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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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旅の後

山沢さんを送り出して台所を通りがかったらお母さんがお皿を洗ってくれていた。
「お母さん、私やるわ」
「いいよ、あんたも疲れたろ」
「そう? じゃお願い」
居間に戻ってお座布団に落ち着く。
「ねえお母さん」
「なぁに?」
「なんで山沢さん連れて帰って来たの?」
「なんでって」
「だってうち寄って貰うより東京駅で別れた方が山沢さんの家近いと思うんだけど」
「あんたこのお土産持てる?」
「え?」
律が持ち上げようとしたけど…。
「無理、なにこれ。こんなの山沢さん持ってきたの?」
「そうよ。お母さん持って帰れると思う?」
「あー…」
「それにあの子帰したら御飯も食べずに寝るわよ」
「あ、そういうこと」
「なぁに? あんた山沢さん苦手なの?」
「いやそうじゃないけど気付いたらいつも家にいるなって」
「内弟子って本当は住み込むもんだからね」
お母さんが洗い物をすませ戻ってきた。
「そうなの?」
「そうよ。昔はそれが普通だったの」
「おばあちゃんは昔住み込みで働いてたのよ」
「でも最近住み込みとか聞かないよ」
「そうねえ」
「もうどうせだから養子にするか嫁にしたらいいんだよ」
「兄さんのお嫁さんにしちゃう?」
「ええっ、そ、それは山沢さんが納得するのかな」
「子供は別にどうしてもってことはないし。あの人子供苦手って言ってたわよね」
「内弟子で家に置いてるより、お嫁さんの方が通りはいいからねえ」
律は乗り気じゃないみたい。
でも今度山沢さんに聞いてみましょ。

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