
洗い物を片付け帰ろうとすると、連絡あったら教えて、と言われた。
そっと抱き締めてなでる。
「連絡あり次第すぐに」
「お願い、ね」
「じゃ、また土曜日」
「はい」
別れて帰宅する。
一応家の着信履歴も見たが連絡はないようだ。
良い年した男が家族に心配かけるんじゃないよ。
金曜が過ぎ土曜にお稽古に伺ったがまだ連絡がつかないようだ。
「一応警察に届けを出したんだけど…」
「女ならまだしも男じゃねぇ、調べてはくれないみたいだよ」
「まぁ駆け落ちとか自分から失踪とか多いですからね」
それでも先生はお稽古のときになるとちゃんと気を入れ替えてしっかりと先生をする。
そういう所、えらい。
お稽古が終った後、テレビを見ていると御嶽山噴火とあり驚く。
先生方はふーん、と言う感じだが多分この辺噴煙来るよ?
いつもの団欒の時間だが表情は冴えず。
夜は同衾するも俺の懐にいるだけでお願い、と言われた。
そんな心痛抱えてる時にしたいとか言わないぞ。さすがに。
寝付けないようで溜息が何度も聞こえる。
それでもいつの間にか寝息に変わった。
それを聞いてから眠りにつく。
朝、先生はまだ寝ている。
夜中寝苦しかったようであまりよく寝られなかったようだ。
食事の時に起こせば良いだろう。
身支度して台所へ行き、朝食を作る。
暫くして八重子先生が起きてきた。
「おはよう、相変わらず早いね。絹は?」
「寝られなかったみたいです、昨晩」
そういえば昨日も目の縁にクマがいた。
溜息。
「八重子先生も眠いならもうちょっと寝てらしたら? できたらお呼びします」
「もう着替えちゃったしね、良いよ」
二人で朝飯を仕上げ、配膳し起こしに回る。
食後、先生方が転寝しているのを尻目に家事をしておく。
今日も暑いなぁ。

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